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『ザ・シークレット・サービス』(128分/アメリカ/1993)
原題『In the Line of Fire』
【監督】
ウォルフガング・ペーターゼン
【製作】
ジェフ・アップル
【出演】
Frank Horrigan(クリント・イーストウッド)
Mitch Leary(ジョン・マルコビッチ)
Lilly Raines(レネ・ルッソ)
映画『ザ・シークレット・サービス』のオススメ度は?
星3つです。
クリント・イーストウッドが走っています。
やっぱり大きいから絵になりますね。
さすがにマグナムは持っていません。
ラブシーンは上手いですね。
ジョン・マルコビッチの演技の気持ち悪さが最高。
レネ・ルッソは超美人。
映画『ザ・シークレット・サービス』の作品概要
原題は『In the Line of Fire』1993年製作のアメリカ映画。アメリカ合衆国大統領ケネディーを守ることができなかった引退まじかのシークレットサービス・エージェント、フランク。大統領暗殺を目論むサイコパス的な殺し屋との対決を描くサスペンス・アクション・スリラー。クリント・イーストウッド主演。ジョン・マルコヴィッチ助演。若きレネ・ルッソの美貌にも注目。
映画『ザ・シークレット・サービス』のあらすじ・ネタバレ
かつてケネディー大統領の護衛を担当していたシークレット・サービスのフランクは大統領を助けられなかった悔恨に囚われながら仕事をしてきた。まもなく引退だ。しかしある日、フランクの過去をからかうような電話で状況が一変する。大統領暗殺予告である。フランクは再び大統領の警護につく。老いた体で必死になる。暗殺者はあざ笑うかのごとく捜査を翻弄する。そして大統領の遊説中を狙って、、、。
映画『ザ・シークレット・サービス』の感想・評価・内容・結末
クリント・イーストウッドは1930年生まれで現在は89歳。本映画『ザ・シークレット・サービス』は1993年製作だから、撮影時は62歳であったと言えます。62歳であの動きをされては世のお父さんたちは何も言えません。この映画でクリント・イーストウッドは走っています。シークレット・サービスとはアメリカの大統領や副大統領、各国からの来賓される需要人物などを専門に警備する護衛のプロフェッショナルです。そしてその最高峰が大統領の護衛にあると言われています。
大統領の車の周囲に黒服を着て並走する人たちです。最近ではあまり見ませんが、北朝鮮の金正恩が訪韓した際に周囲を取り囲んでいたのは北のシークレット・サービスで、金正恩がハリウッド映画を観て真似したと言われています。その真似した映画とはズバリ、本作なのです。警備の最大の目的は暗殺から大統領を守ることにあります。もし銃弾を発射されたのなら身を呈して弾丸に向かって体を預ける勇気が必要です。それだけ重たい仕事です。ただ最近は大統領が乗る車はかなりの重装備で弾丸も弾くのでシークレット・サービスは不要と言われていましすが、一つのパフォーマンスとして重宝されています。いわゆるイメージ戦略ですね。権威の高揚とプロパガンダです。
さて、本映画ではクリント・イーストウッドは出演のみで監督はやっていません。前作は『許されざる者』です。流石に疲れていたのでしょうか?というよりクリント・イーストウッドにはよくあるパターンです。数本、監督と主演の映画を撮って、主演だけする、という製作スタイルをとっています。もちろん監督、主演は大変エネルギーを消耗するからという理由もありますが、おそらく頭の良いイーストウッドは他の監督の演出を学ぶ意図もあると思うのです。他の監督の真似はしないと思いますが、良いところを取り入れているのではないでしょうか?イーストウッドのこのスタイルが長らくアメリカ映画界のトップを牽引する理由になっていると思います。
さて、映画は至ってシンプルと言ってはシンプルな物語です。年老いたシークレット・サービスのフランク(クリント・イーストウッド) が引退間近に大仕事をやってのける。彼にはケネディー大統領を守れなかった悔恨がある。自身の責任と忌まわしい過去に決別するため、そして有終の美を飾るために再び大統領の警護担当を申し出ます。でもこれだけでは物語として成り立ちません。ここに大統領暗殺を目論むミッチ(ジョン・マルコビッチ) が絡んできます。ミッチはフランクの過去の悔恨を知っており、心理的な揺さぶりをかけます。フランクに電話をかけて挑戦状を叩きつけるのです。
ミッチの恨みはかつて自身がCIAで働き国家に忠誠していたのにも関わらず、リストラされたことです。それ以来ずっと復讐したいと考えていました。しかもミッチはかなりの知能犯です。そしていわゆる劇場型の犯罪に仕立てようとする一種のサイコパスです。普通の操作でミッチを捕まえることはほぼ不可能です。もし、捕まえるとしたらミッチが暗殺を目論む現場しかありません。
映画は緊迫しながら進みますが、いかんせん女殺しのイーストウッドです。恋愛もあります。60過ぎのおじさんが若い捜査官リリー(レネ・ルッソ)を口説くのです。これには笑ってしまいますが、ハリウッド映画では鉄板なのでしょう。実際、イーストウッドの作品の中で男女の濡場のシーンは過去にもたくさんあります。本作も然りですが、最高峰は『マディソン郡の橋』でしょう。メリル・ストリープと激しいラブシーンを演じています。さすが、イーストウッド!と拍手したくなります。
物語は最後には正義が勝つで結実します。そしてフランクのシークレット・サービス人生も終わります。 いわゆる勧善懲悪の物語です。でもこの映画が訴えたかったことは仕事とは?犯罪とは?というものではなく、やっぱり60歳という年齢でもちゃんと仕事ができるということを世界に伝えているのだと思います。今でこそ、60歳はまだ若いと言われていますが、本映画は26年前の作品です。当時、60歳といえばもう老人です。それがまだまだ現役にこだわるということは老害でした。引退したい人もいますが、まだまだ仕事をしたい人もいます。現役にこだわる人たちに大きな勇気を与えてことでしょう。
クリント・イーストウッドは2000年には『スペース カウボーイ』を撮ります。これはかつての宇宙飛行士が宇宙へ旅立ちます。現役復帰の物語です。さらに2011年の『人生の特等席』では衰えたスカウトマンを演じています。そして今現在もクリント・イーストウッドは現役の映画制作者です。彼にとって年齢とは単なる数字にしか過ぎないのだと思います。来春、クリント・イーストウッドの新作『リチャード・ジュエル』が公開されます。今からとても楽しみです。クリント・イーストウッド作品を観ると「まだまだ人生は面白いことが起きる」と教えてくれるからです。
*邦題を『ザ・シークレット・サービス』にしているのはオッケーだと思います。さすがに原題の『In the Line of Fire』は日本人は馴染みがないです。
*音楽はエンニオ・モリコーネだが、今ひとつな気がした。
映画『ザ・シークレット・サービス』(128分/アメリカ/1993)NHK BSプレミアム
11月22日(金)午後1時00分〜3時09分
まとめ 映画『ザ・シークレット・サービス』一言で言うと!
「一合取っても武士は武士(いちごうとってもぶしはぶし)」
武士の禄(ろく:給料)がたとえ一合であっても、貧しかろうと、武士は武士、男には男の意気、誇りがあるということ。本映画のフランクには崇高なプライドがあります。やはりそれはアメリカ合衆国大統領を守るというものです。お金より、自身の命より大切なのは国家のリーダーの命です。その誇りだけで生きてきた男は強いです。
合わせて観たい映画
【悪を退治するクリント・イーストウッド映画】
映画『ダーティーハリー』
もはや伝説的な刑事です
『ダーティーハリー4』
映画の中ではソンドラ・ロックを守りました
映画『ガントレット』
ダメ人間が最後は悪を退治します
映画『ザ・シークレット・サービス』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ウォルフガング・ペーターゼン
脚本
ジェフ・マグワイア
製作総指揮
ウォルフガング・ペーターゼン ゲイル・カッツ デビッド・バルデス
製作
ジェフ・アップル
撮影
ジョン・ベイリー
美術
リリー・キルバート
音楽
エンニオ・モリコーネ
録音
Wylie Stateman Gregg Baxter
編集
アン・V・コーツ
衣装デザイン
エリカ・エデル・フィリップス
字幕
菊地浩司
Frank Horrigan(クリント・イーストウッド)
Mitch Leary(ジョン・マルコビッチ)
Lilly Raines(レネ・ルッソ)
AlD Andrea(ディラン・マクダーモット)
Bill Watts(ゲイリー・コール)
Harry Sargent(ジョン・マホーニー)
President(ジム・カーリー)
1993年製作/128分/アメリカ
原題:In the Line of Fire
配給:コロンビア トライスター映画