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夫婦別姓禁止に「合憲」判決 広島地裁が賠償請求を棄却

2019/11/19

広島地裁

 夫婦別姓を選べない民法などの規定は憲法が保障する法の下の平等に反するなどとして、広島市南区の医師恩地いづみさん(63)が国に50万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、広島地裁の小西洋裁判長は19日、「合憲」との判断を示し、請求を棄却した。

 審理では、恩地さんは「夫婦別姓を希望した場合、法的権利や社会的な承認を受けられないのは信条の差別に当たる」と訴えた。国側は「夫婦同姓を希望する場合も別姓を希望する場合も同じ取り扱いをしているため、不平等は存在しない」と反論。「現在の制度は社会の多数が受け入れており十分に合理性がある」と主張していた。

 夫婦別姓を巡っては、最高裁が15年、選択的夫婦別姓制度を認めない民法の規定が違憲かどうかが争われた訴訟の上告審で「家族が同じ姓を名乗るのは日本社会に定着している」などとして「合憲」の初判断を示した。一方で、3人の女性裁判官全員が「別姓を全く認めないことに合理性は認められない」などと意見を述べた。


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