この青年教員は1987年生まれということですから、もしストレートで東京大学の教養学部に進学していれば、2006年、私が全学必修・文理共通の「情報処理」を教えた最後の年に、私の教室に配属されたかもしれない学年に当たっているようです。
腕に覚えがあるのは、悪いことではありませんが、それで慢心したり、視野狭窄に陥ったりすると、社会的には全く成立しません。
東京大学大学院情報学環では、GAFAと総称されるような企業とも協力して、電子金融のグローバル・サステナブル・システム確立のための基礎研究に着手しています。
それは、この青年が個人として発信した内容と、およそ丸反対の本質をもち、あさましいヘイトのような仕儀は全否定されていることを、専門の観点から補足しておきます。
冒頭にも明記した通り、この青年は「特定短時間勤務・有期雇用教職員」で、「有期」の期限が来れば契約は消滅し、その先の雇用は基本的にありません。
また期限以前に契約そのものが解消されれば、その時点で東京大学との雇用関係はなくなります。
ネット上では「処分」との指摘を多数目にしますが、闇雲に処分しても再発防止につながりませんし、この青年だって本来は前途有望の若者の一人だったはずでした。
そういう意味で、学生を諭すトーンをもって、関連する分野の一年長者として言ってやれることは、
●自分のキャリア・パスをもう少し大事に考えた方がいいこと
●明らかに、グローバルなAI倫理動向などを認識していない、井の中の蛙になっていること
●大学での雇用はもとより、このような情報発信は、ベンチャーの倒産に直結する経営上のリスクで、一刻も早く自分の胸に手を当てよくよく反省し、直ちに行動を改めること
といったところになるかと思います。
せっかく手先の動く有望な青年が、このようなことでキャリアを失うのは、残念なことです。
そのような人材育成上の配慮が不足していたことに、東京大学のスタッフである一個人としてですが、遺憾の意を表したいと思います。












