香港区議選、民主派が過半数獲得 地元メディア報道

中国・台湾
2019/11/25 6:03

香港の区議会選挙で立候補者の当選が決まり、喜ぶ支持者ら(25日、香港)=ロイター

香港の区議会選挙で立候補者の当選が決まり、喜ぶ支持者ら(25日、香港)=ロイター

【香港=渡辺伸】香港メディアは25日未明、24日投票の区議会(地方議会)議員選挙で、民主派が初めて全452席の過半数を獲得する見通しだと報じた。民主派の選挙前議席は約3割で、大きく躍進する。民主派は区議選をデモの賛否を問う「住民投票」と位置づけてきた。デモ支持の民意が示されたとして、普通選挙などの要求を強める可能性がある。

区議選は約294万人が投票し、暫定の投票率は71.2%と1997年の中国返還以来の最高を記録した。6月に大規模デモが始まってから初めての主要選挙で、有権者の関心が高まった。

香港メディアによると、民主派が議席の過半数を得て、政府寄りの親中派を上回る議席を獲得する見通しだ。民主派はデモに参加する若者など積極的に候補者擁立を進め、すべての選挙区で親中派と対決する構図になった。デモの取り締まり強化を進める政府や警察への反発も民主派を押し上げる要因になった。親中派は社会の安定を訴えたが劣勢を転換できなかった。

区議選前にはデモによる交通妨害などで選挙が円滑に実施できるか疑問視する見方もあった。予定通り全選挙区で投票が行われ、いまのところ大きなトラブルは報告されていない。

電子版トップ