この記事は私がまとめました

MAGIKAさん

Tailsとは?

LinuxOS"Debian"をベースにして、匿名化と暗号化に特化した非常にセキュアなOSです

Tailsの利点

匿名性
匿名通信「Tor」をブラウジングだけではなく全てのインターネット接続に使い、生IPでの通信はブロックします
(ただし、新しいTorの経路に切り替えられるのはブラウザだけでTails全体の経路をリセットするには再起動が必要なようです)

暗号性
Tailsは特別に許可した項目を除いて一切の情報を保存できません
これは削除したファイルの復元ソフトを用いてもまず復活しない方式です

安全性
Tailsはあらゆる面で制限されており、そのためウィルスによる遠隔操作の被害の類に遭ってもあまりダメージを受けません
また最初から最高の設定にしているため、初期設定からほとんど何もいじらずに安全なインターネットが使えます

Tailsの欠点

煩雑さ
あまりにも設定を保存できないため毎度起動ごとに操作しなければならない箇所がいくつかあります

ペネトレーションテスト(ハッキング)に不向き
この面ではKali Linuxに頼りましょう

IP・・・我々が普段使っている普通の通信でパソコンやサーバーを特定するために使うもの
生IPでの通信は匿名化されていない普通のものですが、Torを介した通信は主に複数のサーバーを中継することによって司法機関でも手に負えないほどの匿名性を実現しています
まずはこちらをどうぞhttps://matome.naver.jp/odai/2145977345281799201

ダウンロード&インストール

必要なもの:空のUSBスティック二本 混同しないように別の会社の物を使うことをお勧めします
片方は4GB、もう片方は最低8GB(こちらはできるだけ大きいほうが良い)の容量が必要です 
USBポートが二つしか存在せず、Bluetoothや内蔵マウスがない場合はUSBハブが必要です
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/computers/2151899051

こちらも参考にどうぞ
SONY VAIO PRO 11で匿名化OS Tailsを使ってみました
https://no-ne.ws/computer/1344

こちらより現在お使いのOSを選択してください
https://tails.boum.org/install/os/index.en.html
この記事ではWindowsを想定して解説します

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Windowsを選択した先のページで右側のINSTALL FROM WINDOWSを選択
Firefox(Tailsの保有を知られたくない場合はTorBrowser)を起動し、
https://tails.boum.org/install/win/usb/にアクセス
Install Firefox add-onをクリック
アドオンをブラウザにインストールして、ファイルをダウンロードしてください

カスペルキーをインストールするとアドオンの導入に失敗する場合があります
その他何らかの事情で失敗した場合、BitTorrentを使う選択肢があります
Download and verify via BitTorrentをクリックし、Download Torrent fileを選択してください
Torrent fileはTorrentネットワーク内でのファイルのURLのようなものです
BitTorrentをインストールして、Torrent fileをそのソフトで開いてください

解説
ファイルをダウンロードしても、Tailsの公式サイトがハッキング被害に遭遇したり、もっと単純にあなたー介入者ーサイトといった構図で介入者が偽物のファイルを送りつけてくる場合が存在します
そういったリスクを最小限にするためにファイルの真贋を鑑定するアドオンを外部に設置したり、単体でファイルの検証ができるBittrentを通すことを強制しています
もう一つの手段としてファイルの署名を検証する方法が用意されていますが、複雑なため具体的な中身は後述します

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二本のUSBのうち容量が小さい方をPCに接続します(以下USB1)
次の項目のDownload Universal USB Installerをクリックします
ダウンロードしたファイルを起動し、次の選択肢でI Agreeをチェック
上のメニューのリストからかなり下の方にあるTailsを探して選択
次に中段のBrowseから先ほどダウンロードしたTailsの.isoファイルを選択
下段からUSB1を選択(選択されたUSBの中身はすべて消えます)
We Will Fat32 Formatをチェック
選択に間違いがないかよく確認してからCreateを押してください

解説
USBからOSを起動できるように、USBに.isoファイルをインストールしています
.isoは主にDVDなど情報を入れられるメディアの中身をそっくりまとめたものに使われる拡張子ですが、この場合はOSのことを示します

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PCを再起動する必要があります
このページとTails公式ページをスマートフォンで開くか、要点を紙に書き写してください

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USB1を差し込んだままPCをシャットダウンし、起動時にBOOT MENUを開いてください
BOOT MENUはPCの起動時に特定のボタンを長押し/連打することなどによって登場するメニューで、起動するOSの管理などを行います
メニューを起動するためのボタンはメーカーによって異なります
起動時に左下に小文字でpress hold esc to...などと書いてある場合は楽なものですが、不明瞭な場合は調べる必要があります

メーカー  キー
Acer Esc, F12, F9
Asus Esc, F8
Dell F12
Fujitsu F12, Esc
HP Esc, F9
Lenovo F12, Novo, F8, F10
Samsung Esc, F12, F2
Sony F11, Esc, F10
Toshiba F12
others… F12, Esc
(公式サイトより)

またさらにメニューの操作方法も統一されておらず、全てを解説することはできません
操作に失敗して不具合を起こした場合のため、設定をデフォルトにリセットする項目の存在を確認してください
この場合USB1などのデバイスがある項目を見つけて、USB1を選択してTailsが起動すれば構いません
PCによってはUSBからのブート(OS起動)を許可する項目のチェック、セキュアブートの切断など追加の作業が必要になる場合があります
自分のPCのメーカーとUSBからのLINUXなどOSの起動方法を検索して参考にしてください

解説
Windowsに対応したPCはBIOSを持ち、そこからOSを起動しています
BOOT MENUはBIOSの機能の一部を扱いやすくしたものです
BIOSはOSと違ってメーカーごとにばらばらなため、こういった手間が発生してしまいます

前述の作業が成功した場合、黒色の背景にTailsの文字が浮かびます
Troubleshooting Modeは選択しないで普通に起動してください
十秒ほど待機したのちにWelcome to Tails!の文字と同時にTails Greeterという画面が起動します
ここは普通にStart Tailsを選択してください

解説
お憑かれさまでした
このままでもTailsを使うことは可能ですが、文字通り一切の情報が保存できません

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容量の大きいUSB(以下USB2)を差し込んでください
USBポートが足りない場合マウスの接続にUSBハブが必要な場合があります
左上のApplicationsからTailsを選択し、そのメニューからTails Installerを起動します
Clone the current TailsをチェックしTarget USB stickからUSB2を選択してください
Installを押してはいを選択すると、USB2の中身はすべて消去されます

解説
USB2にUSB1の中身のTailsをコピーしました

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画面最も右上のアイコンから電源メニューを開き、そのメニューの下にある横に三つ並んだボタンの右のマークを押してTailsをシャットダウンしUSB1を抜きます
PCを起動してからBOOT MENUに移ってUSB2からOSを起動してください
前回とは違って起動したときの画面が黒から鼠色の背景に変化します
Tails GreeterからStart Tailsを選択してください

BOOT MENUからOSの読み込み優先順位(load orderないしboot order?)を操作して、
Windowsを起動するデバイス(大容量のHDDやSSD)よりUSB2を上にするとUSB2を差し込んだ場合は必ずTailsが起動し楽になります
余裕があるときに試してみましょう

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Persistent Storage(恒久保管庫)はシャットダウンしても保存される情報の保管庫のことです
そこに入れられたファイルはシャットダウン時にパスワードで暗号化されるため、パスの漏洩か非常に強力なパソコンを用いた暗号解析を受けない限りファイルの中身は安全です
ここでは試しにファイル保存機能・お気に入り保存機能を有効化します
左上のApplicationからTailsを選択し、Configure Persistent Volumeを起動してください
十分な複雑さがあり他の場所で使っていないパスワードを作成し、Createを選択します
Personal DataとBrowser Bookmarkをチェックしsaveを選択して終了し、Tailsをシャットダウンしてください

もう一度Tailsを起動し、Tails Greeter上のLanguageからJapaneseを選択(japをタイプすると早い)
中央のEncrypted Persistent Storageに先ほどのパスワードを入力し、暗号化ファイルを復号化(暗号の解読のこと)します
Start Tailsを選択してください

日本語を選択したので画面左上のApplicationがアプリケーション、その右のPlaceが場所に翻訳されています
場所からpersistentを開いてください
中にあるTor Browserフォルダは左側のTor Browser(persistent)と連動しています
この二つのフォルダに入れたファイルのみがシャットダウンしても削除の憂き目を逃れます
またアプリケーション→お気に入りからTor Browserを起動してみましょう
ブックマークもやはり保存することが可能です
Tailsのいくつかのアプリケーションは対応するpersistent storageを有効化しないと十分に機能しない場合があります

https://tails.boum.org/doc/first_steps/persistence/configure/index.en.html
persistent volumeの一覧
個人データ       ファイルの保管庫です すでに有効化しています
GnuPG         OpenPGP鍵を保存します(後述)
SSHクライアント    サーバにアクセスして操作するためのSSH鍵の情報を保存します
Pidgin         XMPPを使うPidginの情報を保存します 会話の内容は保存しません
Thunderbird      メールクライアントThunderbirdの情報を保存します
GNOMEキーホルダー  パスワードと鍵の情報を保存します
ネットワーク接続  無線のネットワーク接続の情報を保存します
ブラウザのブックマーク ブラウザのお気に入りです 危険なブラウザには有効化されません
プリンター       パソコンに接続するプリンターの情報を保存します
Bitcoin クライアン    ビットコインクライアントElectrumの情報を保存します
APTパッケージ     SynapticパッケージマネージャーかAPIコマンドで追加でインストールしたプログラムを保存します
APTリスト         追加でインストール可能なプログラムの検索に使います
ドットファイル      dotfilesフォルダの中身がHomeフォルダにリンクされます
             dotfilesなどの本来保存できないファイルを保存するための設定のようです
Additional software packages
追加したソフトウェアを起動ごとにインストールしなおします
アップグレードも自動で行います 
APT PackagesとAPT Listsの有効化が必要です
TailsはDebianに対応したソフトウェアしか追加でインストールできません
また、追加でソフトウェアをインストールすることには様々なリスクが伴います(特にネットワーク関連)
https://packages.debian.org/stable/

初めてのTails

お疲れ様でした!
Tailsのデスクトップ画面に到達しました
画面の見方をおさらいしましょう

一番右上のアイコンをクリックすると、電源メニューが開きます
上に音量・光量スライダ(左端に動かすと画面が真っ黒になる)
有線・無線接続(ネットワークが不調ならいったん切ってつなげなおすと直る)
電池残量並びに電力設定
三つのボタンは左から設定画面・再起動・シャットダウン
再起動は何故かたまにフリーズを起こすので極力シャットダウンを推奨します

電源メニューの左の手帳のアイコンはテキストエディタ(後回し)
その左はキーボードの言語設定 起動のたびに日本語(Anthy)を選択しましょう
その左の人型が画面設定
最後の玉葱がTorネットワークの設定ですが、特に操作する必要はありません
画面中央の時間設定はネットワークに接続するとUTC(協定世界時)に修正されます
日本時間は画面表示に九時間をプラスしたものになります
この仕様は時間設定から住んでいる国を特定されないようにするための配慮です

画面左上に目線を移しましょう
"場所"はファイルを保管できる場所です
PersistentおよびTorbrowser(persistent)はシャットダウン後もファイルを保管できます
その上のTorbrowserフォルダはファイルをブラウザ越しにダウンロード/アップロードできる唯一の場所です
これはウィルスがPCに侵入しても余計なファイルをアップロードせずに済ますための措置でしょう

アプリケーション

お気に入り
Tor Browser
おなじみの匿名ブラウザですが、about:configやTorrcなどは操作できません(正確には操作した設定の保存)
セキュリティを重視するなら、起動するたびブラウザ左上の玉葱マークをクリックしてセキュリティの設定を選択→セキュリティレベルを高にしましょう
これはウェブサイトに設置されているJavascriptを実行させることを禁止したり、XSS対策のためか数式を表示するための機能の一部を制限するなどします
ただし、サイトによってはJavascriptを有効化するよう要求したり、主要な機能が使えなくなる場合があります
Javascriptを有効化させるにはブラウザ左上の玉ねぎマークの左の丸いアイコンをクリックし、"このページの全てを一時的に許可する"を選択します
再び無効化する際は同じように丸いアイコンをクリックし、"一時的な許可を取り消す"を選択します
Javascriptは様々な動作を実行できる分脆弱性も多く、サイト側が悪意のあるスクリプトを設置することも考えられるため、必要なければ無効化した方が無難でしょう

お気に入りの続き
Thunderbird メールクライアントですが、ここでは省略します
Pidgin    XMPP・IRCに対応しています(GoogleTalkはサービス終了)
       https://matome.naver.jp/odai/2148939016393376501
       この記事のXMPPの項目から紹介していますが、dukgo.comは現在使えません
       https://list.jabber.at/ ここのServerの一覧にあるいずれかからどうぞ 
KeePassX   暗号化されたパスワードの保管ツールです
       一つのパスワードで複数のパスを保管でき、またパスの自動生成も可能です
       その上、安全なメモ帳としても使えます
       文字列だけではなくファイルをパスワードとして用いることができます
       鍵となるファイル一つとダミーファイルを百個ほど用意して併用すれば単純なマスターパスワードも強固に作用します
       例:パス yjsnpiunco931 キーファイル 画像フォルダの31枚目
       ただしキーファイルはファイルの位置も含めて少しでも操作したら鍵として使えなくなります
端末     Windowsで言うところのコマンドプロンプトです
       いろいろなコードを打ち込んで何がしかの処理を行わせます

KeePassX パスワード管理ソフト

出典をクリックでリンク元へジャンプ!

Tails
Configure/Delete persistent volume
Deleteを起動してpersistent volumeを削除しても、画面に表示されなくなるだけで中身のデータは復旧可能です
一度設定したvolumeのデータを復旧不可能に抹消するときはターミナルから後述のnautilusコマンドを使う必要があります
Tails Installer Tailsのアップデートなどに使います
他はTailsの説明書などです

アクセサリ
GtkHash     ファイルのハッシュ値を検証します
         ハッシュ値とはファイルが生成する指紋のようなもので、ファイルを少しでも改変するとハッシュ値は変化します
         これを利用してダウンロードしたファイルが本物かどうか確認する必要がある場合があります
         https://kledgeb.blogspot.jp/2012/10/gtkhash-2.html
テキストエディタ 作ったテキストをパスワードや公開鍵で暗号化できます
         SHIFT-JISが使えないため文字化けする場合があります 解決法は後述
ファイル     場所→Homeにジャンプできます
ファイルの検索  ファイルを検索します
電卓       ただの電卓です

インターネット
Electrum Bitcoin Wallet ビットコインを使うためのクライアントです
             複数のアドレスを使い分けられます
             ビットコインはミキシングしないと匿名にならないので注意しましょう
             https://jpbitcoin.com/wallet/electrum_b
             https://btcnews.jp/what-is-bitcoin-tx-mixing/
Gobby          複数人で会議するときに使うようです
             http://miau.s9.xrea.com/blog/index.php?itemid=1031
Liferea         英語のニュースが流れてきます
Onion Circuits      オニオンサーキットを確認します
Onion Share       Torを使ってファイルをシェアできます              
             受信側はただのTor Browserで受け取れます
安全でないブラウザ    生IPを使うただのFirefoxみたいなものですが日本語入力できません…

いくつか飛ばしてユーティリティ
アーカイブマネージャー ALzipのようなファイル解凍ソフトです 圧縮/解凍/暗号化/復号化ができます
            これ一つで様々な拡張子に対応する代わり、圧縮率などは操作できません
            大きなファイルを操作するとPCがシャットダウンします…
            たまにファイルを解凍しようとしてもファイルが空だと嘘をつきますが、ファイルを右クリックして"別のプログラムを開く"から再度アーカイブマネージャーを選ぶと仕事します
            https://kledgeb.blogspot.jp/2012/11/ubuntu-1_22.html
システムモニター    タスクマネージャーのようなものです
スクリーンショット   画面全体/選択したタブ/選択範囲のいずれかを撮れますが、一枚撮るごとにいちいち終了するため使いづらいです
ディスク        USBなどの中身を抹消したり暗号化されたファイル保管スペースを作成できます(後述)
ドキュメントビューアー PDFを開けますが画面が狭いです…
パスワードと鍵     公開鍵を作ったり操作できます(後述)
ヘルプ         ヘルプを表示します
画像ビューアー     画像を開けます

オフィス
Microsoft OfficeもどきのLibresoftシリーズが使えます
Libresoft Calcは様々な文字コードに対応しているため、テキストエディタが文字化けしたらこっちに突っ込みましょう
ブラウザ越しに実行したい場合はこちらもどうぞ
ただしあなたの操作が記録される危険性があります
https://encodemaniax.com/?charset=utf-16&data=a

グラフィックス・サウンドとビデオは編集ソフトがやたらに充実しています
システムツールはあまり使い道がなさそうです
プログラミングのPoeditはエディターのようです
ユニバーサルアクセスのDasherはスマートフォンの入力予測のように用意された文字をマウスで指定するキーボードです
キーボード入力はキーロガーやタイプ音の録音などで特定される可能性があるため、このDasherとマウスで使うスクリーンキーボードが用意されています
気になる方はパスワード入力にどうぞ
スクリーンキーボードは画面右上の人型のメニューから開けますが、テキストエディタなどでしか機能しないようです