私には“僕たち”っていう言葉が、すごく大事で。

そういう変化が「僕たちの未来」には、めいっぱい入っていると。

家入　そうなんです。歌詞はホント、言葉にこだわったというか。さっきも言いましたけど、私には“僕たち”っていう言葉が、すごく大事で。「他者を感じられる自分になったんだよ。ありがとう」っていうところがすごく強かったですね。やっぱり“たち”になると運命共同体だと思うから、なかなか責任がある言葉なので。使う以上、嘘はつきたくないし。“君”と“僕”で“僕ら”っていうのは言ったことがあるけど。ほんとに大勢の人を考えながらの“僕たち”っていうのは今まで絶対使えなかった。

それ以外に解禁になった言葉も？

家入　解禁だらけ（笑）。「悲しみに試される夜だって　君だけは絶対離さない」とか。「壊すだけ壊して傷付けた　そんな僕らだったから」も、今までだったら“そんな僕らだよね”っていう現在進行形にしてたと思うんですけど、過去にちゃんと落とし込めてるから。弱いから出会えたんだよね、よかったねって言えてる感じがすごい新しいし。

特別な言い方ではないけれど。

家入　そうなんです。言葉って音によって変わると思うんです。言葉そのものより、音に含まれた感情に左右されるというか。　　　

言い方ということですか。

家入　そう、結局言い方なんだろうなって。例えば“うるさい”って言葉も、わちゃわちゃと楽しいときの“うるさ～い”なら嫌な感じがしないどころか、むしろ心地よさを感じるくらいだと思うんです。でもケンカしてるときに“うるさーいっ！”って言うと、イラッとするじゃないですか。それって感情を含んだ音のせいだと思うんですよね。だから今まで使ってた言葉であっても、今の私が歌うことによって今までと違う響き、感情で伝わることが絶対あると思って。そういう意味では、今回、ホントにこだわりました。韻もめちゃくちゃ踏んでますし。

さらに「僕たちの未来」のコーラスですが、これ、ひとりで歌いわけているんですか？

家入　いえ、いつもは自分ひとりでコーラスを完結させてたんですけど、この歌はみんなで歌いたいと思って。コーラスの人をちゃんと呼んで、1本のマイクを囲んで私を含めて4人で歌いました。そのあと多保さんと、男性のスタッフさんにも歌ってもらって。

“レゲエを歌わされてる家入レオ”になるのは嫌だったんで。

そして2曲目の「わたしの歌」が、また驚きでした。

家入　レゲエ調なんです。前からやってみたいと思ってはいたんですけど、“家入レオがレゲエをやってる”はいいんですけど、“レゲエを歌わされてる家入レオ”になるのは嫌だったんで。なんか自然に歌いたいと思った今がタイミングだなと思って。でも、これもリアルタイムな感じの曲ですね。

歌詞の内容が、ですか。

家入　なんで別れが決まると、お互い素直になれちゃうんだろって。そんな気持ちを込めました。

それ、わかります。だったらもっと早く素直になれなかったのかって。

家入　そう！　もっと素直になって気持ちを伝えればよかった、みたいな。もちろんそれまでも、たくさん意見交換はしてたけど、遠慮しないと、うまく廻らないこともあるし。だけど、もう“さよなら”するんだって思うと、その遠慮がパッとなくなって、いい方向に作用するっていうか。この切ない気持ちは絶対みんなわかるはずだと思って、恋人に置き換えて歌詞を書いていきました。

またこの曲、「わたし」が出てきますが。

家入　そうなんです！　一人称を“僕”じゃなくて“わたし”にするのは本当に珍しいんですけど、新しい扉をどんどん開いていこうと思って。ただ漢字にすると、どうしても自分自身に思えてしまうから、平仮名にしたんです。

ということは“わたし”を使う＝かなり自分が投影されることになる＝それもOKってことだったわけですね。　　　　　　　　

家入　はい。そういうとこを書いてもOKと思って日常のことを落とし込みました。だから前なら、フィクションに見えるように“わたし”じゃない人で書いてたと思います。

しかし大きく舵を切りましたね、新生“家入レオ号”は。「Hello To The World」を聴いたとき、正直なところ、このあとどうするのかなって思ったんですよ（笑）。　　　　　　　　　

家入　そりゃそうだ（笑）。“売れたい”から“届けたい”に変わってきたんですよね。

“売れたい”はあった？

家入　めっちゃありました。当時は届けたいと思ってやってたけど。今、正直に思うと、たぶん、それしかなかった、私（笑）。　　　

という新たな家入レオのシングルは、膝が見えてるジャケット写真です（笑）。

家入　ワンピース解禁しました！　いろいろ変わっても、やっぱりカメラは苦手で（笑）。どうやったら自然な表情を出せるかってところで、じゃ運動すればいいんじゃないかって、トランポリンで飛んでるときに撮りました。

今回の衣装はワンピースがよかった？

家入　なんか『星の王子様』のイメージがすごくあったから。だけど好きなものを着て、好きな音楽をやるっていいなって思いました。前は考えすぎだったんですよね。オシャレとかしてると、音楽をやる人と思われないんじゃないか、それは困る、拒否って。でも、そこからも開放されてきたので。

新しい“家入レオ号”、いい感じじゃないですか。

家入　本当に“家入レオ号”が発進しましたよ～！　って感じですね。秋には初のホールツアーも決まって、日々制作をしてるので。今年後半も楽しくなりそうです。

衣装協力 トップス/1/2 Un-Demi、パンツ/5-knot、サンダル/W&M、イヤーカフ/Cuvee

リリース情報

2016年05月11日発売

ライブ情報

5th ワンマン Tour 2016

9月17日（土）【埼玉公演】三郷市文化会館大ホール
9月21日（水）【新潟公演】りゅーとぴあ劇場
9月24日（土）【兵庫公演】たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール
9月25日（日）【広島公演】広島JMSアステールプラザ大ホール
9月30日（金）【北海道公演】幕別町百年記念ホール
10月1日（土）【北海道公演】札幌市教育文化会館大ホール
10月8日（土）【宮城公演】イズミティ21大ホール
10月10日（祝）【神奈川公演】秦野市文化会館大ホール
10月16日（日）【千葉公演】君津市民文化ホール
10月18日（火）【長野公演】駒ヶ根市文化会館
10月22日（土）【島根公演】出雲市民会館
10月29日（土）【愛知公演】日本特殊陶業市民会館フォレストホール
10月30日（日）【静岡公演】焼津文化会館大ホール
11月3日（祝）【和歌山公演】紀南文化会館
11月4日（金）【滋賀公演】守山市民ホール
11月6日（日）【大阪公演】大阪国際会議場メインホール
11月12日（土）【岡山公演】倉敷市芸文館
11月13日（日）【山口公演】周南市文化会館
11月19日（土）【福岡公演】福岡サンパレスホテル＆ホール
12月10日（土）【東京公演】東京国際フォーラム ホールA

家入レオ

福岡出身。13歳で音楽塾ヴォイスの門を叩き、青春期ならではの叫び・葛藤を爆発させた「サブリナ」を完成させた15の時、音楽の道で生きていくことを決意。翌年単身上京。 都内の高校へ通いながら、2012年2月メジャー・デビューを果たし、1stアルバム『LEO』がオリコン2週連続2位を記録。
第54回日本レコード大賞最優秀新人賞他数多くの新人賞を受賞。翌1月より開催の初ワンマンツアーは全公演即日完売に。翌2013年春高校を卒業。同年、5thシングル「太陽の女神」で第55回日本レコード大賞優秀作品賞受賞。
2014年2月に2ndアルバム『a boy』をリリースし、3月～4月に3rd.ワンマンツアー全14公演を開催。昨年2月には3rdアルバム『20』をリリース。5月から自身4度目の全国ワンマンツアーを開催し全国15公演2万人を動員。8月に、2度目の月9主題歌となる10thシングル「君がくれた夏」をリリース、第30回日本ゴールドディスク大賞BEST 5 SONGS BY DOWNLOADを受賞。
今年2月には東名阪Zeppライブ「家入レオ Live at Zepp ～two colours～」を開催、11thシングル「Hello To The World」をリリース。
今秋には初となる全ホールツアー（全国20公演）の開催も決定している。

オフィシャルサイトhttp://leo-ieiri.com/

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