九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)の整備方式を巡り、公明党佐賀県本部は24日に勉強会を開き、党の与党検討委員会メンバーや国土交通省鉄道局、JR九州の幹部が説明役を務めた。JR九州は、新鳥栖―武雄温泉間をフル規格で整備する場合、並行在来線となる長崎線の取り扱いについて「(佐賀、長崎両県と国交省との)4者協議の中でこれから真摯(しんし)に協議する」と、経営分離を前提とせずに協議に応じる姿勢を示した。
勉強会は冒頭を除き非公開。JR九州からは前田勇人副社長らが出席した。前田氏は終了後の取材に対し「並行在来線の問題は地域にとって重要な課題」と述べ、4者協議で話し合う意向を示した。与党検討委メンバーで公明の秋野公造参院議員は「(並行在来線は)経営分離を前提に議論するのが新幹線のスキーム(枠組み)だが、『4者協議で議論する』と踏み込んでもらった。県民の安心感につながる話だ」と述べた。
鉄道局からは寺田吉道局次長が参加し、未着工区間をフルで整備した場合に佐賀県の実質負担が660億円とした国の試算などに関し、JRからの貸付料などを踏まえて説明した。党県本部の中本正一代表は取材に「できるだけ確定した数字でないと議論の前提にならないので、佐賀県に説明するための新たなスキームが必要ではないかと提案した」と話した。