松浦G1初制覇 競輪祭 【小倉】

西日本スポーツ

 小倉競輪で19日から熱戦を繰り広げたG1「第61回競輪祭」(優勝賞金3450万円)は最終日の24日、第12Rで決勝戦があり、松浦悠士(29)=広島・98期・S1=がマーク差し切りでG1初優勝を達成した。2着はイン粘りで平原康多を飛ばし2角から吉田拓矢を番手捲りした清水裕友、3着に柏野智典との並走を制して松浦後位にスイッチした諸橋愛が入った。シリーズ6日間の売上額は88億5991万円(目標110億円)だった。

■ヒーロー

 時代が大きく変わった瞬間だった。松浦のG1優勝は、グレード制導入後、広島勢として初の快挙。昨年12月、地元でG3初Vを達成して以来、とどまることなく成長を続け、競輪史に新たな1ぺージを加えた。競輪強国とは言えなかった中国地区がG1でワンツーフィニッシュ。一大勢力と化したことを証明した。

 レース後は開口一番「清水君とのワンツーが一番うれしい」と声を弾ませた。準決、決勝と前を任せた清水は、本当の意味での目標だった。「昨年の防府記念決勝で、清水君との連係がうまくいかなかった。清水君くらいの脚力がなければ、彼に付いたり、抜いたりできないと感じた。今のままではだめだと思った」。まずまず順調に感じていた自分の成績を一気に抜き去り、同じ月の競輪祭ではS級S班を決めた清水が、松浦の目を覚ました。「清水君をはじめ、中四国のみなさん、そして家族のおかげです」としみじみ。多くの人々から愛される松浦らしく「そしてすごい声援をくれたファンの皆様にも感謝したい。(3着以上でGP出場がほぼ決まる)準決勝では、決勝かと思うほどの声援だった」とにこやかに話した。

 今年1年、GP出場へ賞金争いに明け暮れていたが、終わってみればタイトルホルダーとしてGPに向かう。「グランプリに向けてまたはじめないと。もっと脚力を向上したい。取るという強い思いを持って、1カ月過ごします」と力強く宣言。喜びに浸る暇はない。中国地区に初のグランプリVを-。清水とともに、さらに大きな仕事をやってくれそうだ。 (野口雅洋)