VPNとプロキシの違い
VPNとプロキシはどう違うのでしょうか。
VPN:通信がすべて暗号化されている
VPN(Virtual Private Network)とは、通信のすべてを暗号化して情報をやり取りする方法です。
ユーザーと訪問先をVPNサーバが仲介することで、ユーザーは自身のIPアドレスを隠し、代わりにVPNサーバのIPアドレスを用いてWeb閲覧できます。さらに、ユーザーとVPNサーバの間の通信も暗号化されたトンネルを介するため、通信内容が傍受されません。
このようにVPNは安全性と匿名性が高い分、利用するには費用がかかるのが一般的です。無料のサービスもありますが、通信速度が遅いなどの弱点を抱えていることが多いです。
プロキシ:ブラウザ利用のみ暗号化されている
プロキシ(proxy:代理)はVPNと同様、ユーザーと訪問先を仲介することで匿名性を高める仕組みです。
しかし、VPNは通信がすべて暗号化されるのに対し、プロキシは暗号化の対象がブラウザ利用のみである点が異なります。アプリによる通信やメールなどは暗号化されないため、傍受される恐れがあります。
また、特に無料のプロキシサーバには危険性が高いと言われています。本来プロキシサーバは訪問先に個人情報を渡さないために仲介するものですが、そのプロキシサーバが個人情報を盗んでいる可能性があるからです。
VPNを使うときの注意点
VPNを利用する際、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
無料VPNの使用を避ける
無料のVPNサービスを利用するのは控えましょう。以下のような危険性が考えられます。
- ■マルウェアが含まれている
- ■暗号化されていない
- ■情報を流出させられる
悪意をもってマルウェアに感染させられたり、情報が正しく暗号化されていない恐れがあります。また、VPNサーバの運営元が取得した個人情報を流出させる可能性もあります。
無料のVPNは危険で有料のものなら確実に安全というわけではありませんが、一つの目安にはなるでしょう。
純正のVPNか確認する
本当にVPNであるかどうか確認することも大切です。
VPNとプロキシの大きな違いは、ブラウザ以外の通信も暗号化されているかどうかです。しかし、VPNを名乗っておきながら全ての通信の暗号化をしていないサービスも存在するため気を付けましょう。
通信速度が遅くなることがある
VPNを利用する際には、通信速度の低下にも気を付けましょう。
無料のものは明らかに速度が落ちることが多いですが、有料のものでも速度低下が気になる場合があります。特に、遠隔地のVPNサーバを介する場合は速度低下が著しくなります。
VPNを選ぶ際には体験版を利用し、実際にどのくらいの速度になるか試しましょう。
安全なVPNの選び方
安全なVPNを選ぶにはどうすればよいのでしょうか。
実績のある提供会社か
VPNを介することで、訪問先のWebサイトに個人情報を渡さずに済みます。しかし、代わりに個人情報を知られることになるVPNが信頼できないようでは意味がありません。そのため、提供会社の実績を確認し、その信頼性を判断しましょう。
最も信頼性が高いのは、大手のセキュリティ企業が提供しているVPNです。大手でさえあれば安心というわけではありませんが、無名の企業が提供するサービスよりは安心できるでしょう。
PCやスマートフォンで利用しているセキュリティソフトがあれば、その提供会社がVPNを提供していないか調べてみましょう。
サポートが充実しているか
VPNを提供する会社のサポート体制が充実しているかを確認しましょう。
VPNサーバにトラブルが発生した場合、インターネットの利用が滞ります。特に企業でVPNを利用する場合、業務に支障をきたすでしょう。サポート体制について、以下のことを確認しましょう。
- ■24時間365日体制の問い合わせ受付があるか
- ■分かりやすいマニュアルはあるか
特定の時間だけ問い合わせを受け付けている企業もありますが、トラブルはいつ発生するかわかりません。できるだけ24時間365日体制のサポートがあるサービスを選びましょう。
安全なVPNを使用し、外部からの攻撃に備えましょう!
VPNとプロキシの違いや、VPNの注意点、選び方について解説しました。
プロキシは一部の通信の暗号化と、ユーザーと訪問先を仲介しての匿名性を提供するのみですが、VPNはすべての通信を暗号化することで高いセキュリティを実現します。ただし、VPN側に個人情報が渡るため、提供企業の信頼性が重要です。
ぜひ参考にして、安全なVPNを選んでください。