トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

白鵬千秋楽Vで頼む…俺の仕事に差し障りが出て来るようで心配だ。御嶽よ何とかしてくれ[北の富士コラム]

2019年11月22日 21時58分

白鵬(左)が押し出しで阿炎を下す

写真

22日 大相撲九州場所13日目(福岡国際センター)

 朝乃山と正代が3敗を守ったので、今日の白鵬の優勝は1日延びた。これはわれわれにとっても実にありがたいことであった。

 正代は人気の炎鵬との対戦。初顔合わせで興味津々である。立ち合い、炎鵬が思い切りぶちかまして出る。誰に対しても真っ向から立ち向かう気力は見上げたものである。正代はいつものもろ差しを狙う立ち合いはせず、右の上手を取った。

 炎鵬は尻が土俵に触れるほど腰を落として食い下がるが、正代は慌てず右上手1本で抜きあげるように前に出る。実に大きい取り口だ。昨日も言ったように、小兵は大きな相撲を取られると小細工が通じず、手の打ちようが無くなる。実際その通りの相撲になった。正代は右1本で炎鵬を攻略し3敗を守った。

 正代はいつものアゴをあげてのもろ差し狙いよりは体力を生かし、根の左四つの相撲を覚えた方が良いと思うがどうだろう。これで10勝。当然と言えば当然で、このくらいの星は驚くにあたらない。あと2番勝てば三役も見えてくる。一方の炎鵬は苦しい星勘定となった。残り2番、頑張れ、頑張れ!

 同じく3敗の朝乃山も押しの琴勇輝に対し一歩も退ることなく突きで応戦し、逆に突き出した。組んで良し、離れて良し、ますます先が楽しみだ。もう2番勝つと大関は向こうの方からやってくる。

 1敗の白鵬に対し闘志を隠そうともしない阿炎。それだけに期待されたが、まったく相撲にさせてもらえなかった。白鵬は左から張り手を見せてすぐ左でまわしを引いた。阿炎の突っ張りはこれで不発に終わる。呼吸も置かず白鵬は右を差して一気に押し出した。勢い余って土俵下まで攻め込んだ。

 ここ1番にかけた白鵬の気力は一向に衰えていない。あと2日残ってはいるが、これで白鵬優勝はテコでも動かないだろう。できることなら千秋楽まで優勝を決めないでほしい。俺の仕事に差し障りが出て来るようで心配だ。御嶽海、何とかしてくれ。

 それでは今夜は八角部屋の北の若と食事に行ってくる。今日の相撲があまりにも悪かったので説教をするつもりであります。先を急ぐので失礼します。ちなみにすしを食べに行きます。(元横綱)

 

この記事を印刷する

PR情報

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ