「睡眠の質が高い人」は日中これだけ歩いている

アメリカの学術誌が研究結果を発表

移動量と睡眠の質の関係は?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

日中に歩く量を増やすと、夜によく眠れるようになるかもしれない――。そんな気になる研究が学術誌『スリープ・ヘルス』で発表された。これは歩きと睡眠の相関について調べたもので、きちんとした運動でなくとも体を動かしていれば、いい睡眠につながる可能性があることが示されたという。

睡眠と運動の専門家たちは以前から、身体的な活動と睡眠との相関に関心を寄せる一方で、想定外の結果に困惑させられることもしばしばだった。両者の相関など当たり前だと一般人は思っているかもしれない。トレーニングをして疲れれば、夜はよく眠れるというわけだ。

運動が睡眠に与える影響は

だが過去の複数の研究を見る限り、運動が睡眠に与える影響はそう単純なものではない。あまりに激しいトレーニングをすると相対的によく眠れなくなるという研究もある。激しい運動は眠りを妨げる可能性があるわけだ。

逆に睡眠が運動に影響を及ぼすこともある。よく眠れなかった次の日には、多くの人がいつものトレーニングが通常よりつらいと訴える。また、運動のタイミングは睡眠に影響を及ぼすのか、及ぼすとすればどのようにか、午後の運動は夜の眠りをよくするのか悪くするのか、といったテーマについても、過去の研究は相反する結果が出ている。

こうした過去の研究の多くは、計画的に行われた運動を対象としており、もっと偶発的な日常の身体活動について調べたわけではない。また、調査対象となったのは主に、不眠症など睡眠の臨床的問題を抱えている人々だった。

日中、きちんとした運動をしない(それも普段からかなりよく眠れている)人々が歩く距離を増やした場合、眠りに影響は出るのかどうかはほとんどわかっていなかった。

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  • AJRAbdebf3631e11
    私は、損害賠償請求を地裁に起こして、判決が出るまでに丸三年以上かかりました。その間、どうやっても眠る事が出来ず、睡眠導入剤を服用しても全く効果出ませんでした。
    ふとした想いから、運動(ただ歩くだけ。)を取り入れてみてはどうかと思うようになりまして、(裁判沙汰で脳はとても疲れているので、)身体も疲れさせれば、安眠とは言わないまでも、睡眠時間が長く保てるのではないかと考えました。そう思って、即実行して、かれこれ4年以上経過しています。今では、普通にジョギングができるようになり、一日3時間以上トレーニングしています。

    それでも、眠れない日が時々ありますが、(そう簡単に安眠なんて出来るはずがない。)眠れなかった日の翌日ほど、いつも以上にトレーニングしようと努力しています。
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    2019/11/21 09:43
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