香港デモで逮捕の日本人大学生“なぜ捕まったのか分からない”
抗議デモが続く香港で、警官隊とデモ隊の激しい衝突が続く大学に行き、逮捕された日本人の大学生。20日未明、釈放された直後、JNNの単独取材に応じ、その一部始終を語りました。
「こっちは何もやっていないんですよ。石も投げていませんし、ただ見に行っただけなのに」(東京農業大学3年 井田光さん)
20日未明、釈放された直後、JNNの単独取材に応えた東京農業大学3年の井田光さん(21)。17日夜、デモ隊と警官隊の衝突が続く香港理工大学の様子を見に行き、逮捕されました。
Q.(理工大の)中に入った?
「入りました。出ようとしたら捕まって・・・。入ったときにちょうど、催涙弾を撃たれたんで、(ガスマスクを)つけさせてもらいました」(井田光さん)
香港には「観光の目的」で訪れたと言いますが、日本で香港の状況を知り、「見たい」という気持ちが芽生えていたとも明らかにしました。
「人が撃たれたりとか、これは完全に不当なもので、国のあり方が間違っていると思うので、それで見たいとは思いました」(井田光さん)
逮捕された際の状況については、「ほかのデモ隊と一緒に警察に押し倒され殴られた」と主張。一方で、「警察署では手荒なことはされなかった」とし、「一緒に捕まったデモ参加者を早く釈放して欲しい」と訴える場面もありました。
「暴動と言われたんですよ、罪は。捕まった経緯としては、囲まれて帰れなくなって、記者が出る場所にいただけで、僕も分からない。何で捕まったのか。(一緒に拘束されていたのは)ほとんどが未成年。10、16歳とかそういう人たちが多くて、その人たちも結構、血だらけだったりしていた」(井田光さん)
井田さんにけがはなく、総領事館からは、「起訴されることはない」と伝えられたと明らかにしました。
香港理工大学では、井田さんが逮捕された翌日の早朝、デモ隊と警官隊の間で激しい衝突が起き、多くのけが人が出ました。その後、大学に立てこもっているデモ隊の数は縮小していますが、警察が大学を包囲し、緊張は続いています。