老後の貯金はいくらあればいい?40代での理想の貯金額は?

2019.11.23
FINANCE
(写真=Olena Yakobchuk/Shutterstock.com)
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公的年金だけでは老後資金を賄えないといった不安などから、どの年代でも老後資金への関心が高まっている。特に40代にもなると本格的に老後のことを考え始める人も多いのではないだろうか。そこで今回は40代が知っておきたい老後の貯金額と資金不足に備えて活用したい制度を紹介する。

40代の平均貯金額は約511万円

2018年の金融広報中央委員会の調査によれば、40代の平均預貯金額は511万円であった。(金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査]より)保険や株式なども含めた金融資産全体で見ると942万円が平均だ。一方で同年代の中央値は550万円。平均値は金融資産が多い人が引き上げているため、中央値のほうが世の中の実態に近いといえるだろう。

老後の貯金はいくらあればいい?不足するのは500万円?

夫婦2人世帯では老後どれくらいの生活費が必要なのだろうか。ここでは夫が会社員で妻が専業主婦の夫婦がどちらも女性の平均寿命の88歳まで生きる場合をシミュレーションしてみる。老後に必要なお金の金額は、老後予想される生活費から予想される収入を引くことで算出可能だ。

老後に予想される生活費は約8,900万円

総務省が公表している2018年の「家計調査年報」によると2人以上の世帯の1ヵ月の消費支出は、60~69歳までが29万1,019円、70歳以上では23万7,034円だ。そのため60~88歳までの生活費は以下の計算で算出できる。

・29万1,019円×12ヵ月×10年+23万7,034円×12ヵ月×19年=8,896万6,032円

老後に予想される収入は約8,300万円

老後の収入で予想されるものには主に年金と退職金がある。厚生労働省が2019年に発表した夫婦2人の厚生年金と国民年金額のモデルケースは22万1,504円だった。この金額は夫が平均標準報酬42万8,000円で40年就業し、妻がその間専業主婦(第3号被保険者)という場合である。この額を65~88歳までの24年間受け取るとすると、計算式は以下の通りだ。

・22万1,504円×12ヵ月×24年=6,379万3,152円

また、2018年時点での退職金の平均は大学・大学院卒で1,983万円だ。(厚生労働省「就労条件総合調査」より)つまり老後の生活費で予測される不足額は下記の計算により約500万円となる。

・8,896万6,032円-(6,379万3,152円+1,983万円)=534万2,880円

もちろんこの金額は各世帯の状況によって変わってくる。会社によっては退職金が期待できないところもあるし、共働きなら年金の上乗せも期待できるだろう。

40代の理想の貯金額は?老後の貯金額を考える上での3つの注意点

40代では必要となる貯金額の5分の3を目標にしよう。老後の必要資金が1,500万円なら900万円、2,000万円なら1,200万円の貯金がひとまずの目安になる。しかし老後に必要になる資金は当然ながら前述した生活費だけではない。特にこれから紹介する3つの項目には注意しておきたい。

(1)教育資金を見積もっておく

1つ目は子どもの教育資金である。最近では晩婚化が進み30代後半から40代で子どもを授かる夫婦も少なくない。例えば60歳以降も大学や大学院の授業料が必要となると老後のための貯金を切り崩すこととなる。子どもにどのような教育を受けさせたいか、おおよそ見当をつけて資金を用意しておいたほうがいいだろう。

幼稚園から大学まで私立だった場合の教育費は最大で総額約2,500万円、すべて公立だった場合では約1,000万円の費用がかかる可能性がある。どうやって教育資金を準備するか、夫婦で相談しておこう。

(2)病気やけが、災害に備えて資金を確保する

2つ目は病気やけが、災害など万が一のときのお金だ。高齢になるに従って大きな病気やけがのリスクは増え、入院も長期化する傾向にある。2017年に厚生労働省が発表した「患者調査」によると、75歳以上の人が入院した場合における退院までの日数は、がんの場合で21.8日、認知症では257.1日かかっている。これらのデータを踏まえると半年から1年分の治療費と生活費は余分に準備しておきたいものだ。

(3)持ち家がある場合はリフォーム費用を念頭に

3つ目は家のリフォーム費用だ。持ち家にも定期的なメンテナンスは必要である。どれくらいの金額がどれくらいの頻度で必要になりそうなのか、現役時代からいろいろと調べておくと老後の不安を払拭できるだろう。2019年2月に一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が公表した「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査第11回報告書」によるとリフォームの平均予算は戸建てで269万3,000円、マンションは261万6,000円だった。

上記3つの項目と予備費用を考えると、前章で紹介した534万円にプラスして、人によっては1,000万円から1,500万円程度用意しておく必要があるかもしれない。

老後の資金不足に備えて活用したい3つの制度

自分の老後資金の不足額がだいたいわかったら早めに準備を始めることが大切だ。もちろんコツコツと貯金するのも確実な方法だが、今回は貯金以外に利用できる「iDeCo」「つみたてNISA」「個人年金保険」の3つの制度を紹介する。

(1)iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」という制度で、60歳までの間に毎月一定の金額を自分で出し、投資信託や定期預金、保険などの金融商品を自分で選んで運用する。運用した掛金は60歳以降に受け取るという仕組みだ。運用益が非課税となったり掛金は全額所得控除となったりするなど優遇されているのが魅力。

iDeCoは企業年金制度のない会社員の場合、年額27万6,000円までとなっている。例えば現在40歳の人が年27万6,000円を20年間iDeCoに拠出し年3%の運用ができた場合は60歳時点で約755万円の資産になる。ただし老後のための制度ということでiDeCoは原則60歳まで引き出すことができない。また元本割れするリスクもあることは覚えておこう。

(2)つみたてNISA

つみたてNISAは毎月一定額を出して投資信託を購入・運用し、運用で出た利益が非課税になるという制度だ。投資できる金額は年額40万円までで投資期間は2037年までという期間限定の制度である。仮に2019~2037年まで19年間つみたてNISAに年間40万円を投資し同様に年3%で運用ができれば約1,000万円年金に上乗せできる計算だ。つみたてNISAで投資信託を運用する場合、当然ながら損失が出るリスクもある。

(3)個人年金保険 

個人年金保険は、現役時代に毎月一定額を支払ったり一括で一時金を預けたりして契約時に定めた年齢(60歳、もしくは65歳など)から一定期間保険金が受け取れる保険のことだ。例えば65歳から5年間毎年100万円を受け取ったり終身で一定額を受け取ったりすることができる。保険金の受取前に保険加入者が死亡した場合は、遺族に死亡給付金が支払われる仕組みだ。

掛金が大きく増えるものではないが、将来受け取れる額が決まっているため計画が立てやすい。個人年金保険も加入後早期に解約すると元本割れすることは覚えておこう。

まずは自分の生活に合わせた必要な資金額を見積もろう

働き方の多様化もあり老後に必要な資金は個人差が大きいのが事実だ。今回のシミュレーションを参考に、まずは自分の状況に当てはめて将来必要になるお金を見積もってみよう。早めに行動することが将来への不安をなくす最良の手段ともいえる。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)
 

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住宅ローンで連帯保証人を立てることが条件になる5つのケース 連帯債務者との違いとは

2019.11.23
FINANCE
(写真=goodluz/Shutterstock.com)
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不動産の賃貸契約では一般的に連帯保証人が必要だが、住宅ローンを組む際にも連帯保証人は必要なのだろうか。もし必要だとすれば、多額の借金を負う可能性のある連帯保証人を見つけなければならない。

住宅ローンに連帯保証人は原則不要

結論からいえば、原則として住宅ローンに連帯保証人は不要だ。それには以下のような理由がある。

保証会社が保証するため

現在ほとんどの金融機関では保証会社の保証を受けられることが、住宅ローンを利用するための条件となっている。保証会社は住宅ローン利用者(債務者)が住宅ローンの返済ができなくなった場合に、債務者に代わって金融機関に返済を行う。

保証会社が連帯保証人の役割を果たし、金融機関は貸したお金を回収できない(貸し倒れ)リスクを回避できるため、住宅ローンに連帯保証人は必要ないのだ。

保証会社が代わりに住宅ローンを返済した場合には、住宅ローンの債権者が金融機関から保証会社に変わるだけであり、ローン債務がなくなるわけではない。保証会社から残債の一括返済を求められる場合もあり、返済のため家を売らなければならない可能性もある。

住宅が担保となるため

住宅が担保となるため貸し倒れリスクが低いことも、住宅ローンに連帯保証人が不要な理由といえる。

住宅ローンで購入した住宅(土地・建物)には通常、保証会社または借入先金融機関を抵当権者とする抵当権が設定される。金融機関は住宅ローンの返済が滞れば住宅を競売にかけることができ、売却代金から貸付金を回収できる。

住宅ローンで連帯保証人を立てることが条件になる5つのケース

連帯保証人が原則不要の住宅ローンだが、以下のようなケースでは連帯保証人を立てることが条件となる。

収入合算により住宅ローンを組む場合

収入合算とは、本人の収入に配偶者や親などの収入を合算した金額をもとに1本のローンを組む方法をいう。収入合算を行う場合では、収入合算の対象となった配偶者、親が連帯保証人となる。

ペアローンを組む場合

ペアローンとは、同一物件に対して本人と一定の条件を満たす配偶者や親が、自分の収入を基準に各自住宅ローンを組む方法をいう(ローンは2本)。本人と配偶者(または親)のそれぞれが債務者となり、互いに連帯保証人となる。

団体信用生命保険に加入しない(できない)場合

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローン返済中に債務者に万一のことがあればローンが免除される保険であり、多くの金融機関で団信に加入することが住宅ローン融資条件のひとつとなっている。

団信に加入しない、あるいは健康上の理由で加入できない人が住宅ローンを利用する場合、法定相続人を連帯保証人とすることが条件となる(担保提供による場合もある)。

共有名義で住宅を購入する場合

土地や建物を共有名義で購入した場合や親の土地に子がローンを組んで家を建てる場合などには、ローン名義人以外の共有者は担保提供者(物上保証人)となる。担保提供者が連帯保証人になることを融資条件としている金融機関も多い。

住宅ローンの融資審査結果により連帯保証人が必要と判断された場合

審査結果により連帯保証人が必要と判断されれば、連帯保証人を立てなければならない。

「連帯保証人」は「保証人」よりも重い責任を負うことになる

そもそも連帯保証人とは何か。連帯保証人とは、お金を借りた本人(主債務者)が返済できなくなった場合に、本人に代わって返済の義務を負う人のことだ。

保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人の違いは具体的に次のようなものだ。

債権者(金融機関等)がいきなり返済を求めてきた場合、保証人はまず主債務者に請求するよう主張できるが、連帯債務者はできない(連帯保証人には「催告の抗弁権」がない)。

主債務者に返済できる資力があるにも関わらず返済しない場合、保証人は債権者からの請求を拒否して主債務者の財産に強制執行するよう主張できるが、連帯保証人は請求に応じなければならない(連帯保証人には「検索の抗弁権」がない)。

保証人が複数いる場合、各保証人は債権額をその人数で割った金額のみに返済義務を負う。連帯保証人は複数いたとしても各連帯保証人が債権額全額に対する返済義務を負う。債権者は連帯債務者の一人に全額を請求できる(連帯保証人には「分別の利益」がない)。

連帯保証人は保証人よりも重い責任を負う

連帯保証人と通常の保証人のいずれも、主債務者が返済できなくなれば代わりに返済する義務を負うのだが、連帯保証人は主債務者とほぼ同じ責任を負うことになり、通常の保証人よりも責任は重いと言える。

住宅ローンにおける連帯債務者と連帯保証人の違い

「連帯債務者」は「連帯保証人」と似ているが、もちろん意味は違う。

連帯債務者とは、ひとつの債権(住宅ローン)を複数人が協力して返済する場合の自分以外の債務者のことをいう。連帯債務者はそれぞれが独立した返済義務を負う。連帯保証人には主債務者が返済ができなくなるまで返済義務はなく、そもそも債務者ではない。

連帯債務者となるのは、夫婦連名で1本の住宅ローンを契約する場合や親子リレーローンを利用する場合など。夫妻(親子)がそれぞれ連帯債務者となる。

同じ住宅を購入するために夫婦(親子)がそれぞれ独立した住宅ローンを組む「ペアローン」では、ローンは2本となる。この場合は夫が債務者となるローンでは妻が連帯保証人、妻が債務者となるローンでは夫が連帯保証人となる。

連帯債務者は自分の持分を取得するために支払う住宅ローン負担分に対して、各自住宅ローン控除を受けられる。連帯保証人は債務者ではないので、当然ながら住宅ローン控除は受けられない。

住宅ローンの連帯保証人の条件

債権者(金融機関)などから連帯保証人を立てることを求められた場合、原則、民法450条に定められている保証人の要件を満たす者を連帯保証人にしなければならない。

例外として債権者が保証人を指定した場合には、民法上保証人要件を満たしていなくとも保証人となれる。ただ、実際には指定する保証人が要件を満たしていなければ住宅ローンの融資を受けられないケースが多い。

【民法450条の保証人の要件】
一 行為能力者であること(未成年者や成年被後見人・被保佐人・被補助人ではない)
二 弁済する資力を有すること(代わりに返済できる財産・経済力がある)

住宅ローンの連帯保証人になると簡単にはやめられない

住宅ローンの連帯保証人をやめるには、別の連帯保証人を立てる、十分な担保を提供するなどして債権者の承諾を得なければならない。夫婦が互いに住宅ローンの連帯保証人となっている場合、離婚を理由に連帯保証人をやめることはできない。

住宅ローンの連帯保証人となってくれる人を見つけることや、十分な担保を提供するのはそう簡単ではない。

債権者の承諾が得られず連帯保証人をやめるには、借り換えにより連帯保証人になっている住宅ローンを完済する方法がある。とはいえ住宅ローンの借り換えには審査があり手数料もかかる。

住宅ローンの連帯保証人が必要=返済できなくなるリスクが高い?

連帯保証人は金融機関が貸し倒れリスクを回避するために立てるものである。そのため、住宅ローンで通常必要のない連帯保証人を立てるよう求められるというのは、その住宅ローンを返済できなくなるリスクが高いということだ。

収入合算やペアローンは本来一人の収入では買えない住宅を購入するための荒技であり、余裕のある住宅購入とはいえない。収入の減少などで計画が狂ってしまえば、せっかく手に入れたマイホームを手放さざるを得なくなるかもしれない。

連帯保証人は立てて終わりではない。連帯保証人が必要となるような住宅ローンの返済計画に無理はないのか、よく考えて住宅ローンの組み方を判断したほうがいいだろう。

文・竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
 

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