日経ビジネスオンライン「常識の源流探訪」連載をスタートしてからまる13年経過していますが、東京大学教員と明記してこのようなお詫びをリリースするのは、初めてのことになります。

事実関係について

 東大に所属する若い教員がヘイト書き込みをしているという話は、しばらく前から耳にしていました。

 しかし、それが、私の所属する「大学院情報学環」で問題になっている、手がつけられなくなって困っている特任の若者の件と同じであるとは認識していませんでした。

 11月24日朝、事態の全貌を知り、直ちに本稿を記しています。

 個人を取り上げても構造的な問題は解決しませんので、以下では実名は一切記しません。

 私が目にした順に記しますと、まず、曲がりなりにも東京大学のスタッフから発信されたものとして「そもそも中国人って時点で面接に呼びません。書類で落とします」というツイッターの書き込みがありました。

 あってはならないことなので、目を疑いました。

 驚いて当該アカウントをチェックしてみると、これはこの青年が自分で書いたのだと思いますが「東大最年少准教授、『人工知能2.0』前夜、覚醒せよ」なるプロフィールが目に入りました。

 これについては説明が必要と思います。この青年が雇用されているのは特定短時間勤務・有期雇用教職員というポストで、フルタイムの無期雇用教授会メンバーではありません。

 かつて私もこの青年と変わらぬ年配で常勤助教授の採用がありましたが、自ら「最年少」などと触れ回ることは決してありません。何を考えているのか、と疑問に思います。

 一般に東京大学出身者は「東大最年少」などとは、まず書き込むことはありません。