今週はルールのお話です。みなさんはラウンド中、ティーショットなど打ち終えた後の同伴者に「今の何番」と聞いたことはありますか。実はこれ、ルール違反です。聞いた方も、教えた方も2罰打を受けます。ただし直接聞かずに、バックをのぞくなどして使用クラブを確認するのはOKです。
ちょっとばかげているかもしれないけど、これがルール。アマチュアでも知っている人は多いはずです。しかし、先日の米女子ツアーの来季出場権をかけた予選会の最終予選6日目、ベテランのクリスティーナ・キムと回っていたケンドール・ダイ(ともに米国)とデューイ・ウェバー(オランダ)の2人がこのルールに違反しました。
17番パー3で、ダイがウェバーのキャディーにクラブを確認するのを、キムは一部始終を見ていた。スコア提出前に指摘し、2人に2罰打が科された。驚いたことに2人とも、そのルールを知らなかったと言うのだ。違反を認めて罰打を受けたが、問題はここから。
キムが「ゴルファーなら、お願いだからルールは知っておいて」とツイートした。実名は伏せられたが、すぐに2人の名が知られることになった。これに反応したのがダイ。「私は10年もプロをやっているが、こんなやりとりは何度も見てきた。ルールを知らなかった私が悪いが、何も公表しなくても」とキムを責める発言をしたのだ。
これには賛否両論が続出しているが、いやいや待ってくれ。プロとしてなんとも恥ずかしい話ではないか。彼女たちはこれまで何回違反を重ねてきたのだろうか。大事な予選会でキムに迷惑を掛けたのは2人の責任だ。現在の事情を考えると、ツイートは止められない。キムが責められるのはお門違いだ。ルールはちゃんと知ってほしいと切に願う出来事だった。 (全米ゴルフ記者協会会員)=毎週水曜日掲載