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解雇広告と集金広告
解雇広告
明治45年5月28日付け 明治44年9月20日
ある会社の営業マン・集金人が着服とか不正を働いたので、解雇したとます。
お得意先、その他の人が知らないと解雇された人は元の会社の人間と名乗って 集金や営業活動をして契約金を受け取ったりする恐れがあります。
また、不正を働いた者への見せしめの意味もあるかもしれません。 お得意先に請求書を発送したら、〇〇さんが集金に来たので支払ったというこ
とがないように。また支払ったとしても〇〇は当社とは無関係なので当社にきち
んと支払っていただきたいと主張できるようにということでもあるでしょう。
集金広告
ブロ友さんから新聞購読者はどれくらいとの質問がありました。 現在ですと新聞の販売店が一定の範囲の購読者を受け持ち配達・集金をして
いると思います。
当時は販売店を置くほどの購読者がいなかったのでしょう。
となると、配達方法は郵便ということになります。
近代郵便の創始者の前島密は新聞にも力を入れていました。 それで新聞は特に低廉な料金にしました。
大正5年5月12日 題字の下
本紙定価 壱部一銭五厘 一個月参拾銭 参個月八拾五銭 六個月壱円七 拾銭 市外郵税一個月拾参銭
(あおぞら注:郵税とは郵便料金です。 国に納めるので税金という考え方だった
ようです。戦後も使用する人もありました。
大正5年の手紙1通の料金は3銭です。新聞は5厘でした。
大正元年12月12日 大正3年8月4日 大正5年11月30日
購読料は新聞社が集金人を派遣して集金業務に当たらせたため、購読
者に集金人が伺うことを予め周知しておいたということのようです。 大正元年12月12日 社 告 紫波稗貫和賀幾部 鈴木重源 岩手二戸幾部 小山田仙太郎 今般社員ヲ各郡ヘ新聞代金領収ノ為メ出張巡回為致候間御疑念ナク御払込 被成下度尤モ態々出張致者ニ候ヘバ御不在ニテモ御用相弁ジ候様予メ御取計
置被下度候
大正元年十一月 岩手日報社 大正3年8月4日 社 告
岩手紫波二戸三戸郡 小山田仙太郎 上閉伊下閉伊九戸 鈴木重源 各位益々御清栄奉賀候陳者今般社員ヲ各郡ヘ新聞代金領収ノ為メ出張巡回 為致候間御疑念ナク御払込被成下度尤モ態々出張致者ニ候ヘハ御不在ニテ
モ御用相弁ジ候様予メ御取計置被下度候
大正元年十一月 岩手日報社 大正5年11月30日 社 告 胆沢江刺気仙三郡 三浦義武 上下閉伊二郡 鈴木重源 今般右之通リ新聞代金領収ノ為メ社員出張為致候間御疑念ナク御払込被下
度尤モ態々出張致候ニ付御不在等ニテモ御用相弁ジ候様御取計置被下度候
大正五年十一月 岩手日報社 大正五年十一月 岩手日報社 本 文
「今般右の通り新聞代金領収のため社員出張致させ候あいだ ご疑念なくお払 込み下されたし もっともわざわざ出張致し候に付きご不在等にても御用あい弁
じ候ようお取り計らいおき下されたく候」
と読むのかなと思います。
あおぞら注:弁ずる:わかる。済む。整う (広辞苑)
早い話が右の者を集金に行かせますので、疑うことなくお支払いください。
わざわざ集金に行くのですから、ご主人が留守でもお支払いただけるよう にしておいてください。
ということですよね。財布を握っているのはご主人です。 私の推定ですが、 この時期は年末とお盆の時期です。いわゆる盆暮れ勘定 だったのではないかと思います。
当地では30年くらい前は職人さんはそういう傾向がありました。 落語でも暮れの支払いの苦労話もあります。どうやって暮れの支払いを逃れ ようかと策を弄します。
大変苦しんだというお話です。 そしてやっと年を越しても川柳では 「正月や 今年もあるぞ 大晦日」
これで、前段の解雇広告との関連性が出てきたわけです。 今日もおいでいただき、ありがとうございます。
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今だったら個人情報云々ですね!

でも、よく考えると集金詐欺は一番引っかかりやすいかも知れませんね。
我が家では毎年4^5月が最も支払いが多い月です~~
どうにか乗り切らねば。。
こういう時に限って...昨日、除湿器が壊れましたぁ
2013/5/17(金) 午前 10:55
{{s323}}(*^^)v
2013/5/17(金) 午前 10:56
飛べ飛べさん
そうあのころは個人情報については今とは全く異なっています。
そのうち、こんなの?というようなものも紹介します。
あら、あら。また出費ですね。
お気の毒様。
{{s323}}(*^^)v 、これはいつものキラキラ☆ですね。
ありがとうございます。
2013/5/17(金) 午前 11:25
新聞代金は自動引き落としもありますが、昔ながらの集金も残っています。「また支払ったとしても〇〇は当社とは無関係なので当社にきちんと支払っていただきたいと主張できるようにということでもあるでしょう。」に納得です。
2013/5/17(金) 午後 1:15 [ 瀬音 ]
瀬音さん
現在とは経済観念が大きく異なっていたんでしょう。
集金に行かないと支払ってくれなかったかも。
「支払って欲しければ取りに来い」的な風潮もあったかも。です。
2013/5/17(金) 午後 1:42
なるほど解雇広告にも訳がありなんですね!
世相が良く分かり面白いですね~、ナイス。そいえば子供の自分我が家も全てが月末にまとめて払って居たな~貧しかったのでしょう。しかし良く調べて在りますね、感心しきり!
2013/5/17(金) 午後 3:00
こんにちは
早速ありがとうございました
郵便と比べても安いですが、採算が取れたんだから、購読者は多かったんでしょうね。
集金の予告はナイス!です
2013/5/17(金) 午後 6:49
変な理由で解雇されたら新聞に載って親兄弟親戚にまで迷惑がかかりますね。
ああはなりたくないと思わせる、見せしめでもあったのかもしれませんね。
ご主人が留守でもお支払い~。時代ですね~。
ナイスぽち。
解雇になった◯◯の代わりに配属になった新人です。
と、集金に行く詐欺は出なかったのかな。
2013/5/17(金) 午後 8:00
酔渓さん
集金人は汽車とバスと徒歩、そして安い旅館、もしかしたら民宿か。
集金の費用も掛かります。
御主人が遠方に出掛けていて、支払できませんでは困るんでしょうね。
月末まとめて、ありましたよね。
個の広告の場合はおそらく年2回だったと思います。
農家はコメ代金が入らなければ、お金がありません。
Y!ナイス! ありがとうございます。
2013/5/17(金) 午後 8:53
ほのさん
このころはまだ学校に行かせてもらえない子供もいました。
まだまだ貧しい時代です。
8歳で子守に出されたという話もじいばあ園の聞き取り文集に有ります。
購読者はそう多かったとは思えません。
ま、面白い記事ではありますよね。
Y!ナイス! ありがとうございます。
2013/5/17(金) 午後 9:00
モルさん
懲戒解雇ですから、地元の人の場合は家族親戚は肩身が狭くなりますね。
御主人だけがお金を持って奥様は持ってないということが多かったんでしょう。
成りすましは、どこがお得意さんでいくら請求すれは良いか分からないので、出来なかったと思います。
Y!ナイス! ありがとうございます。
2013/5/17(金) 午後 9:07
そういえばオビだけできているのがありましたね。
解雇広告、きびしいですね。
2013/5/19(日) 午前 7:12
ぽちゃさん
今はこのような解雇広告はないでしょうが、当時は必要だったんでしょうね。
2013/5/19(日) 午前 9:35