西に続け、JR九州も「気軽な」長距離観光列車

九州を1周、デザインはもちろん水戸岡氏

JR九州が2020年秋に導入する新たな観光列車「36ぷらす3」のデザインと、そのロゴ(右上)(画像:JR九州)

前日にJR西日本が運行の詳細を発表した手軽に乗れる長距離観光列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」に続き、今度はJR九州が11月21日、新しい観光列車の導入を発表した。その名前は「36ぷらす3」。九州をぐるりと1周する観光列車で、2020年秋に運行開始する予定だ。

JR九州は豪華観光列車「ななつ星in九州」を頂点に「ゆふいんの森」、「A列車で行こう」「或る列車」など多数の観光列車を抱える。最も新しい観光列車は2017年3月の「かわせみ やませみ」。36ぷらす3は同社にとって3年半ぶりの観光列車となる。

「36」と「3」の意味は?

同社の観光列車のネーミングはユニークなものが多いが、今回も「何それ?」と聞き返したくなる名前だ。36とは九州が世界で36番目に大きい島という意味。ちなみにオーストラリアは大陸という位置づけで、世界最大の島はグリーンランド。本州は世界で7番目、北海道は世界で21番目に大きい島だ。さらに、「九州を巡る5つの運行ルートに35のエピソードをぎゅーっと詰め込んでおり、全コースを楽しんでいただくことで、お客様に36番目のエピソードを語っていただきたい」という想いもあるという。

ぷらす3とは、JR九州によれば「驚き、感動、幸せ」、そして「お客様、地域の皆様、私たち」で、36と3を足すと「39(サンキュー)」となる。

「36ぷらす3」の運行ルート(画像:JR九州)

全席グリーンで、定員は100人程度。運行ルートは木曜日に博多駅を出発し、月曜日までの5日間をかけて九州を1周する。

全部で5ルートあり、木曜日は博多から熊本、さらに肥薩おれんじ鉄道を経由して鹿児島中央まで。金曜日は鹿児島中央から宮崎まで。土曜日は宮崎から大分・別府まで。日曜日は大分・別府から小倉を経由して博多まで。門司港にも寄る。月曜日は博多から佐賀を経由して長崎までというルートだ。これらの駅で乗り降りすることも可能(門司港を除く)だが、九州の魅力をぞんぶんに味わうなら、「ぜひ1周してほしい」ということだ。

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  • Thomasfb5e1e307616
    時代の流れなのでしょうけど、もはや日本の鉄道における、都市間輸送という使命は徐々に衰退していくのかな、とすら思ってしまいます。値段やらサービスやらダイヤやら、あらゆる面で他の交通機関の後塵を配しているように思うし、豪華列車ばかりで、なんだかアメリカの大陸横断鉄道を見ているよう。

    一方で新幹線はどんどん作ろうとするけど、佐賀県とか静岡県とか、中間の地方都市の意見はなかなか取り入れられない。結局、新幹線というインフラを民間の会社が持ち、その会社の好き勝手にできてしまうことも問題です。インフラを国がきちんと管理し、列車の運行だけを鉄道会社に任せる上下分離方式の方が、地域間格差がなくなり、適正な価格やダイヤになると思います・・・。
    up16
    down6
    2019/11/21 18:07
  • bug8f785ce618a9
    銀河もそうですが、この列車(名前が分かりづらいのは欠点)のように、一日単位での区切った乗車が可能で、価格もリーズナブル(おそらくは特急ロザ+α)に乗車できる快適な列車を求めていました。
    銀河同様に好意的に受け止めておりますが、この列車も指定席争奪戦が激しそうですね♪
    up3
    down0
    2019/11/21 21:35
  • お茶ea1601327637
    JR西に続き九州でも長距離観光列車のデビューとは嬉しい限り。
    できれば、個人的には夜行列車が嬉しいのだけれど、九州内だけだと無理があるかな。

    それでも各社のこういった列車が成功し、将来的に各社連携、相互乗り入れが実現すれば良いのになと思います。
    色々あって東海は無理でしょうけど、
    JR東エリア、関東、東北から北陸経由でJR西エリア、そして四国や九州へ。
    JR西から東北や九州へ
    JR九州、四国から北陸、東北、関東へ。
    北海道は、青函トンネル部分だけ新幹線で連絡、函館を拠点として札幌、根室、網走、稚内へ。

    気楽に乗れる夜行列車が行き交うようになれば、また夢が広がります。
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    2019/11/22 04:33
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