離婚後も円満に子供に会える「共同養育」とは?

子どもにとってはたとえ離婚しても「父と母」

しばはしさんは今、「共同養育」を広める活動をしています。離婚問題で共同養育まで踏み込んで相談を進めると、養育費にとどまらない手厚いサポートができるといいます。子どもが小さいうちに離婚した場合、母親の一番の心配は教育費でしょう。面会交流がきちんと設けられていれば、その機会に子どもの希望を直接父親に伝えることができますし、それを聞いて快く支援する父親も少なくありません。

離婚した男性から「自分の子どもに会うのに、嫌そうにされたり、別れた妻の都合ばかり優先されたりしていては、払う気持ちも萎えますよ」という話も聞いたことがあります。そのとおりだと思います。

子どもの可能性を最大限に伸ばすには、両親の力が不可欠ではないでしょうか。離婚後の子育てについて話し合うのはうっとうしいことかもしれません。でも、その壁を乗り越えて、共同養育に踏み出してみようという元夫婦が増えればと思います。

先日、私は「りむすびコミュニティ」のセミナーに登壇しました。参加者は離婚をした方々ですが、そこで情報を共有したり、懇親会で親交を深めたりすることが癒しとなるそうです。ある男性は「会社では、面会交流のことすら話せません」と言っていました。

離婚のダメージを癒し、少しハッピーになれる

共同養育の先進国のアメリカでは、実にあっけらかんとそれを実践しています。私のいとこたちもしかり。子どもたちは、ホリデーやイベントがあると別れた親の元を自由に訪れています。また、親の再婚相手やその家族の目の前でも、もう片方の親の話を普通にしています。子どもは、親の再婚によってまた家族が増えたことを楽しんでいるようなのです。

日本でも、それぞれ事情はあるとは思うのですが、もっと共同養育に寛容になってもいいのではないでしょうか。この記事の冒頭で、離婚をすると想像を絶する葛藤が起こると述べましたが、共同養育によって、子ども、両親、祖父母、家族全員が少し気楽に、ハッピーになれると思うのです。

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  • かかし3d4548346e17
    経験者で、親権が取れなかった元夫です。離れても父は父、娘は娘であることに変わりありません。本論の趣旨に賛成します。別れても、時に共に時間を過ごすことは、父にとっても娘にとっても良い事だと思います。

    幸い、離婚協定上の制約をなくしたので、10年来、随時交流(面会、LINE、電話)してきました。
    別居に際しては辛い思いをさせて申し訳なく思っています。けれど、思春期に日々顔を付き合わせる鬱陶しさのない、自分の側に立ってくれる親身な身内がいることは、娘たちにとっても良い事だったのではないかと、半ば自己満足ですが思っています。学業、進路、プライベートなこと、同居していたよりもむしろよく話せたのではないかなと。今後も仲の良い関係を続けていけたら良いと感じています。
    up46
    down5
    2019/8/7 08:15
  • 589a4dabace4416ff8d98
    なぜか、日本では子供は母親の所有物のように扱われていて、女性側の原因で離婚となった場合でも、9割は親権が母親に行くと聞きました。子供を失いたくない父親にとっては、妻が子供を連れて出ていかないよう、何でも妻の言いなりにならざるを得ない状況です。
    共同親権が世界の潮流であり、ハーグ条約で子供の連れ去りが違法とされているにも関わらず、日本では親権が女性の既得権化しています。
    是非、共同親権を進めていただき、日本の夫婦関係の歪な状態を是正して欲しいと思います。
    up22
    down2
    2019/8/7 18:21
  • NAME67a27d2fc67a
    「離婚後はずっと憎み合ってギスギスするもの」というドロドロしたイメージだけが世の中に先行しているだけで、実際は違っているのかも。
    ひょっとすると、このイメージも離婚した人間には(ましてや子供ももうけた2人には)これからもずっと不幸でいて貰わねばならないという世間様のネガティブな願いがふわふわと形作ったものなのかもしれない。
    先のコメントのお方のように、離婚してお互いの顔を合わせる機会が少なくなると目下の課題が子供のよりよい育ちに絞られるので互いの目標は1つになって上手く協力できるようになるのかもしれない。
    離婚した人達には絶対不幸になって欲しいという世間様の気持ちも分からなくもないけれど、だからってそれを叶える必要なんて全くないと思う。
    up21
    down4
    2019/8/7 08:51
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