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 36人が犠牲になった京都アニメーションの放火殺人事件から18日で4カ月。「同じ京都にある京アニの力になれないか」と、京都市下京区の市立七条中学校の生徒たちが今月、地域のイベントで、バザーを企画した。生徒会が全校生徒や保護者らに出品を呼びかけ、衣類や本など約800点が寄せられた。売り上げや寄付の全額を近く京アニに届ける予定だ。

 七条中は毎年秋に恒例の「下京区ふれ愛ひろば」に参加し、例年、生徒会が子ども向けの遊び場コーナーを設置。今年は10月初旬、生徒会の発案で遊び場に加え、京アニを支援するバザーを開くことを決めた。

 企画した前生徒会長で3年の北村颯大(そうた)さん(15)は「個性を大事にしながら、人と人とのつながりの大切さも教えてくれる京アニ作品をよく見ていただけに、事件はショックだった。何か応援したいと思い、バザーなら全校生徒が参加できると思った」。

 10月下旬には全校生徒が道徳の授業で、京アニ制作の映画「リズと青い鳥」を鑑賞した。高校の吹奏楽部を舞台に思春期の生徒たちの葛藤や友情を描いた「響け!ユーフォニアム」の関連作品だ。その直後から生徒や保護者に出品物を募った。

 紙袋いっぱいの衣類を持ってきた生徒や、段ボール箱に本を詰めて運んできてくれた保護者もいたという。趣旨に賛同した地域の人たちも協力してくれた。北村さんは「予想以上に集まった」と話す。

 バザー当日の今月10日は、生徒会のメンバーら約15人が参加。生徒たちは「京アニへとどけ! 七中生のおもい!」「またいい作品つくってください」「京アニの作品大好きです!」と書いた寄せ書きも会場に掲げた。募金箱も会場に準備し、来場者にバザーへの参加と寄付を呼びかけた。

 3年の上村琴葉さん(15)は「京アニ作品は、見る人に勇気を与えてくれる。少しでも京アニの復興の力になれればうれしいです」。イベントに来た同校の卒業生の女性(61)は「後輩たちが京アニを応援しようとしているので募金した。いい取り組みですね」と語った。

 バザーの売り上げは4万8812円、寄付は6万1214円。計11万26円の全額を今後、京アニに届ける予定という。(小林正典)