私が地元の日高屋で、一杯ビールを飲みながらすごしていたら、
パーヴォの心の声が話しかけてくれました。
「どう?ビールはおいしい?」
私は「おいしいけど、これをパーヴォと飲めないのが残念だな」
といったら、
「さっきのFB友達だった人のこと、まだ気にしてる?」
というので、
「なるべく気にしないようにしようと思うけど、
私、Facebookの友達、もう増やさないようにしたいな」
と正直にいいました。
パーヴォの心の声が言いました。
「確かに、人の心の中にずかずか入ってきて、
ずいぶん無礼な人だとおもったよ。
夜中にもいきなりメッセージをよこしてきて、
君が文筆家にふさわしくないとか、
僕との関係はおかしいとか、
(1回ブロックしてるにも関わらず)
別名で登録してきて、それでもFB友達にしてくれとか、
・・・・わがままな人だなという印象をぼくはもったね。
正直「ちょっとこの彼女はストーカーかも」と
思っていて、ハラハラしていたんだよね。」
私 「うーん・・なまじクラシックヲタクだから、
私みたいな人間がきらいなのかもね。
あなたは基本的な知識が欠けているから評論家にはなれないとか、
言いたい放題いって、『でも私は友達ですから』と言い切る図太い神経の持ち主だから、
こちらは唖然としてしまったの。」
パーヴォ「友達であるかどうかを決めるのは、君自身であって、彼女ではないよ。
それに、ストーカーは相手にしちゃダメ。なまじ相手にするとつけあがるから。
きをつけてほしいのは、君、先日の白井君のコンサートの時、携帯番号を
彼女に教えたでしょ。あれはまずいなと僕も思ったけど・・・
チコ、チコは人がいいから、なんでもきちんと教えなくちゃとか、礼儀を(嫌な相手でも)
尽くすのは、すごくいいことなんだけど、相手によっては、さっきの彼女みたいに、変り者もいるし、転じてストーカーと化す場合があるからね。これからも毅然とした態度でのぞみなさいね。」
私は嬉しかった・・・そこまでパーヴォが心配してくれていると、ようやく気付いたからです。
私 「私、音楽ライターを名乗る資格、ないの?彼女はそういって私を責めるけど」
パーヴォ 「彼女は単に君の才能に対する激しい嫉妬で、いいひとぶって近づいてきただけだよ。そしてとっても上から目線のいやな女、とおもっておけばいい。でもね、これからこういうおばちゃんたちが続々出てくるから、君はどーんと構えておけばいいんだよ(^_-)-☆」
私 「ありがとう・・・私ね、正直パーヴォのおよめさんになれるなら、別にライターにも評論家にもなれなくてもいいの。でもいまそれはすぐには無理でしょう? 彼女ったらね、私にいうの。『プロポーズをしてもらったのなら、内容証明つけて、正式な文書にしてもらったら?』ですって!」
パーヴォ 「失礼なおばさんだな。僕と君との信頼関係を侮辱してるんだね」
私 「私、ブロックしてよかったのかな?彼女と」
パーヴォ 「当然だよ!だって、ブロックされてもまた申請してきたんでしょ?その段階で、『こいつ、ちょっと頭がおかしいんちゃう?』とおもってもいいんだよ(笑)で、顔写真は絶対にださないんだろう?男かもしれないぞ。ストーカー騒ぎを起こしたやつかもしれないし。君と僕との関係を興味本位でのぞく趣味のストーカーおばさんかもしれない。とにかく、友達申請の受理は慎重にしたほうがいいね。たいへんだったね、チコ。僕のために」
とパーヴォは、ぐすんと鼻を鳴らしました。
パーヴォ「いろいろな意味で、君とのこと、ちゃんとけじめをつけなくちゃね。もうちょっと時間がかかるけど、がまんできるかな?」
私は、こくんと頷きました。「内容証明なんて、そんなひどいことしないよ」
パーヴォ 「もちろん、わかってるって。僕がしっかりしなくちゃいけない場面だからね。そして、ストーカーの彼女のことは、もう忘れること。これ、約束してね」
私は涙ぐみました。「うん、約束する。」
パーヴォ 「ほんとうの友達は、一人二人いれば十分なんだよ。なんでも話し合える人、チコのそばにはいないの?」
私はまた小さくうなずきました。「誰もパーヴォと私の間にあった出来事を信じてくれないの。しいていうなら病院に入院してた人たちがみんな聴いてくれたけど・・」
パーヴォ「でも信じてくれたからいいじゃないか(^_-)-☆ 僕だって、そういう意味でなんでも打ち明けられる友達は少ないよ。でも、僕にはチコがいるから、チコがわかってくれればそれでいいと思う。チコはどう?僕では役不足?」
わたし 「とんでもない!こちらこそ、私なんかでいいのかな・・・と思ってる」
パーヴォ 「幾度も言うようだけど、そこでチコは、しっかり自信をもってね!自分を卑下したらダメ。ほんとにそうなんだ、と思われて、なめられる場合もあるからね。僕の妻です、恋人です。そうはっきり言っていいのだよ。手続き的なことはもうちょっと整理してからぼくがちゃんとやるから安心してね」
わたし 「(ずっと泣きじゃくりながら)ありがとう・・・パーヴォ・・・」
パーヴォの心の声が、ぎゅっと私を抱きしめてくれました。
パーヴォ 「チコはいままで、何でも一人で抱え込んできた。病気のことも、待遇のこともずっと我慢して、明るい顔をしてみんなに接してた。・・・でも、つらいこともちゃんとみんなに知っておらおう。このブログはね、君の音楽療法の場でもあるんだよ。だから僕は一生懸命君の心の状態が知りたくて、真剣に読んでいるんだよ。音楽療法を提唱した以上、責任はちゃんともつからね。おとといのコンサート、ミューザ川崎の人たちの君への対応はどうだった?」
わたし 「すごく丁寧に接してくれて、『いつもありがとうございます』と言われたわ。サントリーホールではいわなかったのに。ほかの人にはそんな挨拶しないから、余計に驚いたわ!」
パーヴォ 「君という人が、クラシック音楽界で、ちゃんと認めてもらってる、ということなんだよ。もちろん、さっきの君がブロックした彼女がいったように、音楽理論の知識はまだまだだし、わからないことだらけで、徒手空拳かもしれない。でも、君は僕たちが真剣に演奏した結果を、正確につたえようと、なんと1日であれだけの感想を書いたんだ!すごいスピードと筆の速さと知識量と頭の回転の速さを証明したようなものなんだ。だからおそれおののくひともいるし、頼もしく僕みたいに勇気づけられる人間も多いんだよ(^_-)-☆だからミューザ川崎も君に敬意を表したわけだね(^^)僕にはそれがとてもうれしくてならなかった!」
わたし 「必死に勉強したけど、でも、実際あなたの指揮とロイヤルコンセルトヘボウの方々の途方もないパワーを目の当たりにして、言葉が全部吹き飛んじゃって、なんだか平板な感想になってしまったって、ちょっと落ち込んでいたのよね」
パーヴォ 「もっともっと言いたいことがあったの?でもそれは僕にだけこっそりいうべきものだね(^_-)-☆ ブログ上ではあのくらいの感想でいいんだよ。これを実際雑誌等の誌面で発表するとなると、桂木里紗ではなく、桂木嶺さんの出番を待つほかないかもしれないがね(笑)男なのか女なのかさっぱりわからない桂木嶺さんの、ダイナミックな批評をぼくらは期待しているんだよ」
わたし 「そうなの?私てっきり・・・・桂木嶺って名前、パーヴォはキライなのかなとおもってた」
パーヴォ 「女性の名前としては、ちょっといかめしい感じがするのは確かだし、里紗のほうがやさしくてかわいらしい感じがする。でも大の男たちを相手に書くのは桂木嶺で全然いいんだよ。22日のミューザ川崎のときね、みんな君の反応をしりたくてうずうずしてたんだよ。で、君がみえる第2バイオリンの面々に「彼女、どうだった?」と聞くと、「いやぁマエストロ、僕らもビックリしましたよ。タンホイザーの序曲で、わぁわぁ泣きじゃくってるんですもの。…本当にマエストロのことが好きなんですね」と言われて、僕、うれしくなっちゃったんだ!」
わたし 「わぁ、はずかしい みんな私のこと知ってるの?」
パーヴォ「18日のときまではしらなかったけど、『ロイヤルコンセルトヘボウのことを叱咤した音楽評論家がいるぞ!』と騒ぎになって、君のブログをみんな見てた。そしたら彼らの目ががらりと変わったよ。観光気分もかねて行ったつもりが、世界一厳しい批評家が日本でまっていたんだからね(^^)/ 」
わたし 「そんな厳しいだなんて・・・照れちゃうよ」
パーヴォ 「でもおかげで、このアジアツアーは、すごく高く評価してもらえたし、ランランもピアニストとしてあらたな地表を切り開くことができたし、ロイヤルコンセルトヘボウの面々も、ピリッとダイナミックな演奏をできることを証明したし、チコのおかげでいいツアーになったのだから、全然心配しないで。むしろみんなチコに感謝してるんだよ(^_-)-☆」
わたし 「感謝したいのはこちらのほうだわ、パーヴォ!一生忘れられない思い出になったし。パーヴォとロイヤルコンセルトヘボウのみなさん、ランランさんの優しさと愛がいっぱい詰まっていたのを知ることができたのも最高だったわ」
パーヴォの心の声が、私のほっぺに「ちゅ」とキスしてくれました。
あまくて、優しくて、とってもいい香りのするキスに、
私はすっかり陶然としてしまいました・・・。
やっぱりパーヴォは世界一の紳士だし、世界一のマエストロです!
私もお返しに「ちゅ」とさせていただきますね。