今回の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を巡る騒動は韓国の“独り相撲”だった。自ら墓穴を掘っただけで、「日本の完勝」と喜ぶのも適当とは言えないほどだ。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権はここまでの米国の本気の圧力を想定しておらず、そして日本はそのうち折れてくるだろうと、日本の姿勢も読み違えた。当初、韓国は日本の輸出管理厳格化の措置への対抗措置としてGSOMIA破棄のカードを出してきた。そうすれば、米国はGSOMIA破棄を回避するために韓国だけでなく日本に対しても働きかけ、日本が輸出管理厳格化の措置を撤回するように追い込めると期待していたようだ。そのためには、GSOMIAと輸出管理厳格化という2つの問題を何としてでもリンクさせることが必要だった。
日本側もそこがポイントであることは百も承知で、両問題が別次元で全く無関係であることを徹底的に説明し続けた。結局、米国は韓国が期待する「喧嘩(けんか)両成敗」で調停する動きをせず、韓国のもくろみは外れた。
それどころか、米国はGSOMIAの失効が米国の安全保障を直接的に脅かすものだと受け止めて、米国の韓国への圧力は失効期限が迫るにつれて日に日に激しさを増していった。背景にあったのは対北朝鮮というよりは、対中国である。米議会の対中脅威論も拍車がかかり、GSOMIA継続について米議会上院が全会一致で可決する事態にまで発展した。さらにそこに、米国は在韓米軍の駐留経費の韓国負担を約5倍に増額するという圧力もかけた。
文政権は追い込まれ、GSOMIAを続けざるを得なくなった。あとは国内からの「無能な外交」との批判を避けるために、国内向けにどうメンツを保つかに腐心した。ポイントは韓国がGSOMIAの失効を回避するという方針転換と同時に、日本にも輸出管理で譲歩させたと国内向けに強弁できる状況をつくることだ。
コメント21件
人生オワテナイ
じむいん
イスラエル首相が訪韓した際に罰則規定を記した箇所の黒革のタルムードを韓国側に手渡した件についてコメントを聞きたい。こいつが今の流れの大元だと思うんですがねえ。
中小企業技術職人
輸出管理厳格化から始まる一連の騒動、一番得をしたのは細川さんかも知れないですね(笑)モテそうなのでスキャンダルには気をつけて下さい。
昔の日経が好き
>日本の一部のメディアは意図的にGSOMIAの失効と結びつけ、しかも「協議」と報道しているのだ。
>韓国側は案の定、「日本の措置の撤回に向けた協議」と国内向けに宣伝している。そして日本のメディアの一部もそういう印象を与える報道をしている。
>輸出管理をきちっと審査する体制を整え、法制度も不備を直すことを確認して、大丈夫だと日本政府が判断できなければ何も事態は動かない。
...続きを読む偏向報道にもかかわらず、政府は「軸がぶれない対応」をするだろうと信じています。が、USがGSOMIAのみから「譲ってやれ」と言わないかについては信頼度が落ちます。この懸念点が早く解消されるようにアメリカのGSOMIAとそれ以外は無関係というコメントが早急に欲しいところです。
けんたうるす
ビジネスクリエータ
韓国の外交「も」相変わらず低レベルだと感じてしまう。
同時に日本の外交も「空騒ぎ」であるにもかかわらず「半導体製造関連の3品目の個別許可 」の厳格化措置を突然(少なくとも韓国側にとって)始めるなど、中国・北朝鮮の動向を考えると、外交上得策だ
とは思えない。威勢のいいネット上のウヨク(似非右翼)が喜んだだけで、なんの意味があったのだろう。私は「隣の家」が武装してこちらを向くのではなく、少なくともそういった危なっかしい家の間にもう一軒仲良しの家があって欲しい。せっかくの地政学上のメリットを捨てる必要はないと思う。...続きを読むフライヤ
昨日、GSOMIAと輸出管理を「リンク」させた韓国の手練手管を読んで
日経もこんな記事を垂れ流すとは、某マスコミと同じじゃないか!
と思いましたが、この記事を見て安心した。
この記事は韓国国民にもしっかり読んで自分の頭で判断していただきたい
。...続きを読むコメント機能はリゾーム登録いただいた日経ビジネス電子版会員の方のみお使いいただけます詳細
日経ビジネス電子版の会員登録