フィギュアスケートの全日本ジュニア選手権最終日は17日、横浜市のコーセー新横浜スケートセンターで行われ、男子は16歳の鍵山優真(神奈川・星槎国際高横浜)が合計251・01点、女子は15歳の河辺愛菜(関大KFSC)が合計193・57点でともに初優勝し、冬季ユース五輪(来年1月・ローザンヌ)と世界ジュニア選手権(同3月・タリン)の代表に決まった。
急成長中の鍵山が、ジュニア4年目にして国内初タイトルを手にした。この日のフリーは冒頭の4回転-2回転のトーループ連続ジャンプを含めて、2度の4回転トーループを決めるなど「ミスのない」ほぼ完ぺきな演技を披露。ライバルに30点以上の大差をつけての初優勝だった。
「やっとタイトルが取れてすごいうれしいし、いままで努力してきて良かった。でも、もっと点数は伸ばせたかな」。勝利を確信する演技直後、鍵山がガッツポーズすると、2度の五輪出場経験がある父の正和コーチ(48)もガッツポーズ。感極まって涙を流した父は、リンクから戻ってきた息子とがっちりと握手して抱き合った。父からは「よく頑張った。落ち着いてできたな」と声を掛けられたという。
「今季が一番大切だと思っていた。世界ジュニア選手権(の出場切符)も懸かっていて、この大会の優勝を狙っていた」。飛躍の関門をまたひとつ開いた伸び盛りの16歳の勢いは止まらない。昨年は6位だった12月の全日本選手権に向けては「SPから4回転を組み込み、表彰台も狙っていきたい」とさらりと宣言した。