@chablis777
シャブリ

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丸熊陶業に新しい人たちがやって来ました。
作業場は 上で その奥に窯があります。
(池ノ内)どっちやろ?(磯貝)こっちちゃいます?
(深野)キュウちゃんも ほら。(喜美子)はい。
(池ノ内)キュウちゃん。キュウちゃん!はい すいません。
東向いて笑て食え!(一同)ハハハハハ…!
(一同)ハハハハハ…!
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
(西牟田)あの若い3人事業拡大のために呼ばれたんやろ?
(黒岩)それ 事業拡大やのうて人員整理ちゃうけ?
人員整理?古い陶工は 辞めさせられるかもしれへん。
古いいうか 年寄りな。
(田原)年寄りて… どっからどこや?
こっから そこや。ああ? そっから ここやろ。
わしも入るんけ!?
事業拡大は 商品開発や言うてましたよ?
(敏春)失礼します。
紹介に回らしてもうてます。(八重子)あ~ はいはい。
新しい社員です。(八重子)へえ~。
(一徹)藤永一徹です。
京都の大学で 美術工芸を学び奈良市内の陶器会社に就職そこでは 企画開発を担当しておりました。
今回 社長さんに誘われ…。社長やないで。
あ…。(八重子)フフフ… 若旦那。
若旦那さんに誘われて こちらに来ました。よろしゅう頼みます。
(八重子)お願いします。よろしゅう頼みます。
え~ 津山秋安いいます。
生まれも育ちも大阪で大阪の工業大学を出て大阪の建造物の技術開発に携わりそのあと 大阪の建築資材研究所の研究員をやっておりました。
まあ そういうわけで大阪には詳しいです。
何でも聞いて下さい。よろしゅう頼んます。
(緑)お願いします。(敏春)よろしゅう頼みます。
十代田八郎と申します。あっ!
僕も若旦那さんに誘われて来ました。(笑い声)
大阪からね。あの よろしいですか?
ああ どうぞ どうぞ。
僕も大阪出身です。京都の美術大学で陶芸の奥深さを知り卒業後は学生に陶芸を教える手伝いをしながら働き口を探しておりましたところこちらを紹介されてやって参りました。
ここ信楽でもの作りするんを楽しみにしております。
よろしゅうお願いします。(八重子)お願いします。
よろしゅう頼みます。
ほな 行こうか。はい。
(八重子)ご苦労さんです。失礼いたします。
大阪には 詳しいです。 まあそういうわけで 何でも聞いて下さい。
よろしゅう頼んます。よろしゅう頼みます。
(拍手)
ええよ?や… はい…。
どないした。
あ… いや…。
はよ 名前。
十代田八郎と申します。よろしゅうお願いします!
ええか? しまいやな?
あ… いや…。
作業してはるところお邪魔してすんません。ほな 失礼いたします。(一徹 秋安)失礼いたします。
はあ…。
(秋安)十代田君!はい。
ここや。
ほな ここで君らには 新しい自社製品の企画開発を担ってもらいます。
今の丸熊陶業の主力商品である火鉢とは全くちゃうもんを考えてほしい。
生活用品 言うてはりましたね?
そや。けど もっと発想を広げてくれてもええ。予算も取ってあるし必要なもんがあったら言うてな用意するさかい。
期待してるでえ。
頼むな。はい。はい。 ありがとうございます。
はい。
(秋安)…にしても 暑いなあ。(一徹)暑いなあ。
あっ お茶いれましょか。(一徹)おおきに。
やります やります。ああ ほんま? ありがとう。
(信作)ほな ええですか?ああ ああ ああ。 ええよ。
お知らせ! 貼らしてもらいます。(八重子)そこに貼っといて。
おう 信作~。おう。
あ~ 喜美ちゃん!(緑)あ~ 喜美ちゃん!
ご苦労さまです。(緑)お疲れさま~。
ちょっ ちょっ ちょっ…。えっ?いいよ もう~。
新しい社員さん 来やったな。そっちに挨拶あった?
はい。ア~ハハッ! ええ感じの人いやった?
喜美ちゃんは絵付けしか目に入らんやんなあ?
ううん… もう! たまにはなここで 新しい社員さんと一緒におしゃべり… もう!
痛い痛い 痛い痛い…。八重子さん!
もう そんな はしゃがんと帰るで。あ~ ほんまや ほんまや。
ほな お先。ご苦労さまですぅ。
しっかり気張りや。(笑い声)
ほな お先です。(信作)どうも。
ほなね。お気を付けて~。は~い。
息止まるか思うたわ。えっ?
何枚貼るん?ようけあんねん。 4~5枚並べたる。
おう。
そや お母ちゃんが信作にも謝っといてほしいて…。
ああ あれな。
いや~ おばさんのへそくりやったとはな。
迷惑かけてごめんなあ。割れたお茶わん 元に戻った?
うん 戻った戻った。おやじ へそくりの出どころが分かってよっぽど安心したんか一人で飲みに行ってしもて。
ああ お父ちゃん 今 東京でおらんからな。ほや。
ほんで 一人で酔い潰れて。俺 迎えに行ってん。
珍しいな。うん…。
もう行ったら ぐでんぐでんや。
足元もおぼつかへん。しっかりせえ言うても よう歩かんし。
しゃあないから しょったってん。
お前さ しょったことある?お父ちゃん? 無理無理。
うちは自転車の後ろにくくりつけて…。ああ そやった そやった。
途中で落ちるけどな。途中で落ちて転がって「喜美子~!」言うて怒って走りだすようできてんねん。
ええやんけ それも。俺は 昨日 しょったった。
初めてや…。初めて おやじを背負って歩いた…。
♪~
子どもの頃熱出して よう おやじにしょわれて病院行ったん思い出してな…。
それが今や 背負う方になったんやな。
おやじは あんま変わらへんこっちが変わった…。
いつの間にか こっちがな…。
失礼します。あ…。
あ… やりましょか?
ああ…。前 ここで働いてたんです。すいません。
教えときましょか。はい。
これが ここ。 ほんで これは ここです。はい ありがとうございます。
新しい人?
あ はい。へえ~。 ええな 若い人。
あ… でも 同じぐらいちゃう? 何年?いのししです。
年上や…。何年ですか?
うしです。ほな こっちが 2つ上ですね。
そうですね。そうですね。
終わりか?もっと話したらええやん。
友達いいひんから 友達なって下さい言うとけ。
あ… 火まつり知ってます?
火まつり?
こ… こっちの人やないんですか?
たいまつ担ぐんです。へえ~。
また終わりか。
見つめ合ってんともっと詳しい説明したらんかい。
あの 火まつりいうんは火の神様に感謝する信楽ならではの夏祭りです。
焼き物作りに火は欠かせへんでしょう?
火ぃは神様が人間に与えてくれたものやから心から感謝して たいまつ担いで山の上の神社に奉納するんです。
ここで そんな祭りが…。はい。
僕は ここが好きで ここ 信楽の土が火ぃで焼き上げた時にちょっと ざらざらしてる感触が…。
分かります。 ちょっと ざらざら…こう 洗練されてないいうんかな…?
素朴な感じ。素朴 それや! 好きなんです。
うちも好きです。何や ずるいな2人で。
俺も好きです 信楽焼。
無理すんな。アッハハ…。
まあ… 生まれ育ったとこやから俺の場合 特別な思いはないわなあ。
あの…?あっ 川原です。
川原さんも ここの人やないんですか?
もともとは 大阪です。9歳の時に こっちに来ました。
そうですか。はい。お父さんのお仕事か何かで?
借金取りから逃げてきました。
えっ?(笑い声)
ほな また 戻るわ。
自己紹介の続きやりぃ名前 まだ言うてへんのちゃうん?
あ…。あっ すいません ちょっと堪忍な。
これ 今度 直してもええですか?気になる~。分かる~。
すみません。すんません。
あ~ 直してもろたらええですよ。こいつ 手先器用なんで。
絵付係にいるんで また来て下さい。ああ… ほな お願いしようかな。
ハハハ… ほな待ってます。(八郎)はい。
ほなね。おう。
(和歌子)世代交代や。若い世代に譲りなはれ。
(秀男)なんも 譲らんとは言うてへん。
大体 船頭が2人いたら山登ってまうで。加山さんも困るなあ。社長2人は いらんわなあ?
(加山)いや…。
敏春さんに任したらええやん。
ほんでうちらは もう悠々自適でええやん。
ああ ああ ああ ああ ああ。腹立つのお!
ほらほら 晩ごはんの支度~。
(照子)お父ちゃん…。ほんま腹立つわ。
敏春さんは お兄ちゃんとは違うねんで。
敏春さんは 敏春さんや。
お兄ちゃんの代わりにするのは…やめよ。
やめよな?
あ… そや。 そや そや そや。
この辺に置いたった… あっ これや これ絵付けのデザイン。
敏春さんは このデザインを次の火鉢に採用したい言うてはる。
ああ。敏春さんの話も聞いてあげて下さい。
まあ そら絶対あかんいうことはないけど…。
えっ ええの? ほな この新しいデザイン採用してあげて。
それ 誰が描いたか知ってて言うてんのか?
えっ?
・喜美子~!
喜美子!うん?
何や?
誰のデザイン?
うち。 うちの考えたデザイン…。
採用されたで!新しい絵付け火鉢のデザインや!
えっ…?


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