こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
政治ネタあまり書かないようにしているんですが、今回の件はさすがに書きたくなりました。
政治的なオピニオンを示す内容ではないですが。
今回、この事件について書こうと思ったのは、この記事の内容に非常に違和感があったからです。
この独占取材の中で五味洋治が発言している、
この発言を報道したり、本にしたことで彼が暗殺されたとみなさまがお考えなら、むしろこういう発言で1人の人間を抹殺するという、そちらの方法に焦点が当てられるべきでしょう
他にも
人なつっこい性格だった。(殺害されたのであれば)他人への警戒心の弱さを突かれたのではないか
という内容を話しています。
最初は、酷いこと言うなと思いながらも、こういうゲスいジャーナリストも多いんだろうなとそこまで気にしていませんでした。
暗殺首謀者や実行犯が一番悪いというのは正論ですし。
金正男に関しても、何度も北朝鮮から警告を受けていたわけですし、暗殺もされかけていたわけですから脇が甘すぎるという部分は否めませんでしたからね。
ただ、自分が強行出版した本の影響によって自分の取材対象者が命を奪われたという状況下で、奇しくも「私は悪くない」と言うような記者に、自分の命を脅かすようなことをベラベラ話すかな?という違和感を感じたんですね。
そして、
金正男と五味洋治はどんな関係性だったのか?
金正男にそこまでしゃべらせた五味洋治という人の交渉テクニックはどんなものだったのか?
に興味が出てきたわけです。
なので、五味洋治の本を隅から隅まで読みました。
読んだ率直な結論としては、五味洋治は人間として終わっているということです。
ジャーナリストとしては優秀なのかもしれませんし、交渉術や取材への熱意、行動力などはビジネスマンとして尊敬できる部分はありました。
しかし、それでも人間としては完全にアウトだなと。
そして、記者やジャーナリストという人の地位を著しく低下させる内容だったのが残念でなりません。
正直、倫理やモラルを疑わざるを得ません。
記者やジャーナリストの一般的なイメージ
おそらく、記者やジャーナリストに対して、大変な仕事だということは理解していてもあまり良い印象を持っていない人が多いはずです。
よくわからな人は(僕も詳しくはないですが)、芸能リポーターのイメージが強いじゃないですか。
人の不幸を吊るし上げて飯を食うみたいな。
もちろん、そういう人ばかりではないですが、他がスクープできないネタを手に入れることにこそこういった情報は価値があるわけなので、考え方や行動はかなり過激にもなると思います。
一線を超えて踏み込まないといけないわけですし。
そう考えると、こういった職業というのは、ある種サイコパスの資質がないとできないのかなと、そんな風にも思います。
決してサイコパスが悪というわけではなく。
ただ、この本を読んだことによって五味洋治のサイコパス性は確信に変わりましたね。
それも「悪」の方のサイコパスです。
五味洋治はサイコパスだった
前述しましたが、この本の中で知りたかったのは金正男と五味洋治の関係性でした。
記者と取材対象者という関係性だけの場合は、金正男が立場をわきまえない不用心だったよね、ということで話はまとまります。
こんな記者を信じた金正男がバカだったよねと。
もちろん、故人を冒涜するつもりはないですし、憎むべき対象がいることには変わりありませんが、北朝鮮の執念や残忍さを考えると、もっと身の安全を考えるのが普通なはずです。
ただ、そうではありませんでした。
五味洋治は金正男と関係性を築いていく中で、
次回会う機会があれば、取材を離れて、友人としてお付き合いいたしましょう。
と、メールで話しを持ちかけ、それに対し金正男は、
友人とお会いすることには同意します。平壌の方から警告もあったことですし、インタビューには応じない考えです。前回のインタビューについてあまり考えなくてもいいですよ。時期が時期だけに、平壌も敏感になっているのでしょう。平壌の心情が分かったので、注意します。良い週末を。
と、メールの返信をしています。
読めばわかる通り、新聞に掲載された五味洋治の記事内容を受けて、金正男が北朝鮮から重大な警告を受けました。
それに対して、「気にしなくて良いですよ」と金正男が気を使っていたんです。
それに対しての強行出版という仕打ちと、金正男暗殺後のあの酷い発言だったわけです。
その他諸々のやりとりに関しては本を手にして本でいただければと思います。
買う気にもならないかもしれませんが。
真実を知るためにはそれもまた必要ですので。
ただ、もう十分でしょう。
本当の友人であれば出版はしていないはずです。
そして、出版した後に音信不通にもなりません。
金正男は「ヤバイけど気にしなくてもいいよ」と連絡をくれたはずです。
友人という関係性を共有していた人にやってはいけないことをやってしまったんですよ。
で、こういった残酷なことが平気でできるのは、サイコパスでしかあり得ません。
金正男暗殺事件から学ぶべきこと
サイコパスである以上、五味洋治という人を吊るし上げても叩いても全く意味のないことなんですね。
まぁ、サイコパスじゃなかったとしても、そういった記事にするつもりはありませんが。
そういうのは2チャンネル系の住民やヒマなTwitter民が好き勝手にやるでしょうから。
まぁ、まだまだ闇や謎が多い事件ですし、迷宮入りすることはほぼ間違いないでしょうね。
なので、この事件に関しての僕の見解としては、五味洋治は酷い人間だと思いますし、人間として終わってるという思いはありますが、五味洋治を叩くことには意味はないということです。
五味洋治はおそらく真性サイコパスなので。
何をどれだけ言って集団リンチしてもムダです。
この事件から学ぶべきことは、、、
サイコパスという人間がすぐ隣にいるということ。
その人は、いたって社交的で、かつ、とても好意的見えるということ。
その人は、あなたや関わっている人をとても大事にしているように見えるということ。
しかし、自分が利益を手にするためには平気であなたを裏切るということ。
自分が不利になった場合は、いかにその人を想っているのかをアピールして自分が哀れてあることを演じるということ。
そう、サイコパスには注意しようということです。
大事なことを話したり伝えたりする場合は、かなり慎重に人を選んだ方が良いです。
そして、自分が発言することは、あらゆる方法で記録されていると思いましょう。
取り返しのつかない言葉は、簡単に発してしまわないよう肝に銘じてください。
この本の内容に価値はあるのか?
最後に、この本について少し。
北朝鮮はもちろん、それを取り巻く中国や韓国の関係性や情勢は、やはりリアルに書かれています。
専門性を網羅しているいうよりかは金正男の生々しい声によってリアルが垣間見えるという感じでしょうか。
あと、あまり勧めたくはないですが、五味洋治というサイコパスがどうやって金正男から情報を引き出したかも、かなりリアルに書かれていました。
そういったことを学びたい人は、この本の二次活用的な価値はあると思います。
まぁ、そういったマインドコントロール系の本は他にもいくらでもあるので、そのスキルを身につけるためだけにわざわざこの本を読む必要はありませんが。
僕のように真実の情報にリーチしたいという人は、ぜひ読んでみてください。
ただし、アマゾンのレビューが荒れているように、金正男がいなくなった今、決して気分が良くなる本ではありません。
もし、金正男がまだ生きていれば逆に穏やかな印象を抱いたのかもしれませんが。
本の中には心温まる微笑ましいエピソードがいくつも書かれていましたので。