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来日して初めて暮らした広島の街を再訪する東山彰良さん=佐々木亮撮影
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 「広島の情景はいやに鮮明で、驚くほどみずみずしい」と、作家の東山彰良さん。台湾に生まれ、6歳になろうとするころに来日して最初に暮らしたのが広島の市街地、元安川と太田川に挟まれた一角だ。朝日新聞西部本社版に連載中の旅エッセー「東山彰良のTurn! Turn! Turn!」の取材で、四十数年ぶりの再訪に同行した。

 かつて住んだアパートはマンションに姿を変え、商店街も代替わりが進んでいた。東山さんのお父さんが当時書いた文章や川の流れも手がかりに、記憶をたどり、あのころ歩いた道をゆく。

 川を渡り、かつて通った保育園を訪ねると、現在の園長先生たちが笑顔で迎えてくれた。東山さんのクラスの卒園写真が大切に保管されていた。

 写真の中の少年は、ちょっとはすに構え、強い目でこちらを見つめていた。