ローマ教皇が長崎訪問、「核兵器からの解放」訴え

関西
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2019/11/24 10:36 (2019/11/24 11:57更新)

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来日中のローマ教皇(法王)フランシスコが24日午前、長崎市を訪問した。教皇が被爆地を訪れるのは38年ぶりとなる。長崎市の爆心地公園では約1000人の信徒や被爆者らを前に「核兵器から解放された平和な世界。それはあらゆる場所で、数え切れないほどの人が熱望していることだ」と語り、世界に向けて核兵器廃絶と恒久平和を訴えた。

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午後には広島市の広島平和記念公園で「平和のための集い」を開き、被爆者やカトリック信徒らと平和への祈りをささげる。

23日に来日した教皇は24日午前10時15分ごろ、爆心地公園を訪問。モニュメントの前に花を供え、黙とうをささげた。その後、スペイン語で核兵器問題の解決を呼びかけるメッセージを読み上げた。

長崎市の爆心地公園で黙とうを捧げるローマ教皇フランシスコ=AP

長崎市の爆心地公園で黙とうを捧げるローマ教皇フランシスコ=AP

教皇は長崎について「核兵器が人道的にも環境にも悲劇的な結果をもたらすことの証人」「この場所は私たちをハッとさせ、無関心であることを許さない」と述べた。

「核兵器のない世界は可能であり、必要であると確信している」と語り、世界の指導者に対し「核兵器は安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない、そう心に刻んでほしい」と訴えた。

長崎市の爆心地公園で演説し、核廃絶の必要性を訴えるローマ教皇フランシスコ(右)=共同

長崎市の爆心地公園で演説し、核廃絶の必要性を訴えるローマ教皇フランシスコ(右)=共同

教皇は爆心地公園での演説後、豊臣秀吉のキリシタン禁止令により処刑された「日本二十六聖人殉教地」を訪れた。午後には長崎県営野球場で約3万人が参加するミサを開く。その後は空路で広島市に移動する予定だ。

25日には東京で「東日本大震災被災者との集い」に参加するほか、天皇陛下との会見や安倍晋三首相との会談が予定されている。

教皇が被爆地を訪れるのは1981年のヨハネ・パウロ2世の訪問以来。この訪問時には教皇が広島平和記念公園で「戦争は人間のしわざ」という平和アピールを発表。多くの被爆者が被爆体験を語る契機となった。

長崎市の爆心地公園で、集まった人たちに笑顔でこたえるローマ教皇フランシスコ=AP

長崎市の爆心地公園で、集まった人たちに笑顔でこたえるローマ教皇フランシスコ=AP

ミサのため会場に到着し、声援に応えるローマ教皇フランシスコ(24日午後、長崎市の県営野球場)

ミサのため会場に到着し、声援に応えるローマ教皇フランシスコ(24日午後、長崎市の県営野球場)

ミサに参加した信徒ら(24日午後、長崎市の県営野球場)

ミサに参加した信徒ら(24日午後、長崎市の県営野球場)

県営野球場で行われたミサ(24日午後、長崎市)

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