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【東京】

原告「望めばかなう社会に」 夫婦別姓訴訟で請求棄却 判決不服、控訴の方針

支部に入る原告ら=東京地裁立川支部前で

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 夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は憲法が禁じる「信条による差別」に当たるなどとして、都内の事実婚の男女六人が国に一人当たり五十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁立川支部は十四日、「憲法に違反しない」として請求を棄却した。原告のカップルの一組で、事実婚の関係にある国分寺市の四十代の男女は「夫婦別姓を望めばかなう社会であってほしい」と率直な思いを打ち明けた。 (竹谷直子)

 二人は二〇〇一年に「互いの姓のままでいたい」と事実婚。〇二年に長男が生まれる際、事実婚だと一方しか親権が持てず、婚外子になることを考え、一時的に婚姻届を出し、出産後に離婚届を提出。双子の息子の出産時も同様にした。

 共働きで配偶者控除などに関する不利益は感じなかったが、手術の同意など万一の場合を考えると「家族として対応できる保証がない」と不安が募った。

 ともに四十代を迎え、老後に向けたリスクも考えるように。昨年二月、婚姻届の「婚姻後の夫婦の氏」欄にある「夫の氏」「妻の氏」の両方にチェックを入れ、「夫は夫の氏、妻は妻の氏を希望します」と明記し、市に提出した。だが、受理されなかったため「夫婦別姓が認められる社会につなげたい」と提訴に踏み切った。

 判決後、男性は「実際に起きている不平等に目を向けてくれていない」。女性は「他の夫婦や家族と変わらない生活をしているのに、法的には夫婦として認められない。悲しさ、むなしさを感じる」と唇をかんだ。

 原告側は判決を不服として控訴する方針。榊原富士子弁護団長は「大変がっかりしたが、あきらめない」と話した。 

 

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