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 9月7日、マツダが筑波サーキット(茨城県下妻市)で開いた第30回ロードスター4時間耐久レース。そこに、トヨタ自動車豊田章男社長の姿があった。マツダのロードスターを運転してレースに出場した。

 「車好きのドライバーに販売した車種で、30年間もレースを続けたマツダから学ぶところが多々ある」。豊田氏は車に乗り込む前、こう話した。いつもどおり「モリゾウ」というドライバー名で登録。モリゾウはチームの2番手で出場し、45分間走った。

 ゴール20分前、最終ドライバーのプロ選手が猛烈な追い上げにかかる。ゴール2分前、マツダの社内チームの車が、前を3位で走っていた。ピット内で、スタッフがモリゾウに「抜きますか?」と聞いた。招いてくれたマツダへの気遣いだったが、問われたモリゾウは「当たり前じゃん」とためらいなく答えた。すぐに抜いたモリゾウチームは、最後は2位でゴールした。

 午前の練習走行から夜の表彰式まで、モリゾウはレースを満喫している様子だった。サインを求めるレースファンに笑顔で応えた。

 自動車メーカーの役員がレースに出るのは欧州ではめずらしくないが、年間に1千万台をつくるトヨタの社長のレース好きはいまや海外でも注目される。

F1から撤退

 トヨタのレース事業は、紆余(うよ)曲折もあった。

 2009年11月、自動車レースの最高峰F1からの撤退をトヨタは表明した。豊田氏が社長になってから4カ月ほど後だった。リーマン・ショックを受けて、ホンダは前年を最後にいったんF1から撤退したが、トヨタの前社長は参戦を継続する考えを示していた。ところが、それを豊田氏がくつがえしたのだ。

 会見で豊田氏はF1については…

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