最近の中国ではモノではなくサッカー選手の「爆買い」が起きています。
自国でのサッカーリーグに注力する中国では、サッカーに対する盛り上がりが上昇しているのです。
それを受け、日本にもスポーツ観戦に来る中国人が増加するかもしれません。この記事では中国のスポーツ動向と、スポーツがもたらすインバウンド誘致への影響について解説します。
中国の人気スポーツランキング
オリンピックをはじめ、さまざまなスポーツイベントで存在感を示す中国では、どのような選手育成の方法を取っているのでしょうか。国が違えば国内で人気のあるスポーツも違います。中国で人気のスポーツを知って、日本誘致に繋げていきたいところです。
まずは人気スポーツランキングを見ていきます。
ランキング
2016年6月に中国メディア内で発表された好きなスポーツランキングによると、上位5位までは下記の通りです。1位 バスケットボール
中国においてバスケットボールは卓球と同じくらいポピュラーなスポーツで、放課後にバスケをする若者も多くいます。
2位 サッカー
サッカーリーグがあり有名どころの外国人選手を呼び込むなど力を入れており、熱狂的なサッカーファンも多く存在しています。
3位 卓球
オリンピックで中国といえば卓球というイメージがあるほど、やはり中国でメジャーなスポーツのひとつとなっています。
4位 体操
体操王国でもある中国で、体操の人気は卓球などと同じく高いものと言えます。オリンピックでメダルを取る回数も多く、オリンピック選手に憧れを抱く若者も多いでしょう。
5位 バトミントン
休日に公園などでバトミントンを楽しむ中国人も多いようで、中国では盛んなスポーツとして親しまれています。
中国のスポーツ教育
中国の学校では、体育の時間に球技などの運動をほとんどしないため、スポーツは外部のクラブチームなどで学校教育とは別に取り組むのが一般的です。
才能がある子であれば、学業よりも「早期体育専門訓練」と言われる科目が優先され、スポーツをする人でも基礎教育を大切にする日本とは異なる教育体制です。
「早期体育専門訓練」とはオリンピックを目指す子どもの筋肉をつけ、試合の技を身に付けるための訓練であり、さらに競技中の集中力を養うための訓練なども行われます。
これらの訓練にかかる費用は国負担で、オリンピック選手を育成するために中国が力を入れる国家事業となっています。
中国のサッカー事情
以前から中国で人気の高いサッカーですが、近年の中国経済の急成長もあり、サッカー熱は急激に高まっています。特に盛り上がりを見せるのが中国のスーパーリーグで、有名外国人選手を積極的に呼び込むなど大規模な「爆買い」に力を入れています。
ここでは、あまり知られていない、中国のサッカー事情について解説します。
外国人選手の帰化
2019年8月時点で9人が帰化を申請するほど、中国のサッカー界は外国人選手の獲得に力を入れており、2022年開催のワールドカップ出場を目指しています。その際は、代表選手のほとんどが外国人で構成されるかもしれません。この場合の帰化とは、外国人が中国の国籍を取得することを指します。中国代表はこれまで中国になんらかのルーツを持つ外国人選手を招集してきました。
2019年には、初めて中国にルーツを持たない選手の獲得がなされました。
フランスやドイツなどでは帰化選手というのは珍しくなく、中国のサッカー界でも帰化選手の登録によって、今後の中国サッカーの動向が注目されることになるでしょう。
スーパーリーグの「爆買い」
昨今サッカー界で話題になっているのが、中国による「爆買い」です。中国のスーパーリーグ、日本でいうガンバ大阪や川崎フロンターレなどのサッカーチームは、超高額のサラリーを出して有名選手を獲得しています。
その額は上位選手で10億円以上と、移籍に力を入れる中国サッカー協会の姿勢がうかがえます。すでに中国移籍を決めた選手たちを紹介します。
- ムサ・デンベレ
ベルギー代表のデンベレは、もともとFW選手でしたがMFにポジションが変わるなどし、主力として活躍する選手です。今回中国の広州富力といわれるチームに加入しましたが、それまではトッテナムで活躍していました。
- サンドロ・ワグナー
ワグナーはFWの選手でドイツ代表であり、最終的にバイエルンと呼ばれるチームで活躍していました。そこから中国のチームである天津泰達に移籍し、今後の活躍が期待される選手です。
- マルアン・フェライニ
ベルギー代表のフェライニは、マンチェスター・ユナイテッドで活躍していたMFポジションの選手です。プレミアリーグで14試合に出場し、チャンピオンズリーグでも5試合に出場し1ゴールを記録するなど実力のある選手で、中国の山東魯能チームに移籍しました。
スポーツでインバウンド誘致
日本に興味のない外国人でも、スポーツの祭典が日本で開催されることをきっかけに日本を訪れ、日本を気に入ってリピーターになってくれる、などスポーツでのインバウンド誘致が注目を集め始めています。スポーツで外国人観光客を呼び込むにあたって、知っておくべきことについて説明します。
スポーツツーリズム
スポーツツーリズムとは簡単に言えば、スポーツに関連した旅行や観光のことです。スポーツイベントを目的として現地に行くという新たな旅の魅力に着目することは、訪日外国人のさらなる誘致に繋がる可能性を秘めています。
スポーツの与える影響は大きく、選手や観客を含め、その競技にかかわるすべての人に一体感を生み出すことができます。
そしてその感動や一体感は旅の満足度を上げることに繋がり、リピーターの定着をもたらすという展開が期待できます。
スポーツツーリズムには観光とは違った良さがあり、今後の取り組みを強化することで、インバウンド誘致の起爆剤となる可能性があります。
東京オリンピック2020
来年度に迫る東京オリンピックに向けて、日本のインバウンド誘致が加速しています。最終的に2030年までに訪日観光客数を6000万人にするべく、政府は様々なビジョンを掲げています。ビザの緩和や免税制度の拡充などの施策により、外国人の受け入れ態勢は以前に比べて緩和していると言えるでしょう。
東京オリンピックの開催がインバウンド誘致の加速に影響しているのはもちろんですが、そのほかに、世界的に見ても海外旅行がしやすい傾向にある点も注目したいところです。
アジア諸国の経済成長により、海外旅行者が増えたことや、LCCの普及による飛行機料金の低下が、インバウンド旅客の増加をもたらしているのです。
東京オリンピックをきっかけに、日本は更なるインバウンドの拡充を目指しており、今後もインバウンド需要は増え続ける見込みです。
まとめ
中国はサッカーファンが多く、自国で開催されるサッカーリーグでは巨額の資金を投資し有名外国人選手を招集しています。今後、中国のサッカー熱の加速により、観光ついでに日本のサッカー観戦に訪れる中国人も増えてくる可能性があります。
東京オリンピックの開催も目前に控え、スポーツを通じてのインバウンド誘致がポイントとなるでしょう。
スポーツでのインバウンド誘致を成功させるには、地域に根付いたスポーツを訴求するといった、新たな取り組みがカギとなるでしょう。



