トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

これで九分九厘は白鵬か、気迫の一番と言いたいところだが…今からオイスターバーに行こうかな[北の富士コラム]

2019年11月21日 23時1分

立会いで遠藤(左)に張り手をする白鵬

写真

◇21日 大相撲九州場所12日目(福岡国際センター)

 優勝の行方を左右する相撲が2番組まれた12日目の土俵から。それでは朝乃山対御嶽海の相撲はこうだった。立ち合いは互角に見えたが、わずかに御嶽海の方が低く立ったようだ。朝乃山は当然、左上手を取りに出る。そして一度はまわしに手が掛かったと思ったが、御嶽海は自分の方から右を深く差した。それも肩まで深く差し込んだ。これで朝乃山の上手が切れ、腰も浮いてしまった。これからが御嶽海が天性ともいわれる巧みさを見せつける。寄りながら左も差してもろ差しになると、がぶるように腰をぶっつけ、あっという間に寄り切ってしまった。

 昨日までの盤石の強さを見せつけていた朝乃山だが、何もできないまま御嶽海の軍門に下った。解説の荒磯親方がこんな時の御嶽海は強いと漏らしていたが、予言が的中した。お見事、さすがお目が高い。こうなると御嶽海にはもう一仕事してもらわにゃいけない。白鵬戦、大いに期待しよう。

 その白鵬だが、遠藤をKOしてしまった。左から張って、右でかち上げ、頭を下げて前みつを取りにくる遠藤に、再度張ってはたき込んだ。気迫の一番と言いたいところだが、あまり感じは良くはない。舞の海君も「こんな横綱見たことがない」と強烈に文句を言っていたが、私に言わせてもらうと張られる方も悪い。張ってくるのは分かりきっているのに、むざむざと張り倒されている。情けない。

 これで優勝は九分九厘は白鵬で決まりだろう。下手をすれば今日13日目にも決まるかもしれない。それだけは勘弁してよ、である。初日の予想で出場するからには白鵬が一番手と書いたと思う。久しぶりにそうなりそうだが、白鵬が強いというより、他がだらしがないことに尽きる。このくらいの予想は誰でも容易である。

 そんなことより、炎鵬は惜しい相撲を落としたものだ。立ち合いうまく相手のふところに入り、食らい付いて喜び勇んで前に出たが、隆の勝の小手投げを食ってしまった。小さい力士は大きな相撲に弱いといわれている。その通りの相撲だった。これで6勝6敗の五分。今日勝っていればと悔やまれてならない。あと3日間頑張ろう。

 このところ場所に行くとお客さんから「親方今夜は何を食べるの」とよく聞かれる。実は何を食べようかといつも悩んでいるんです。ホテルのルームサービスはほとんど食べました。ふぐも食べたし、肉も何度も食べている。鉄鍋ぎょうざがうまいらしいが、まだ行ってない。ホテルの地下にオイスターバーがある。いつもだと3回ぐらいは行くのに、今年は行っていないので、今から行こうかな。じいさん一人でカキを食っているのもあまり格好良くない。去年あたりはまだ2ダースはペロリいけたが、もう無理かな。それを食っても駄目かな。少し考えよう。(元横綱)

 

この記事を印刷する

PR情報

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ