※写真多くて長いです。んで、ここでやってるようなのもトーンマッピングというのかというと、そこらへんは突っ込まないでください(笑)。
「HDRを作るには、従来は複数のRAWデータが必要」とかいうウソを言ってるPhoto ReColorとかいうレタッチソフトがある。
HDR合成をできないし、RAWを扱うこともできないことをこんなふーにごまかしてるんで、私は大嫌いなのだ。
が、製品そのものは、レイヤーを使えるふつーの高機能レタッチソフトだ(GIMPのほうがいいように思うけど)。
モノはある程度まともなんだから、宣伝もまともにやればいいのにと思うが……そのレタッチソフトのトーンマッピングの具合をみてやろうと思った。
試用版を入れてのテストだ。
原版は横2300のものを使う(でかいと作業に時間がかかるから)。
まずはGIMPでやってみる。
これはプラマイ1とプラマイ3の4枚を加算平均で混ぜたもの(色が薄いのは仕様。露出差のある写真の加算平均合成は色が浅くなるのだ)。
これを強調してみよう。
パイソンフーのDynamic range compressionでトーンマッピング処理。
レイヤーを複製してAdaptive Contrast Enhancementでローカルコントラストを上げる。
チト強すぎるので、不透明度を70パーセントにし、背景を複製して上に持っていき、色で重ねて彩度アップ。
このもにょもにょした気持ち悪い調子、すばらしい♪
このDynamic range compressionとAdaptive Contrast Enhancementの組み合わせは、ぜひ使ってほしい(まあ、Dynamic range compressionはなくてもいいけどね。なんとなくにじんだようになるし……それも独特の味だと思うけど)。
できたもの(ノイズ除去して縮小してる)。
次はフォトショでやってみる。
今回使うのは玲子ちゃんじゃなくて、メンツの二郎兄さん(エレメンツも兄弟が増えて、ウルトラ兄弟か仮面ライダーみたくなってきたよな)。
Lucis Artで強調したのを重ねて(重ね方にはコツがあるのだが、めんどいので書かない)、GIMPの場合と同じように彩度アップ。
細部のコントラストが上がりすぎるんでヘンなところもあるんだが……キリッとした端整(?)な調子、すばらしい♪
フォトショ版Adaptive Contrast EnhancementとでもいうべきSharpinionでもやってみる。
Sharpinionは色ノイズがひどいので、背景をカラーで重ねて彩度アップした。
これもまた薄汚れたような調子がすばらしい。
Adaptive Contrast Enhancementと同じようなものがフォトショ用に出てこないかなと思っていたけど、Sharpinionが出てうれしい。
Lucis ArtとSharpinion、それぞれできたもの(ノイズ除去して縮小)。
あと、2つを混ぜたもの(笑)。
さて、問題のPhoto ReColorだ。
ツールバーの「HDR」をクリックするとトーンマッピング画面になる(ただ「HDR」とあるだけで、トーンマッピングとは言ってないけどね)。
プリセットがライト、ミドル、ヘビーの3種類ある。
カスタム設定とかいうので、ある程度マニュアルでいじれる。
しかし、こいつのHDRと称するものは、暗いところを明るくとか、明るいところを暗くとか、ただ明るさを変えてくるだけだ。
ぼかしたのを反転してソフトライトやオーバーレイで重ねるのと似てる(GIMPのチープHDRというスクリプトがそれだ)。
つまり、HDRのルックに重要なローカルコントラストの調整ができない(アンシャープマスクでやるかと思ったけど、こいつのアンシャープはむちゃくちゃだ。こんなのアンシャープじゃない。ほかにもヘンなところがあって、正直惜しい。できないなら、そんな機能積まなければいいのに)。
これだけの機能で「HDR」って言っちゃうのはどんなもんだろう。
こんなソフトがあったり、暗いところを明るくするだけでHDRと言っちゃうデジカメがあったりで、日本のHDRはまるっきりデタラメもいところだ。
いや……海外にはそーゆーのがないのかというと……知らんがな。(´・ω・`)
そーゆー状況だから、1枚JPGをいじるだけで「HDR合成してみた」とかいう人が絶えないんだよな(合成してねーだろソレ)。
とにかく画像関係の会社の製品ぐらいはまともな用語の使い方をしてくれ。
ま、今回は最後に処理したカスタムの「オーバー、濃い」と「適正、黒つぶれ」の2枚を採用する。
「オーバー、濃い」の上に、
「適正、黒つぶれ」を30パーセントで重ねて、
その上に、複製した「適正、黒つぶれ」をオーバーレイ。
色もハデになったし、いちおうそれっぽくはなったけど、めりはりがないよな。
レイヤーを統合して複製、それをオーバーレイの50パーセントで重ねるか。
ちょっとは引き締まったろう。
できたもの。
やっぱ、なんかねぼいよな。
いかにも「このあたりブラーマスクかけて落としてます、上げてます」みたいな調子だ。
せめてハイパスでもあればと思うけどないし。
ストロボ撮影のときに背景が暗くなってしまうことがよくあるけど、そーゆーのを救済するとか、そーゆー目的なんだろう(宣伝でもそんなことを言ってるしな)。
やっぱ、こんなのHDRじゃない。
そーゆーわけで、作例がいくつかできたので……全部混ぜる(笑)。
混ぜたのをイイカゲンにレタッチすると、こーなりましたとさ、チャンチャン♪
なに撮ったのかわかんないような写真だから、まあ、こんなもんだ。
おしまい。
※追記:
アンシャープがおかしいってのはこーゆーことだ。
下はオリジナルとフォトリカラーでアンシャープをかけたもの。
たしかにシャープ感が上がってる。
しかし、そもそも設定に「半径」のパラメータしかないアンシャープマスクってなに?
その半径を上げて、20(ピクセル?)にしてみよう。
こんな絵になるのはアンシャープじゃない。
なんか違うことやってるだろうコレ。
というようなことがあるんで、ずっとこのソフトだけを使うのならいいけど、いずれGIMPやフォトショなんかのまともなソフトに乗り換えたとしたら、その違いにショックを受けるかもしれない。
アンシャープってこーゆーふーになるんでしょとか、通用しないよ。
ソフトライトモードもおかしいし、なんかヘンだわこのレタッチソフト。
高機能だけど、あくまで簡易的なものだと思ったほうがよさそうだ。