今回は、鳥取県の国際航空便に関する新聞記事をいくつか取り上げ、是非台湾との国際定期便の実現を!と主張する。
前回取り上げた日本海新聞の記事で米子ソウル便の8月の利用者の話が出ていたということもあり、まずは米子ソウル便8月利用実績についての新聞記事を取り上げる。
2019年9月5日の日本海新聞20面の記事。
韓国人客千人台
日本人が上回る
ソウル便8月55.5%
米子―ソウル便を運航するエアソウルは4日、同便の8月の利用実績を発表した。3893人が利用し、搭乗率は前月比5.7ポイント減の55.5%。21日まで機材繰りに伴い週3往復に減便されたことに加え、日韓関係の悪化で韓国人利用者数が2016年11月以来の千人台に落ち込んだ。
同社によると、利用者の内訳は日本人客2230人(前月比92.6%増)、韓国人客1587人(同28.2%減)。日本人客は格安航空券の販売などが奏功し増えており、本年度に入り最高となった。日本人客が韓国人客を上回るのは13年3月以来で、5年5カ月ぶりとなる。
予約状況は9月が29.6%、10月が19.3%と芳しくない。9月は週6往復に戻っているが、別機体の整備に入るため運休日を設けた変則的な運航となり、16日以降は再び週3往復に減便される。
日韓関係悪化の影響は、日本人団体客にもみられ、一部で予約の取り消しがあるという。
=後略=
―記事ここまで
米子ソウル便の運航支援費として鳥取県は毎年数千万(米子ソウル便を維持する為の関連予算を合計したら1億近くなると思う)出しているわけであるが、そんな便が5年5ヶ月韓国人の利用者の方が多くて、ようやく日本人利用者が韓国人利用者を上回ったと思ったら、その要因の(2つの内)一つが、“日韓関係の悪化”って…。
なんだかなぁ…。
ちなみに、平成31年度予算を県のホームページ(ttp://db.pref.tottori.jp/yosan/31Yosan_Koukai.nsf/72079a474c40091b4925747f002bb433/254d843181131fc749258434004463ac?OpenDocument&Highlight=0,%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%83%AB%E4%BE%BF)で見たら、ソウル便運航経費支援は7625万6000円らしい。
それにしても、日本人利用者が前月比92.6%増ってのは凄い伸びだ。
格安航空券の売れ行きが良かったって事以外の別の要因があるような気がする(勘)が、調べられそうにないので素直に受け取っておく。
この記事の重要ポイントは、『日韓関係が悪化すると韓国人の鳥取県への来客数は減る』ってこと。少なくとも、この記事を書いた新日本海新聞社はそう分析しているってこと。(エアソウルがそう分析したのかもしれないが。)
今回の“日韓関係の悪化”の正体について前々回の記事に書いたけど、これで減るんだったら今後の見通しも暗いかと。
これはつまり、国と国との関係が元々良い国と路線を結んだ方が搭乗率は安定するということの証左だと思う。
そしてこれが当ブログが定期台湾便を望む理由の一つでもある。
…ということで、今度は台湾の空の便に関連した記事を紹介する。
台中からの連続チャーター便の初便が4日に到着したことについての記事。
2019年9月5日の日本海新聞20面の記事を以下より―
台湾チャーター初便到着
「白兎神社、砂丘楽しみ」
「田舎を見たくて」
=前略=
乗客を出迎えた県日台親善協会の藤縄喜和会長は「台湾の人は鳥取県のことを好意的に思ってくれている。チャーター便の運航を定期便に結び付けたい」と意欲をにじませた。
三朝町は中学生の相互訪問など台湾と独自に交流している。歓迎式典に出席した松浦弘幸町長は「定期便になれば交流範囲がさらに広がる」と話し、自ら訪台して県の魅力をPRするという。
台湾人7、日本人3
今回の連続チャーター便の予約率は9月が80%。10、11月は50%。運航会社の親会社チャイナエアラインの許力曄台中支店長は鳥取県の魅力を「四季の自然の豊かさ、カニや梨など美食と温泉」と指摘。その上で定期便化を判断する目安として搭乗率80%を挙げた。この日、深沢義彦鳥取市長から定期便化への要望を受けた後、取材に対し「台湾人7、日本人3の割合で利用されることが望ましい」と述べ、鳥取空港側からの日本人利用も鍵を握るとの見方を示した。
温泉旅館、望湖楼(湯梨浜町)の中島伸之社長は「台湾は親日でもあるし、将来定期便になってある程度実績を積めば、現地旅行会社も鳥取県に注目する」と展望する。
アプローチを強化
日韓関係の悪化で韓国人客が減少する中、鳥取県は中長期的には東南アジアや中国にも誘客の裾野を広げていく方針。2018年の県内での宿泊者数(外国人)が1万8740人と国・地域別で3位の台湾へのアプローチを強めている。
県国際観光誘客課の鈴木俊一課長は「台湾には旅慣れいる人が多く、日本の中でも地方都市を好む傾向がある。今後も誘客の多角化を進めていきたい」と話している。
―記事ここまで
なかなか希望の詰まったいい記事だぁ。
台湾との定期便の実現にようやく期待が持ててきた。
県から「誘客の多角化」という言葉が聞けたのは嬉しい。
しかし、県はこういうこと言ってても一向に台湾には消極的な印象があるんだよなぁ。
知事日誌によれば、6日に許力曄中華航空台中支店長と面談したみたい。前向きな話し合いが行われてたらいいけど、平井知事にあまり期待はしてない。
平井知事は期待できないから県以上に鳥取市に頑張ってもらいたい。鳥取市は是非台湾定期便実現に向けた施策に力を入れて欲しい。国際定期便は米子空港の2路線だけなので、鳥取空港にも国際定期便を実現しよう!ってことで。
搭乗率80%はかなり大変そうだが、米子ソウル便は搭乗率が40%切っても路線・県の補助金共に継続したんだからさ…。
台湾国際定期便実現への期待でワクワクした直後、青天の霹靂のようにこのニュースが…。
米子―上海の国際定期便ができるってニュースが7日の日本海新聞に。
2019年9月7日の日本海新聞24面の記事を一部省略して以下より引用―
米子―上海便 年度内就航へ
週2往復の定期路線
上海吉祥航空(上海市)が米子鬼太郎空港と上海浦東空港を結ぶ定期便の就航に向け最終調整に入ったことが6日、明らかになった。週2往復の運航を計画しており、今後、防衛省に飛行場使用許可、国交省に運航許可を申請し、本年度中の就航を目指す。中国本土との間の定期航空路線の就航は山陰で初めて。 (岡宏由紀)
上海吉祥航空、最終調整
同社は不動産事業を手掛ける上海均瑶グループの中堅航空会社。2012年に初の日本路線となる上海―米子連続チャーター便を5往復運航し、16年には8往復運航した。
=中略=
鳥取県国際観光誘客課などによると、同社は日本国内で初めて乗り入れた鳥取県に思い入れがあり、
=中略=
県に8月、就航を打診した。
=中略=
平井知事は6日の定例会見で「人口2300万人の上海は周辺に蘇州や杭州があり、中国大陸の結節点の役割を果たしている。ソウル便、香港便に加え東南アジアを含めたネットワーク化の道が大きく開かれることになる」と期待した。
―記事ここまで
また反日国かよ…。
しかも親玉とかよ…。
路線の多角化という点のみ評価する。
中国には国防動員法という恐ろしい法があるのを知ってる身としては、防衛省の不認可で頓挫してくれたらベストかなと。まぁ無いだろうな。
(因みに防衛省の許可が要る理由は、美保飛行場は防衛省が管理してて、滑走路は航空自衛隊も利用する共用飛行場だから…かと)
どうやら日本政府は、韓国が日本路線を減らして空いた発着枠を中国や東南アジアの路線に振り返る検討をしているらしいし。(テレ朝newsの記事→ttps://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000163940.html)
とりあえず今は、米子上海便があるから台湾便はいらない ってことにならないかの方を心配している。
この上海均瑶グループってのが中国の国営企業だったらヤバいかなと思ったが、どうやら民間企業みたい(検索能力の限界)でそこは良かったかな。
最後に、9月7日の日本海新聞24面の別の記事を紹介して今回はお終いにしよう。
利用落ち込むソウル便
路線多角化に期待 県関係者
米子鬼太郎空港(境港市)と中国・上海を結ぶ定期便が就航する見通しとなった6日、鳥取県内の関係者からは歓迎の声が上がった。日韓関係の悪化でソウル便の利用が落ち込み、香港便も香港でのデモの影響を受けているだけに、国際路線の多様化に期待を寄せた。
=中略=
境港市観光協会の桝田知身会長も「韓国からの観光客が減少し、先行きを懸念していた中で、久々に明るい話題。(就航が決まれば)インバウンド(訪日外国人客)の拡大の突破口の一つになる」と期待した。
県国際観光誘客課の鈴木俊一課長は「インバウンドは国・地域によって状況が異なるので、今回のように日韓関係が悪化しても相互補完できる」と路線を多角化する意義を強調した。
=中略=
山陰インバウンド機構の福井善朗代表理事は「中国人は消費額が高いという調査もあり期待できる。安定運航に向け、しっかりと橋渡しをしたい」と話した。
中国との交流の拡大も見込まれる。鳥取大の中国人留学生の交流や中国河北省に友好交流団を派遣している県日中友好協会の福間裕隆会長は「就航を機に観光はもちろん、幅広い交流が進んでいけば」と期待。中国保定市との友好都市提携を結ぶ米子市の伊木隆司市長は「これからは上海との交流も深めていきたい」と述べた (取材班)
―記事ここまで
県国際観光誘客課の鈴木俊一課長の発言部分、「インバウンドは国・地域によって状況が異なるので、今回のように日韓関係が悪化しても相互補完できる」というのは、台湾の記事の時と同じで路線多角化についての発言だが、より理想的な形だ。
韓国が駄目なら他で補う…。この当たり前の考えがようやくこうやって耳に入ってきて良かったと思う。
あとこの記事で気になるのは、山陰インバウンド機構と福間裕隆氏。
検索して、どんなことをしてきた組織・人物なのか知っておいた方がいいかもしれない。