アマゾンの「日本観」
アマゾンは日本をどう見ているんでしょうか。
堀埜氏:日本は現金社会だと思ってるんですね。先んじて一気にキャッシュレスが進んだ中国と違って、まだ現金は残るだろうと想定している。確かに日本は現金志向が強い。さらにキャッシュレス決済でいろいろな混乱もあって、確信したんちゃうかな。日本は現金だと。
それで、現金のお釣りを、ネット上で使えるギフト券に変える仕組みを持ち込んだ。
堀埜氏:現金を入り口にして、キャッシュレスに持って行こうというのがアマゾンの狙いでしょうね。タンス預金を狙ってるんでしょう。(お釣りをギフト券にすれば)アマゾンで使える電子マネーとして残る。アマゾンにたまっていく。うちはチャージ機ですから(笑)。彼らは本当に賢い。
社長は日本の現金社会が今後、どうなると思いますか。
堀埜氏:日本では現金とキャッシュレスに二分化するんでしょうね。恐らく。若い人と年取った人、都市と地方。どういう使われ方をするのか。日本はまだクレジットのほうが多いだろうと思う。交通系はもっと伸びるかと思ったけどちょっとそうでもない。
キャッシュレス決済時に徴収される手数料の負担は、経営者としてどうとらえていますか。
堀埜氏:(キャッシュレス比率が)100%にはならないんでペイはするんですよ。(決済額の)3%を(手数料として)払って、5%収入が増えればそれでいいですから。だからそのタイミングがいつ来るかなんです。
本格的に導入するとすれば、キャッシュレスを入れたことによって客が増えるタイミングですね。
堀埜氏:そう。そろそろ近いですよ。
そろそろですか。
堀埜氏:うちもSC内の店舗ではキャッシュレス化に対応していています。でもあんまり影響はない。キャッシュレスで払うお客さんは多くないんです。なぜかというとSC内の店舗で支払うのは奥さんだから。家族で食事をして、財布を握っている奥さんが払う。
でも、キャッシュレスを使っているのは男性じゃないですか。つまり、キャッシュレスを入れることによって増えるのは男性1人客です。
そのためにいろんな準備をしている。ランチのピークが大きくなることもあり、商品の設計からすべて変えなきゃいけませんから。で、食器なんかもどんどん軽くしたり割れないようにしたりしています。
レジ周りだけでなく、いろいろと関係してくるんですね。
堀埜氏:そうです。総合なんです。
コメント9件
YS
サイゼリヤはよく行くのですが、経営の心配りが凄いと感心していました。「これをこう注文して、こういう方法で支払って得をしよう」ということで悩むことなく、そうした点でわかりやすい価格設定で食事を楽しめるようにしてあります。たとえば、2倍盛りのパ
スタの価格は2倍の価格ちょっとマイナスですし、グラスの2倍の量のデカンタワインの価格は2倍の価格ちょっとマイナスです。ちょっとしたサイドメニューはちょっとした価格で出されています。支払いも現金でポイントだのなんだのに煩わされることがないです。よくあるプライシングの逆張りの経営戦略ということになるのかもしれませんが、そんな細かい分析はしなくても、何となくそう感じてよく使うリピーターは多いと思います。どういう方が経営をされているのか気になっていたのですが、今回は一端を垣間見させていただき、とても勉強になりました。...続きを読むBANDIT
このような方が本当の経営者ですね。経営ポリシーがはっきりしている。細かい事は言わないが、方向性をきっちりシミュレートしている。
z
無職
>>現場の負荷を下げていくことを常にやっていかないといけないのに、その上キャッシュレスまで入れたら大変です。
こういう会社で働きたいわー
H Imagine
会社員
そういえば、サイゼリヤはポイントカードもないですよね。社長の言う、いつ始めるか?を注視したい。
7.11 Tactical
いやいや、あのですね、クレカさえ使えない店ばかりだから、そもそもキャッシュレスな人は行かないんですよ。私もそうですがマイルなりポイントなりをインセンティブにほぼ100%キャッシュレス化した人は現金で支払うと凄い損した気になって気分が悪い。だ
からサイゼリヤはそもそも行かないんです。だから影響として見えて来てない。その機会ロスがこの社長さんには見えていない。...続きを読むコメント機能はリゾーム登録いただいた日経ビジネス電子版会員の方のみお使いいただけます詳細
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