競輪祭でGI初制覇を果たしKEIRINグランプリの出場権を獲得した松浦悠士(中央)。2着・清水裕友(左)、3着・諸橋愛(右)【拡大】
小倉競輪場で開催された『第61回競輪祭』(GI)は24日、第12Rで決勝が行われ、松浦悠士(29)=広島・98期=が直線で抜け出してGI初優勝。賞金3450万円(副賞含む)を手にするとともに、『KEIRINグランプリ2019』(12月30日、立川)の出場権を獲得した。松浦を引き連れてまくった清水裕友(山口)が2着に粘り、中国勢が上位を独占。大会4Vがかかった平原康多(埼玉)は9着に終わった。
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まさに“有言実行”の一年だった。松浦悠士が年頭に掲げた「今年はグランプリに出る」という目標を、GI初制覇という最高の形で実現させた。
盟友の清水裕友に託した決勝戦。清水は赤板から巻き返した吉田拓矢の番手に粘って平原に競り勝つと、休む間もなく最終2角からまくり上げた。踏み出しに集中しピタリと続いたことで訪れた絶好のチャンス。逃すわけにはいかなかった。
「後ろに諸橋さんがいたので、ギリギリまで待って踏みました。完走でグランプリ出場が分かっていたので、緊張しなかったのがよかったのかもですね」
ゴールを真っ先に駆け抜けた瞬間、ガッツポーズが飛び出した。そして仲間の手で3度宙に舞うと、白い歯がこぼれた。この一年で大きく成長できたのは、自分を見つめ直すきっかけを清水がくれたからだった。
「昨年の防府記念(決勝)で清水君に離れてから、もっと力を付けないと駄目だなと思って。一からやり直して、ようやく抜くことができました」
試行錯誤を繰り返し、夏過ぎには減量によりリズムを崩したこともあった。だが、すべては強くなるための行動。決して無駄ではなかった。
「今年はここまで頑張ってきてよかったと思うけど、グランプリに向けてもっと脚力を向上させないと。出るだけじゃなく、勝ちにいきます」
再び清水とのタッグで臨むことになる年末の『KEIRINグランプリ2019』でも、ユウジの雄姿が見られそうだ。(仲野谷有紀)