(9)からのつづき……でもないけど付録です。
最初の(1)で書いたとおり、この記事でオリジナル版として使った露出合成の絵の作り方。
まず位置合わせだが、これだけは(うちの)フォトショではできないのでFusionでやっておく(そのままFusionで露出合成をしてもいいのだが、ゴースト除去ができない……という理由もなくはないが、ほぼ意地である……つか、処理前提の「素材」なのでフォトショでやったほうが楽なのだ)。
適正とプラマイ1、プラマイ2の5枚のズレ修整をしたが全部は使わない。
ゴースト除去の関係で、どれを使うかは作りながら考える。
玲子ちゃん(Photoshop LE5.0)にプラス2のカットを読ませる。
マイナス2のカットを重ねる。
不透明度を50パーセントにする。
つまり2枚を加算平均する(いちおう加算平均も露出合成=HDRのひとつの方法なので文句を言わないように)。
これを統合して別名で保存しておく。
この加算平均の絵が基本となる(というか、する)。
見りゃわかるけど、ゴーストが出てるので、なんとかする。
まず手前の女の子だけど、これはプラス2のカットから持ってくる。
ゴーストの周囲を投げ縄ツールで選択し、少し境界をぼかす。
プラス2のカットからコピペし、レベル調整と明るさ/コントラストの調整で、できるだけ見分けがつかないようにする(予備のレイヤーがあるのは失敗したときに切抜きからやり直さなくてもいいようにという意味。玲子はヒストリーとかがなくて、アンドゥも1回しかできないから)。
差の絶対値にして、周囲(いちおう切り抜くときにぼかしたけど)を50パーセントの消しゴムで消す。
これで、さらに切り抜き合成したところをわからなくする。
消しすぎるとゴーストが出ちゃうので注意。
次にこいのぼりだが、これはマイナス1のカットから同様にして持ってくる。
ちょっと明るさ的にはきびしい部分もあるんだけどしょうがない。
適正だと明るすぎるしマイナス2だと暗すぎる(動体だから部分部分を持ってくるわけにはいかない)。
同じようにレベルと明るさ/コントラストで調整し、消しゴムで範囲を調整(このあとに、動体じゃないところで、暗すぎる部分だけほかのカットから持ってくるというのをやるとさらによい……が、細かいので切抜きがかなりたいへんだと思う)。
今回はこの2か所のゴースト除去をするだけでよさげ。
木の葉とかの細かいところは気にしない(笑)。
写真奥のほうにも人物(=動体)が写ってるが、プラス2とマイナス2ってことで明暗差が大きく、暗いカットのものは事実上出てない。
できたものはこんな感じになるんで、これでレイヤーを統合する(これを背景とする)。
背景を複製して2諧調化。
黒いところを選択して境界を少しぼかし、プラス2のカットからコピペ、30パーセントぐらいで重ねる(不要なところがあったら消す)。
もう1回背景を複製して2階調化し、こんどは明るいところを選択。
なんだけど、正直、ほしいのは雲(空)だけなんで、いらないところはあらかじめ黒くつぶしておくと、あとが楽。
選択したところをマイナス2のカットからコピペして40パーセントで重ねた。
これがいままで使ってきた露出合成のオリジナル版(ちなみに、これは後処理前提だからこのように作ったけど、露出合成だけで見られるものにするには、加算平均ではなく「いいとこ取り」の露出合成のほうがいい。それでもコントラストは落ちるから、なにかいじりたくはなるだろうが……Photomatix Proのコントラストが高くなる露出合成のモードでやればいいと思うが。まあ、加算平均でも、それを自動レベル調整とかをするとけっこうふつーになったりするんだけどね。色は強調するとして)。
できたのは(1)に出してる。
ちなみに、構図が傾いてるのはたまたまであって意味はない(ウエストレベルで撮ってたんでわからなかっただけ。昔のスナップとかキャンデッドフォトみたいだけどね。ノーファインダー撮影とか。女の子も、この構図で撮ってたら公園で遊んで子が入ってきただけ。そもそも子どもの日がすぎたのにこいのぼりってのはめずらしいな、旧暦でやるのかなとか思って撮ってた。今年の旧暦5月5日は6月13日だ)。
全巻のおわり。
女の子の骨折、早く治るといいね。