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和牛オーナー訴訟、「リスクゼロ」と推奨の海江田前民主代表出廷 「リスクゼロこそ最大のリスク」と主張
衝撃事件の核心更新平成23年に経営破綻した安愚楽(あぐら)牧場の和牛オーナー商法について、海江田万里・民主党前代表(66)が経済評論家時代、「リスクゼロ」「元本保証」などと雑誌や書籍で紹介したため投資して損害を被ったとして、投資家30人が海江田氏に約6億円の損害賠償を求めた訴訟の第18回口頭弁論(谷口園恵裁判長)が29日、東京地裁であった。海江田氏の本人尋問が初めて行われ、海江田氏は「記事執筆当時と安愚楽破綻時の経済状況は全く違う上、記事中でもリスクは指摘していた」などとし、責任を否定した。(小野田雄一)
この日は投資家6人の尋問も行われ、破綻までに数千万円を投資した男性投資家は「評論家・政治家として著名な海江田氏が『元本保証』などと紹介しており、間違いはないと思った。海江田氏のサイトには大きく『無私』と書いてあるが、海江田氏は法廷にこれまで一度もこなかった。被害者からすれば別の意味で『無視』だ」などと述べた。
女性投資家は「投資金は将来の子供の教育費として使おうと思っていた。あのお金があれば、英会話などの習い事や、子供が将来、留学に行きたいと言ったときに送り出せてやれたはず。海江田氏は責任を認め、お金を返してほしい」などと訴えた。
一方、海江田氏は「記事中には倒産リスクを指摘したものもある上、倒産リスクは『言わずもがな』のため書かれていないものもある」▽「記事化に当たって調査は行ったが、雑誌記事は私が情報提供して、雑誌側が私の名前で記事化していた。『リスクはゼロ』などは雑誌が勝手に“見出し”としてつけていた」▽「国会議員になってからはむしろ、『リスクゼロこそ最大のリスクだ』などと注意喚起していた。証券会社や銀行が破綻するなど、記事執筆当時とは状況が全く変わっていたのに、国会議員時代の発言を聞いてもらえなかったことは残念だ」などと話した。また、記事に対する安愚楽牧場側からの報酬は「一切もらっていない」と否定した。
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