逆に、執行部がSGIとの対等な共存関係を築くことができれば、総本部の「広宣流布大誓堂」は世界中の信者が集う巡礼地となり、信濃町は世界的な聖地となっているかもしれない。
創価学会と共産党の
知られざる内幕を重層解剖!
『週刊ダイヤモンド』6月25日号の第1特集は、「創価学会と共産党 激変する巨大組織のカネ・人・出世」です。
1974年の師走。社会派推理小説の巨匠、松本清張の自宅で2人の男が対峙しました。一人は、創価学会会長の池田大作。そしてもう一人は日本共産党委員長の宮本顕治(肩書はいずれも当時)。
都市部の低所得者層を基盤とするなど支持層が重なっていたため、競合関係にあった学会と共産党。昭和の大作家が仲介する形で、互いの存在を認めて干渉しないことを確認したのです。世に言う「創共協定」です。
結局、この協定はすぐに死文化しましたが、二つの組織は今また、対極的な立場でにわかに存在感を増しています。
与野党それぞれのキャスティングボートを握る存在として、この二大組織にスポットライトが当たっているのです。
創価学会は与党・公明党の最大にして最強の支持母体であり、公明党が安定して国政選挙(比例区)で700万票以上を得票できるのも、学会の後押しがあるからこそ。学会票は今や、連立を組む自民党にとっても不可欠な存在となっています。
ただ、公明党が安保法制に賛成したことで、今回の参院選では学会票が減少するとの指摘があります。この巨大宗教組織が本気で動くかどうかが、政権の行方をも左右しそうなのです。
一方の共産党は2014年の衆院選では獲得議席数を8から21へと大幅に伸ばしました。今回の参院選ではさらなる議席増が期待されています。
一見すると、いずれも存在感を高めているようですが、組織内部に目を向けると、さまざまな“病魔”にむしばまれていることが分かりました。学会と共産党という、日本の命運を左右する二つの巨大組織の知られざる内幕に、容赦なくメスを入れました。
(『週刊ダイヤモンド』副編集長 山口圭介)