マーリンズは20日、チェン・ウェイン投手(34)=元中日=に事実上の戦力外を通告した。総額8000万ドル(88億6400万円)の5年契約があと1年残っており、マーリンズは来季年俸2200万ドル(約23億7600万円)が無駄に終わる。球団地元紙マイアミヘラルド(電子版)が報じた。
「金銭を考慮した決断だったわけではない。球団の来季以降を考えれば、タフな決断を下さなければならないと思った」。ヒル編成本部長は苦渋の思いを語った。
20日は、マイナーに埋もれた選手を他球団から指名できる12月12日の「ルール5ドラフト」による流出を避けるため、有望株をメジャー40人枠に組み入れてプロテクトできる締め切り日。同紙によれば、マーリンズは6人の有望株がいながら同枠は5つしか空きがなかったため、今回の措置に踏み切った。
台湾出身のチェンは、2011年まで中日で36勝30敗、防御率2・59。12年からメジャー挑戦し、オリオールズでは4年間で3度の2桁勝利など46勝32敗、防御率3・72。だが、マーリンズにFA移籍して以降は靱帯(じんたい)の部分断裂など度重なる左肘の故障に悩まされ、4年間計102試合(先発53)で13勝19敗3ホールド、防御率5・10と苦しんだ。