女子78キロ超級で今夏の世界選手権を制した素根輝(19)=環太平洋大=が優勝。今大会で優勝したことにより、全日本柔道連盟(全柔連)の強化委員会での審議を経て、柔道の東京五輪代表に1番乗りで内定した。
開店休業状態だった五輪内定者のための会見場が最後に日の目を見た。素根は無数のフラッシュを浴びて、「優勝できてよかった。代表に決まったと言われたときはホッとした」と笑顔を振りまいた。五輪内定には出席者の3分の2の賛成が必要だった強化委員会は5分足らずで終わった。満場一致、文句なしでの五輪選出だ。
世界選手権の再現となったオルティス(キューバ)との決勝。得意とする長期戦に持ち込むと、延長1分53秒、「自分から先に攻めた」と大内刈りで技ありを奪った。五輪3大会連続表彰台の大敵をなぎ倒し、強さを証明した。
全柔連が東京五輪へ向けて新設した早期内定制度。五輪にリーチをかけて今大会を迎えた男子66キロ級の丸山城志郎と女子52キロ級の阿部詩は決勝で敗れて内定を逃し、男子73キロ級の大野将平は故障欠場。計画倒れに終わりかねなかった新制度を、素根だけが生かした。