香港=益満雄一郎
政府への抗議デモが続く香港で24日、4年に1度の区議会選挙が実施された。デモが本格化して最初の選挙は、政府への信認を問う「事実上の住民投票」とも言われた。記録的な投票率となっており、結果が示す民意は今後の香港情勢にも影響を与えそうだ。
投票は午後10時半(日本時間同11時半)に締め切られた。投票率は午後9時半(日本時間同10時半)時点で69・04%に達し、1997年の中国返還後、最高だった前回選挙の最終的な投票率を22ポイント余り上回った。記録的な投票率の上昇を受け、現在約3割の議席にとどまる民主派が大幅に伸長するとの見方が強まっている。
国家分裂の動きを禁じる「国家安全条例」に反発して大規模なデモが起きた2003年の区議選でも民主派が躍進したが、過半数には至らなかった。今回、民主派は初の過半数をうかがう勢いを見せている。
投票率を押し上げたのは、市民やデモ隊の要求を拒み続ける香港政府への不信や政治変革を求める機運の高まりとみられる。一方で、社会の安定を優先するため、「与党」に当たる親中国派の議員を支持する声も根強い。
区議選は18区議会の全452議席を、1人1票の直接選挙で争う。政府トップの行政長官の選挙などのように親中派に有利な仕組みがないため、香港で最も民意を反映しやすい選挙とされている。大勢は25日未明に判明する見込み。(香港=益満雄一郎)
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