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【首都スポ】[大学野球]慶大、19年ぶり4度目の日本一 エース高橋、7回まで完全の完封V2019年11月21日 紙面から
◇明治神宮野球大会<決勝> 慶大8-0関大陸の王者が19年ぶり4度目の神宮大会王者となった。第50回明治神宮野球大会は20日、神宮球場で大学の部決勝を行い、慶大(東京六)が8-0で関大(関西1)を破って優勝した。先発左腕の高橋佑樹投手(4年・川越東)が7回までパーフェクトの3安打完封。今季限りで退任する大久保秀昭監督(50)のラストシーズンを日本一の花道で飾った。関大は、剛腕・山口高志(元阪急)を擁して優勝した1972年以来の決勝で力尽きた。 学生最後の公式戦で最高の瞬間だ。最後の打者をカーブで中飛に仕留めた高橋は神宮の空に向かって両手を突き上げた。駆け寄ってきた女房役の郡司と抱き合い、マウンドでナインにもみくちゃにされた。 「優勝の瞬間にマウンドにいたのは初めてだったのでうれしかった。この試合は『中学、高校と優勝が懸かった試合で負けてきたのはきょう勝つためだったんだ』という強い気持ちで臨みました」 8回先頭に左前打されるまでパーフェクト。強い風も吹いていたが、いつも通りに腕を露出。今春の六大学社会人対抗戦でふがいないピッチングをしたとき、長袖シャツのせいにしてからのゲンかつぎだ。チェンジアップ、カーブで空振りも取れ、直球との緩急で凡打を打たせた。大記録を逃しても「完全試合って難しいですね」と笑い飛ばし、郡司からは「100点満点」と最大級の賛辞をもらった。 リーグ通算21勝を挙げてドラフト1位で近鉄に入団した山本省吾(ソフトバンクスカウト)ら、のちにプロ入りした選手6人を擁した2000年以来19年ぶりの神宮大会制覇。スタンドで見つめた山本さんは「粘り強く投げて尻上がりによくなった。キャンプから一番多く投げ込んできた投手、その成果が出た」と同じ左腕の後輩をほめた。「あのときもきょうのように寒かった」。延長10回、1-0のサヨナラのホームを自分で踏んだのも懐かしんだ。 大久保監督の起用もはまった。「相手が東海大だったら高橋、関大だったら(右の)森田と思っていたが、関大が左打者が軸なので高橋の緩急が生きるかと思った」。優勝を決めた早大1回戦は先発して6回途中1失点で降板。今度は完封で応えた高橋は「1年のときから目をつけて…いや、目をかけて試合に出してくださった監督に恩返しができてよかった」と喜んだ。ドラフト会議で指名漏れして来年は社会人(東京ガス)でプレー。JX-ENEOS監督に復帰する大久保監督は敵将となるが、さらに成長してもっともっと“恩返し”する。 (小原栄二) ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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