韓国政府は22日、韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)が失効するわずか6時間前に「条件付き延期」を決めたが、これは米国が背後で様々な方面から説得と圧力に乗り出していたからだ。米国はこの日も国務省、国防総省、上下院などが韓国政府に対し「GSOMIAを破棄するな」と厳しい圧力を加えていたという。米国からの厳しい圧力に直面した韓国大統領府は最後の瞬間に方針を変えたようだ。米国務省関係者はこの日、韓国大統領府の発表を前に「少し待ってみよう。希望が見えてきた」とした上で「うまくいくかも知れない。GSOMIAが破棄されるとはまだ断定すべきでない」と述べた。米国政府による最後の圧力が功を奏していることをにじませた発言だった。
米国務省は21日(現地時間)から韓国大統領府と韓国外交部(省に相当)に対し、また国防総省は韓国軍に対し様々な方面から説得を行っていたという。米国務省のスティルウェル東アジア太平洋次官補とナッパー韓国・日本担当東アジア次官補らはつい先日まで韓国と日本を行き来しながら「最後まであきらめない」という姿勢で水面下での説得を行っていた。
米国務省のポンペオ長官は21日、韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官との電話会談で、GSOMIAを破棄しないよう強く求めた。米国務省は2人の電話会談に関する資料をその日のうちに配布した。外相間の電話会談関連資料はこれまでなら通常翌日に発表されるケースが多かった。米国務省は「両外相は(二国間の)緊密な協力を約束し、韓日関係の重要性を再確認した」「インド・太平洋地域における協力の意志を改めて強調した」などと説明した。米国は韓日協力を米国のインド・太平洋戦略に連携させると同時に、「GSOMIA破棄は米国の世界戦略に悪影響を及ぼす」と警告したのだ。米国務省は韓国大統領府国家安保室にも同じような内容を何度も伝えていたという。
米国務省のある幹部も、駐韓米国大使館関係者とリアルタイムで「GSOMIA延長」に関する情報を夜遅くまでやり取りしていたようだ。また李秀赫(イ・スヒョク)駐米大使は国務省を訪問し、ビーガン対北朝鮮政策特別代表などからGSOMIAをめぐる緊迫した雰囲気を伝え聞いていた。エスパー国防長官もこの日ベトナムを出発する直前、記者団に「わたしは(韓日間の)歴史的な問題を理解しており、これ(対立)を誘発した最近の問題についても理解している」とする一方「しかし米国は平壌や北京に対してはるかに大きな懸念を抱いている」と述べた。