[PR]

近現代史研究者・辻田真佐憲氏

 かつて評論家の福田恆存(つねあり)は「保守」について、「横町のそば屋を守ることだ」と例えた。安倍政権は、よく保守政権だと評される。ならば、いまの安倍政権は「ビルになったそば屋」だろう。1階がそば屋、2階より上が貸部屋。そば屋でイデオロギー的な側面を保ちつつ、貸部屋を収入源とするリアリズムの面を新たに身に付けたと言える。

 第1次政権はイデオロギー一色の「老舗のそば屋」だった。安倍晋三首相は著書「美しい国へ」を出版し、教育改革もやった。

 だが、第2次政権でビルに建て…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら