高校の部は中京大中京(愛知)が高崎健康福祉大高崎(群馬)に4―3で競り勝ち、初優勝を決めた。来春センバツの「神宮枠」は東海地区に渡り、同地区の出場枠は1枠増えて「3」になる。
春夏の甲子園で全国最多11度の優勝を誇る中京大中京が手にしていなかった秋の頂点。締めくくったのは、やはりこの男だ。6回からリリーフ登板した最速148キロエース高橋宏斗投手(2年)が、4イニングを無安打に抑えて優勝。「全員で戦い抜いた結果。神宮制覇を達成できて、良かったです」。名古屋地区予選を含め、公式戦19連勝で秋の日本一を勝ち取った。
18日の準決勝・天理戦に続き、先発・松島の後を受けて6回から登板。3連投だけに「疲れはあった」というが、140キロ台中盤の直球とカットボールを低めに集めた。登板直後の先頭打者を四球で出したが、許した走者はその1人だけ。
新チーム結成時に掲げた目標が「明治神宮大会優勝」だった。「力があるのは分かっていた。だから、一番高い目標にした」。グラウンドにあるトイレにまで「神宮制覇」と書いた紙を張り、部員全員で意思統一。東海大会準決勝で勝ち、来春センバツ出場を確実にした時も、高橋宏は「通過点」と言い切ったほどだった。初優勝で、名門に新たな勲章を加えた。
もちろん、最大の目標は春夏の甲子園。高橋宏は「直球も納得できる球ではない。もっと磨いて、センバツではいい形で勝てるようにしたい」と先を見据える。春は今春優勝の東邦に優勝回数、勝利数で追い越されたばかり。優勝候補として臨む来春、トップの座を奪い返す。