steamで自作ゲームを作って売っている個人のこと
Nov-21,2019
steamで自作ゲームを作って売っている個人は、
それなりにいると思う。
そういう人が書いた読み物を読みたくて、
「STEAM 自作」とか「STEAM 個人」とかで検索して、
見つけられるものは読もうとしているけど、
3つか4つくらいしか見たことがない。
でもきっともっと多くいると思う。
ツイッターだともう少し見つかる。
きっとみんな、いろいろ書いているはずだけど、
もう今の検索世界では、見つけられないんだと思う。
私も過去に、STEAMで自作ゲームを売るための日記を、
これまで何回か書いたけど、それらを求める人が、
それらをgoogleで検索することに成功して読めるとは到底思えない。
みんな、孤立していて、
静かに孤独に戦っているんだと思う。
そしてその9割は敗れていっているんだと思う。
別に共闘したいわけではない。
きっとみんな価値観はバラバラだし、お互いが競争相手だから、世知辛い。
1つ目の紹介。
『Indie Games in China/独行』
という中国のSTEAMインディー開発者のドキュメンタリー動画が
STEAMにあるので、以前観た。
そこでの彼らは、私たちの言う所の個人開発者とは異なり、
複数人体制で開発する小規模組織だった。
私から見ればそれは個人開発者でもインディーでもなく、
ソフトハウス以外の何者でもなかったが、
そんな彼らでも、常に時間と金策に追われて、満足げな展開に至らない。
見る限り、売り上げ本数などは僕の10倍も20倍も上の彼らだが、
20人くらいの人間を雇用してオフィスも借りて開発しているから、
10倍や20倍くらいでは、私より困窮する可能性が高い。
観ていてなんでそんな無謀なことするんだろう、と感じていたが、
結局取材した5チームくらいのうち、1チームは大成功して億万長者のようになっている。
それくらいのリスクを賭すのは当然かもしれない。
私が慎重すぎるのかも。
逆にとらえれば、そこまでしても、結果ほとんどうまくいかないのだから、
個人1人がやっても、うまくいくケースはほぼないと感じる。
実際、見つけられる個人開発者のブログなどを見ても、
成功していると思えたのは数人のうち1人だけで、
その1人も、ゲーム開発で成功・・・というより、
それ以外の能力で成功しているように感じられた。
きっと自作ゲーム開発なんかするよりも、
その能力が発揮できる効率的な分野で稼いだ方がいい。
また、紹介されていた全てのチームが、
複数人だったせいだろうけど、
結局どのゲームも、企業品と似たベクトルだった。
営利を追求すると、そうなっちゃうから仕方ない。
もう一つ紹介。
bhaskaraさん。
ニコニコで去年くらいからずっと、STEAMで出すための
自作ゲーム開発をしていて、そのレポート動画を定期的に投稿している。
1年ほどかけて今年9月にSTEAMに、
2Dの横向きガンシューティングアクションをリリース。
ゲーム画面は、このカテゴリのゲームによくあるような派手さはないが、
世界観のデザインはよく表現されていてセンスを感じる。
シンプルな方が良いこともある。
ストアページも雰囲気を醸し出していて、このジャンルや雰囲気が好きな人はいそう。
ゲームはまだやってないから中身は分からない。でも、それは買う人間全員が同じ。
ニコニコで、開発動画を、ボカロをつかって丁寧に作り、
投稿している時点で、それなりの宣伝効果がありそう。
どうみても時間がかかっている動画!
再生数は、数年前と比較すれば高くはないけど、今の時代なら決して少なくもない。
最も多いので3000再生くらい。
見た人の2%が買ったとしたら、それだけで60本くらいは売れそう。
でも、推測だけど、たぶん60本すら売れてないかも。
推測だから間違ってるかもしれない。
でも私の推測だと、多分、10本売れているかどうか・・・。
推測だから間違っている可能性大。
実際にSTEAMで販売開始した時の投稿動画の再生数が400だったから、その2%なら8人。
ゲーム自体はたったの400円。
缶ジュース3本分。
缶ジュース3本飲むだけで、これが作れる人はいない。
でもそれだけの値段で、作らずにすぐ遊べる。
同じゲームはこの世に2つとない!
bhaskaraさんのゲームは今度買ってみようと思います。
個人開発をするしかない私は、
個人開発のことを、もっと知りたいし、もっと考えたい。
他の個人開発者がつくったゲームにも興味がある。
日本での、個人開発者はどれくらいいるんだろう。
STEAMに限ると、数十人くらい?
数百人もいない気がする。
仮にいても、かつていた人を含める必要があるかもしれない。
一度はトライしたけど、数年待たずに去ってしまう人がほとんどのような気がする。
STEAMに限らず。みんな大人になっていくんだよ。
もう1つ紹介。
STEAMの BMC Studio という開発者のこと。
カナダ人っぽい。
年齢は20代くらいだと思う。
他人には思えない個人開発者の一人。
自己紹介文によると、
『 私は個人ゲーム開発のために、大学を中退しました。
私は自分の好きなことを表現する。
世界中の誰も、私を止められない 』
みたいなことが書かれています。
半分うろ覚えで、更に英語なので不正確ですが、だいたいこんな感じだったはずです。
どんなゲームを作っているのかと言えば、
はっきり言ってしまえば、
それはゲームではなくて、動画です。
でも本人がゲームだと言い張っているので、
ゲームだと思います。
しかもどんなエンコードをしているのか分かりませんが、
1ゲーム10分くらいの動画が、2ギガとかでダウンロードされます。
1本大体300円くらいで、それが2ヶ月おきに、
20本くらいリリースされています。
ものすごい熱量!!!
更に、最初の頃は複数人が出演していたようですが、
だんだん人が減っていって、最新作はたった一人で出演しています。
コミュニティのスレッドにも、そのことを指摘している外人がいて、
別の外人がそれにレスポンスしていました。
『きっと、他の出演者たちも、これがクソゲーだということに気づいて去っていったのでしょう』
みたいなことが書かれていました。
ここまでをざっと見て、他人事には思えませんでした。
気になった人は観て見て下さい。
ちなみに動画なので、Youtubeで実況されたら、全部観られてしまうのです・・・。
というわけで、いくつかはYoutubeで観れます・・・。
悲しい・・・。
さて、いろいろ紹介と共に、個人開発における雑感を書きました。
個人開発の良いところは、まさしく個人開発の所。
個人の価値観がそのまんま投入されていて、
似たジャンルのはいくらあっても、真似しようもない個人の『我』みたいなやつが、
薄められておらず、研磨もされていなかったりして、
それらが不完全性の中で健在する。
それは誰かに缶ジュース3本あげるから見せてくれ、と言っても、
簡単に見られないもの。
その個人が、長い時間を掛けて練成して、
それがある瞬間からどぱっと表現されてないと、
そういう『我』みたいなものは簡単に投入できないし、
ものすごく非効率なことを繰り返さないといけないから、
誰にでもできることでもない。
その人が作らなかったから、二度と見れない。
そういうのが良い所。
だから、企業品や類似品にはないものを、本当は詰め込む方が、
効率として良いはず。
たとえば、企業品に求めるものを、個人開発作品に求めることほど、無益なことはない。
企業品を買えばいいし、個人開発の存在意義は0に等しいと感じる。
わざわざ企業品よりも劣る個人開発品を求めるのは、
そこにしかない希少な何か、企業が決してできない何か、があるからに他ならないはず。
それが際立って存在している、ということがちゃんと伝わるなら、
きっと個人開発者はもっと浮かばれると思う。
でも、それが伝わりにくい障壁が所々にある。
それは市場にも、プラットフォームにも、受け手の意識の中にも、
果ては開発者の頭の中にさえ洗脳のようにあるかもしれない。