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【芸能・社会】

スカパラ、走り続け「完奏30年」 元サッカー代表・石川ナオお祝い

2019年11月24日 紙面から

東京スカパラダイスオーケストラの川上つよし(右)に記念の花束を渡す元サッカー日本代表の石川直宏さん(稲岡悟撮影)

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 スカバンドの「東京スカパラダイスオーケストラ」(スカパラ)が20日にデビュー30周年を記念したニューアルバム「ツギハギカラフル」を発売した。一度も休止せず、走り続けた30年間。10月にはメキシコ最大級の音楽アワードでベストパフォーマンス賞に選出されるなど中南米を中心に絶大な人気を誇る。ベース担当の川上つよし(52)と親交のあるサッカー元日本代表MF石川直宏・FC東京クラブコミュニケーター(38)がお祝いに駆けつけ、対談した。 (構成・占部哲也)

 「ナ~ナナナナナ。石川ナ~オ~♪」。石川さんの応援歌(チャント)は、スカパラの「DOWN BEAT STOMP」が元になっている。2人は15年以上の付き合いだ。

 石川「30周年おめでとうございます。確か、2002年にFC東京に入団して03年には(応援歌が)始まっていたと思う」

 川上「いや~感動ですよ。日本代表戦でテレビから聞こえてきた時はめっちゃ『うぉ~』って感動しました」

 石川「あれがスタジアムに響くとぐっとスイッチが入る。引退間近の時、途中から入るときにチャントとともに登場すると『あれを聞きたかった』とファンから言われることも多かった」

 川上「うれしいな~たまんないね」

対談中、笑顔が絶えない(稲岡悟撮影)

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 川上は石川さんの02年FC東京デビュー、17年の引退試合も観戦した。石川さんがアテネ五輪代表時代にはテレビ企画で釣り堀で対談したことも。18年の現役生活を終えた石川さんが30年の活動を「すごい。ビジョンはあるんですか」と聞いた。

 川上「何やっても批判される。でも、もう吹っ切れた(笑)独特なポジションにいると思う。お笑い芸人の岡村隆史さんからパンクロックのフェスまで顔を出す。何をやってもいいし、怖くない。関ジャニ∞ともセッションしたし、演歌歌手からも一緒にやろうって言われる」

 石川「さかなクンとやっているのを見ました。誰とやってもかっこいいです」

 30年一度も止まらず走ってきた。2人のメンバーの死も経験。特に99年はドラマーの急死直後に全国ツアーが迫っていた。最大の危機だった。

 川上「誰かが『それでもやろうツアーを。止めちゃいけない』って言い出して。メンバーにはお客さんを含めた『スカパラ』という船を止めたらいけないという強い、大きな意志があった。それを乗り越えてきた。だから、何を言われてもへっちゃら。でも、平均年齢が50歳を超えた今が一番忙しいくらい」

 石川「すごい現役ですね」

 東京から世界へ-。飛び立った期間でもある。31カ国以上で公演。10月にはメキシコ最大の音楽アワードでベストパフォーマンス賞に選ばれた。メキシコは印象深い国だという。

 川上「初めて行ったのが東日本大震災の直後の4月だった。日本中、自粛ムードだったけど『やめたところで何が変わるんだ』と思い直して行った。そうしたら、日の丸を広げて応援してくれて。感動しましたね。メキシコも地震国で、すごい励ましてくれた」

 石川「スポーツも音楽も絶対にエネルギーってある。その部分は、すごく感謝しますね」

 FC東京はJ1優勝争い中。川上も「今年は1度しか見てないけど、そのことで頭がいっぱい」と笑う。スカパラは18年にFC東京の開幕戦でもライブを行った。

 石川「DOWN BEAT STOMP聞きたいな。現役の時はロッカールームにいたので」

 川上「ぜひ!新国立で。川崎(フロンターレ)との“多摩川クラシコ”もいいですね。川崎はSHISHAMOが有名。対決でもいいですね」

◆「美爆音」コラボ動画が話題

 ニューアルバム「ツギハギカラフル」を20日に発売。“美爆音”で有名な習志野高校(千葉県)吹奏楽部とコラボした「風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部」の動画がYouTubeで公開され話題になっている。30周年イヤーとして23都市24公演の全国ツアー中。2020年3月20日に東京・国立代々木競技場第一体育館で30周年を締めくくるワンマンライブを行う。

東京スカパラダイスオーケストラ

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<東京スカパラダイスオーケストラ> 1989年11月にアナログ盤「東京スカパラダイスオーケストラ」を発売し、デビュー。50年代にジャマイカで発祥したポピュラー音楽「スカ」をベースにロック、ポップスなど多様な音楽を取り込んだ独自のスタイルを確立した。メンバーの脱退、加入もあり、現在は9人体制。奥田民生をボーカルに迎えた「美しく燃える森」などコラボバンドとしても知られる。海外での人気も高く31カ国で公演している。

<石川直宏(いしかわ・なおひろ)> 1981(昭和56)年5月12日生まれ。神奈川県出身。2000年に横浜Mに加入。01年U-20W杯出場、02年4月にFC東京に移籍。04年アテネ五輪に出場。同年のナビスコ杯優勝に貢献し、09年にはJ1で15得点を挙げベストイレブンに輝く。11年の天皇杯優勝をけん引し、J1通算289試合49得点。日本代表は03年12月にデビューし、6試合無得点。17年に現役引退し18年にFC東京クラブコミュニケーターに就任。

 

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