女子78キロ超級で今夏の世界選手権を制した素根輝(19)=環太平洋大=が優勝。全日本柔道連盟(全柔連)の強化委員会での審議を経て、柔道の東京五輪代表に一番乗りで内定した。
ライバルの存在が素根を成長させた。2018年世界選手権金メダリストの朝比奈沙羅だ。素根は162センチと最重量級では際だって小柄だが、朝比奈は外国勢にも見劣りしないサイズが強み。素根は初対戦から朝比奈に3連敗した。
「朝比奈さんに勝たなければ世界はない」。学校から帰宅後、兄の勝さんとのトレーニングが日課になった。大きな相手に勝つため、相手の懐に潜り込んで放つ背負い投げを強化。豊富な稽古で養ったスタミナも強みとなり、18年4月以降の対朝比奈戦は一転して5連勝した。
素根は会見で朝比奈の存在について問われると、感極まったように上を見上げた。ライバルを乗り越えての五輪切符。2020年の金メダルがはっきり見えた。