※この記事は複数の画像の位置合わせ(構図ズレ修整)専門のソフトの紹介記事です。HDRソフト(HDR合成、トーンマッピング)のフリーソフトについては、まとめ記事のほうでたくさん紹介してます。
※星の写真(星野写真)の位置合わせってことで検索できてくれる人がいるけど、フォトショみたいなレタッチソフトで差の絶対値にしてそろりそろりと移動して合わせるとか、どーせちゃんと合わないんだし、なにもなかった時代ならともかく、ばかばかしいからやめたほうがいいです。星の写真に使った場合の作例はこちら参照。
※使い方に関して重要な追記が下のほうにあるので読んでね。
※パノラマ合成用に使ってみました。→追記:パノラマならこのソフトのほうがいいと思う。
※この記事はXPで使ってみた場合での説明です。7や8では操作性などが違う可能性があります(実際、ちょっと違っていたところがありました)。
※HDRやってる人ならわかると思いますが、レンズの向きが変わって(傾いて)構図がズレた写真は修整して重ねられますが、撮影位置(カメラの位置)がずれたものについてはどうやっても重ならないことがあります(右目で見た像と左目で見た像が重ならないのと同じです)。HDRとは無縁のところからリンクされたりしてるので念のため書いておきます。
※写真(画像)が壊れたような感じで上下が(途中で)ズレてしまうということがたまにおこりますが、その現象についてはこちらの記事を参照。
HDR合成をするにしろ露出合成をするにしろ、いまはHDRソフトの自動位置ズレ修整機能が強力なので、手持ちのブラケット撮影でもあまり気にしてはいない。
しかし、どうしても自動では修整がきかないシチュエーションというのもある。
たとえば夜景を手持ちで撮るとかいう無茶なことをやった場合だ。
早いシャッタースピードのカットには明るい照明しか写ってなく、ほかはほぼ真っ黒のため、まず自動位置合わせは成功しない。
Photomatix ProでもFusionでも無理だ(フォトショでは試してない。うちのエレメンツは位置合わせをしたらノンストップで合成してしまう、パノラマ用のフォトマージしか入ってないから)。→14年追記:最新版のPhotomatix Proだとちゃんと合わせてきたりします。
わかっていながらそういう写真を撮ってしまうのもわるいが、これぐらいならだいじょうぶだろうと思ったものがだめだったりで、合成をあきらめたものがけっこうある。
まあ、夜景に限らず、極端に暗いもの、低コントラストのもの、雲ひとつない快晴の青空など位置合わせの目安がないものなどなど、HDRソフトの自動位置合わせが苦手とするものは少なくない(下はFusionの位置合わせ失敗例。ほぼ画像じゃなくなってしまっている。画像が暗すぎるのだ。ま、暗いからというより、明るいカットと暗いカットで同じものが写ってないから失敗するということもある。なので、暗いものだけで位置合わせをするとうまくいくときもある)。
そうでなくとも、(HDRではなく)単に切り貼りで合成をしたいだけというときなどもあるので、位置合わせをした写真を出力できるソフトがあればいいなと思っていた。
しかも、上下左右の平行移動ズレを修整するだけではなく(そんなのはフォトショでもGIMPでもできる)、回転(傾き)まで対応しているものだ。
そして、自動ではまず無理なものでも合わせられるよう、なんらかの方法で、手動でやるものがいい。
これだけHDRが流行っていて、そういうツールというかソフトというか、そういうものがないのだろうか。
探したのだが、どうしてもヒットしない……と思ったのだが、探し方がわるかった。
フォトショのプラグインとかなんとかいう条件をつけたから出てこないのだ。
私のLEやエレメンツはできないが、いまのフォトショは自動整列とかなんとかいうのがついてる。
もともとついてる機能のプラグインがあるわけない。
そこで、探し方を変えたら……発見!
HDR Alignment Tool v2.0というフリーソフト(検索した限りでは日本で使ってる人はわずかみたい←当時は1人しか発見できなかった)。
起動画面(全画面表示にしてる)。
ドラッグ&ドロップでの入力には対応してないので、上のメニューバー左にあるOpenをクリックして写真が入っているフォルダを開き、修整したい写真を選ぶ(専用の作業用フォルダを作っておくといいだろう)。
見てのとおり、いっぺんに3枚までしか修整できないが、その3枚を同時に選択して開くことができる(マウスの左クリックでドラッグ、あるいはコントロールキーを押しながら1枚ずつ選択)。
画像を読み込むと、Lens Correction Moduleというのが起動する。
キャリブレートのタブに切り替えてみた。
これはなにをするものなのかというと、下のようにレンズのひずみ(歪曲収差など)を修整するものだ。
とくに広角~超広角では顕著だと思うが、歪曲がひどいと、構図ズレを修整しても、周辺がうまく重ならないということがある。
それを避けるために、ここであらかじめゆがみを補正をしてやろうというものだ(と思う)。
簡単な歪曲の補正ができるフリーのプラグインなどがフォトショ用に用意されていたりもする(私も入れてるが、最近のエレメンツには最初から入ってるらしい)けど、それは全体をたる型や糸巻き型にひずませるものだ(GIMPのレンズ補正というプラグインは全体と周辺を別々に調整できるほか周辺減光修整もできる)。
一般的にはそれで充分だろうが、このレンズコレクションモジュールでは、画像中心からの距離におうじた3点について、その補正量を調節することができる(のだと思うがよくわからない)。
これで、いわゆる陣笠型と呼ばれる複雑な歪曲でも、なんとか修整ができるというわけだ(パノラマソフト用の修整モジュールの流用らしい。というか、オープンソースのものらしいので、流用というのはおかしいかな)。
そういう歪曲(を初めとした各種の収差)を補正するソフトはいくつかあり、レンズごとのプロファイルが用意されていたりもする。
PTLensというのもそのひとつで、これは、そのデータベースを使えるらしい。
ただ、以前はフリーソフトだったPTLensも、いまは有料ソフトになってしまったようで、そのデータベースが公開されているのかどうか、私は知らない。
古いものだが、PTLensDB_06-02-08.zip というのが検索すると出てくるので、中に自分のレンズのプロファイルが入っていたらラッキー、ということだ(このソフトに関するユーザーとのやりとりで説明されていた……と思ったらRaedMe文書にも出てた)。
というわけで、本当は歪曲を補正したほうがいいのはわかるが、これを撮影したのは最近の(数年前の)コンデジであり、そのプロファイルは当然みつからず、自分でグリッドをみながら補正するのはあまりにめんどいので、今回はあきらめた(そもそも、こういう見上げるような構図の写真は、補正には不適。別に歪曲の程度がわかりやすい写真を撮影して修整し、それで補正のプロファイルをセーブしておくのがいい。ズームであれば、焦点距離によって違うだろうから手間はかかるだろうけど)。
で、少してきとーにいじったものを「やっぱりやめた」みたいにキャンセルしてしまうと、画像入力そのものがキャンセルされてしまう。
最初からいじる気がないのであれば、なにもパラメータを触らずにOKをクリックしなくてはいけない。
なお、この歪曲の修整だけをして(位置合わせをしないで)写真の保存をしてしまえば、このソフトは歪曲補正ソフトとして使えるということになる。
GIMPやフォトショのプラグインでパノラマツールというのがあるが、それも同様な方法で歪曲を補正でき、しかも色版ごとに数値を設定できるので色収差(色にじみ・色ズレ)の修整にも使えるというすぐれものなのだが、いかんせんプレビューができないので、そもそも使う気にならない。
これならグリッドを見ながら調節できるので便利だと思う(色収差の修整はびゅんこ=ViewNX 2にやってもらえばいい)。
なんだかんだで画像が本体のソフトに入力されたとすると、このようになる。
上の3枚が読み込んだ画像で、真ん中のがマスターとなっている(どれをマスターにするかはチェックボックスを選択することで変更できる。マスターの写真に合わせてズレが修整される)。
下は3枚を合成したものが表示されている(ずれているのがわかる)。
左側にあるボタンの「1:1」というのを押すと原寸表示となり、「CP1」(チェックポイント1? ← コントロールポイントだった)をクリックすると、左にある赤い丸十字マーク周辺が表示される(写真が大きくずれている場合はマウスドラッグで動かせる)。
さらに拡大したい場合は、「In」というのがズームインとなる(「Out」はズームアウト)。
プレビュー窓全体に1ピクセルしか出てない……というぐらいまで拡大できる(笑)。
※追記:Live Previewのチェックボックスをオンにしておくと、CPを動かすと同時に3枚を合成したプレビューも動くが、パワーのあるマシンじゃないとキツイ。
すべての丸十字マークを同じところに持って行く。
マウスドラッグで動かすほか、カーソルが十文字になっているときは矢印キーで動かせるので、そのほうが微調整はやりやすいと思う(移動は1ピクセル単位だと思う。それ以上の精度でやりたかったら拡大した画像を使えばいい)。
下の合成表示で左側が合致しているのがわかる。
今回はそれほどでもないが、暗くてわかりにくいなどのことがある場合は、スライダーで明るさ調整ができる。
右の写真を明るくしてみたが、この明るさ調節はプレビュー画像だけが変わるもので、出力の明るさは変わらない、はず(こんなものにもヒストグラムが出てくるのが、いかにもHDR用っぽくていい)。
右側のCP2も同様にして丸十字の位置を合わせる。
下の合成画像のズレが(少なくともこのサイズでは)なくなっているのがわかる。
合成画像プレビューの左にある1:1ボタンをクリック、CP1のところを表示させてみた。
合わせるコツは、丸十字マークの位置だけを見ず、拡大や縮小したりしつつ、プレビュー窓に同じ範囲が表示されているかどうかなども確認することだ(CP1や2のボタンをクリックすると、それがプレビュー窓中央にくるので、合っていれば、3つのプレビュー窓には、完全に同じ範囲が表示されるはず……極端に回転したりしてなければ。あと、明るさを変えて表示し、同じところにCPがきているかどうかも確認するとよい)。
こんな感じで各所の確認をして、これでよしとなったら画像を保存する。
メニューバーのSave Allをクリックすると保存用のダイヤログが出る。
保存するフォルダを選ぶにはBrowseのボタン(日本語が文字化けするので、わからなくなったらてきとーに見当つけて)。
「Tag」というところの「Append」にチェックが入っていると、ファイル名の後ろにAlignedというのが付け加えられる(チェックを外すと前にくる)。
※追記:Input File Namesのところでファイル名を変更できる。Tagも自分で変えられる。
「Borders」にチェックを入れると、写真に枠を付け加えることができる(その下の4つの数字で幅を調節できる)。
その右側で、JPGで出力するかBMPで出力するかが選べるので、そこらへんの設定がすんだら「OK...Save」をクリック。
この保存のときに実際の処理が行なわれるので、パソの能力にもよるが少し時間がかかる(マスターはそのまま保存されるのでやや早い)。
これで、このソフトでの作業はおしまいだ(当然だが出力にはExif付き)。
できたものを、Photomatix Proで平均合成(加算平均)してみた。
もちろん位置合わせはさせてない(屋根の上に飛んでるのはハト)。
比較用にFusionで自動位置合わせ(Fusionは回転ズレはもちろん、かなり大きなゆがみも修整できる)。
出力をPhotomatix Proで平均合成。
原寸で比較してみる(右がFusion)。
今回は原寸表示のまま位置合わせをしたせいもあって、それほど精度は出てない。
しかし、CPの近くなど、うまく重なっているところは重なっているので、このズレは広角の歪曲のせいだろう。
こればかりは、最初にひずみを修整しておかないとどうにもならないと思う。
ただし、歪曲が原因というよりも、像の倒れ(パースの違い)が原因で、端っこがうまく重ならないことがある(そっちのほうが大きいかも)。
FOV/FLとあるスライダーでそれを調節でき、作例は出してないが、じつをいえば、この3枚の写真もかなり合わせることができた(ここに出したものとは大違い、というぐらい合ったのだが、どうしてスライダーひとつで3枚の写真の位置ズレが合うのか、リクツが理解できないでいる。CPの座標のズレからレンズの向きのズレを検出し、像の倒れの量というか角度というかを計算しているのではないかと思うが。ついでにいうと、Scalingのチェックも付けたり外したりすると、これもまた微妙に違ったりする……その意味はわからないのだが。とにかく日本語じゃないものはよくわからない)。← スケーリングというのはようするにスケール、つまり倍率とか縮尺の調整のことらしい……ので、ふだんはチェックしたままでいいと思う、たぶん。
もしかしたら、この機能こそがこのソフトの最大の特徴なのかもしれないが……とにかく下の合成画像プレビューのズレが残っている部分を拡大しつつ、スライダーを動かしてみてほしい(やらないと損すると思う)。
なお、ここに出ているFLというのはフォーカルレングス、つまり焦点距離のことで、この写真は35ミリ判換算で26ミリの広角(ズームの広角側)で撮ったのだが、たしかにそれぐらいの数字でぴったり合った(25mm前後で合った)。
正直、驚いた。
魔法かと思った(笑)。
その作例がないのは……記事用のキャプチャなどすべての用意ができてから気が付いたから(というか、最初にいじってるときに気が付いたのだが、記事作りの用意をしてるときには、すっかり忘れてしまったのだ。最近は物覚えがわるくてね)。
まあ、私はこういう明るい写真で、自動位置合わせが問題なくできるものを、わざわざ手動でやろうとは思わない。
どうしても自動ではうまくいかないものをやるというような、緊急避難的なもの、補助的なものと考えたいので、これぐらいできれば充分以上だと思う。
というわけで、HDR合成に、あるいは星の写真(天体写真)の合成(いわゆるコンポジット)に、定点観測写真の位置ズレ修正に、そのほかいろんな目的に、うまく使えば便利ですぐれたフリーソフトであるのはたしかのようだ。
たとえば手持ちで連続(間欠)撮影したものを簡単なアニメGIF(動画GIF)にするときとか……動体(大きさにもよるが)があると、Fusionはその位置を合わせようとして画像をゆがめてくるので、「雲の成長(動き)」みたいのを作るにはちょうどいいのではないだろうか(地平線だけ合ってればいいわけだし。まあ、そういうのを作ろうとしているのに手持ち撮影はないと思うが、意図せず撮れてしまったものを、あとでなんとかしたくなるということもあるだろう。動物とかスポーツとかの連続撮影の合成とか)。
ただ、まあ、何百コマも使ったタイムラプス動画を作るとかなんとかだと、そのコマ数をこれで手作業で合わせようというのは、ちょっと気が遠くなりそうだが。
ともあれ、ありそうでなかったソフト、作った人はマジ偉い。
かなりgreatなtoolだと思う。
このソフトを入手するには、こちらのページに行く。
・HDR Alignment Tool v2.0 | Flickr - Photo Sharing!
画像の下に Click here to download it off bitbucket. と出ているが、そこのhereをクリックすると、zipファイルが落とせる(ディスカッションのページで、うちで配布してもいいかみたいに聞いてる人もいたので、検索すればほかにも出てくるかもしれない)。
インストールは不要で、解凍したフォルダの中に、HDRAlignmentTool_v20.exe という実行ファイルがあるので、それをクリックするだけで起動する(3つだけだが、レンズのプロファイルも同梱されている)。
プログラム本体はどこかに隠しておいて、スタートメニューにでもショートカットを作っておけば、ほかのふつーのソフトと同様に使えるだろう。
アンインストールは、そのファイル(またはフォルダ)を丸ごと削除すればいい。
readmeは英語なので、読める人は読めばいいが、たぶん使い方はここで紹介したので合ってると思う(違ってたらごめん)。
※追記:このソフトはノットフォーコマーシャルユースってことで、商業利用は不可。個人が趣味で使う分にはフリーということなので注意。作者の意向は尊重しましょう。
ついでなので、位置合わせだけができるフリーソフトをまとめておこう(私が知っているものだけ)。
●Photomatix Basic 1.0
自動の位置合わせ(平行移動ズレを修整するモードと回転ズレまで修整するモードがある)と、手動の位置合わせ(アドバンスモードといって、方法はこのソフトとほぼ同じだが2枚ずつしかできない)があって、自動の場合は結果が出てくるので、それを保存することができる。
なぜか手動の位置合わせをしたときは、その結果が反映されない(内部的に修整されているだけ?)。
うまくいけばうまくいくが、わざわざ余計にずらしてくるときもあるなどあまり使い物にならないし、HDR Alignment Toolが発見できた今となっては、こいつのアドバンスモードもとくに使う意味はなくなってしまった。
このあたりの記事(の下のほう)を参考に。
●Fusion
私の知る限り、最強の自動位置合わせソフト(最新版は有料になったが、過去バージョンはフリー。有料のやつは出力にロゴが入るらしいが、位置合わせだけでも入るのかどうかは、使ってないので知らない)。→ 14年追記:現状ではPhotomatix Proのほうが位置合わせの性能は高いが、合わせたものを出力できないので、フリーの自動位置合わせソフトとしては、やはりFusionが最強となる。
まあ、露出合成もできるHDRソフトを位置合わせにしか使ってないということなのだが、それは32ビットファイルの読み書きができないからだ(処理も遅いし、プレビューと結果もかなり違うので使いにくい。トーンマッピングの結果そのものは、いいときはいいのだが)。
ただ、傾きやゆがみまで修整する全自動モードしかないので、だめなときはだめ(基準となるマスターを任意に選ぶこともできない)。
わずかな平行移動だけ補正してくれればいいときも、高度なアルゴリズムでやろうとするから、失敗する(のだと思う。ズレ修整にはいくつかのアルゴリズムがあって、適不適がある。たとえば被写体の重心を求める方法だと、多少暗かったり、エッジがぼやけていてもうまく重ねてくる、らしい)。
ほかの記事でも書いたが、真ん中に満月があるだけ(ほかは真っ暗)、というような天体写真には無力(星野写真もだめ)。
何枚までの写真を同時に処理できるのかはわからない(10枚ぐらいまでなら処理させたことがある、ような気がする)。
有料のやつはバッチ処理ができるようになったらしいけど、合成とかトーンマッピングじゃなく、このズレ補正だけというのもできるのだろうか(マスターに合わせて何百枚でも合わせられたらすごいけど、そもそもHDRソフトだしなぁ)。
こちらの記事を参考に(ダウンロードはこちら。さらに古いやつも、いくつかのダウンローダー上に残ってる→ 古いのをこちらの記事のFusionの項目に置いておく)。
●ImageFuser
MAC用の露出合成ソフト……だと思うけど、使えないので詳細は不明。
サイトの説明を読むと、どうも位置合わせをしたものを出力できるようなことが書いてある(オプションのAlign onlyというのでできるようだ)。
メソッドはAlign Image Stackというやつで、Luminance HDRが積んでるのと同じもの(だと思うが、だとしたら、入力画像ファイルのパスに日本語が入っていると動かないというようなこともあるかもしれない。以前のLuminanceHDRではそういうことがあったので、これは動かないものなのだと思っていたことがあった。ちなみにパスというのは……たとえば画像をデスクトップに置いておくと、そのパスはC:\Documents and Settings\ユーザー名\デスクトップ\00000.JPGみたいになるが、少なくとも「デスクトップ」が日本語ということになる。MACではどうなってるかわからないが)。
自動なので、どこまでうまく重ねてくるかはわからない(たぶん、これも得手不得手はあると思う。LuminanceHDRも失敗することがあるし)。
サイトはこちら(英語)。
●easyHDR Pro
有料ソフトだが、出力にロゴが入ってもいいのなら、体験版をフリーで使える。
ただし、そのロゴはど真ん中に入る(最終的にトーンマッピングまでさせると、複数のロゴが入る)ので、Photomatix体験版でトーンマッピングしたもののロゴを消すようにはいかない。
あらかじめずれた余白を作った写真(右上だけに余白とか左下だけに余白とか)のセットを使い、画像の中心を変えておくと、ロゴの位置がずれるので、逆さにしたものを合成してロゴを消せなくはない、と思う……いや、ずらしてるんだから逆さにしなくてもいいのか。
私が試用したバージョンは、たしか自動での位置合わせと、HDR Alignment Toolのような方法の、2種類のメソッドを積んでたと思う。
ま、ほかに位置合わせができるものがあるのに、わざわざこれを使ってロゴを消す必要もないが。
会社サイトはこちら。
●Rapid Alignment
RaijinHDRというソフトの付属(?)ツールで、フリー。
しかし、本体のRaijinHDRというのが売れなかったためか、いまは会社(?)のサイトも消滅し、ほしくても買うことができなくなった(キャッシュも出てこないので、一時的に落ちてるということではないと思う)。
ただ、両方とも、ソフト自体はベクターに残っているので落とせる。
私が調べたときは、このRapid Alignmentは平行移動ズレしか対応してないようなことが出ていたが、あらためてベクターのページを見ると「水平・垂直移動だけとは限らないので、リージョンオブインタレスト(ROI)/注目領域のずれを最少に持って行く方向で調整する事により」とかいう、私の頭ではわけがわからないことが出ている(むずかしい言葉を使うな)。
これはもしかして傾きのズレも修整できるのかと思って、この記事のためにわざわざ入れて、動作確認をしてみた(.NET Framework 4.0が必要ということで、余計なランタイムを入れるのはイヤだったけどしょうがない)。
結果から言おう……上下左右のズレしか修整できないくそソフトだ。
しかも激しく重い(まあ、私のパソが低スペックすぎるんだけど)し、激烈に使いにくい。
LuminanceHDRのマニュアルでのズレ修整みたいなやつで充分なのに、なんで妙にインターフェイスをすっきりさせようとか思うかな。→追記:そのLuminance HDRも位置ズレ修整したのを出力できるようなのだが、やろうとすると落ちるので使えない。
ヘルプを見ようにも、会社サイトのヘルプページをブラウザで開くようになっているので、それも表示されない(会社サイトがないから)。
ひさびさに入れて損したソフトだと思った。
こんなものを使うなら、GIMPとかのレタッチソフトで、差の絶対値にしてレイヤーを矢印キーで動かしたほうが百万倍ましだ。
それでも興味のある人はこちらを見て。
なお、そのGIMPやフォトショ(まあ、高いやつには自動整列とかいう機能がついてるけど……あれ、フォトマージの流用だよね?)などのレタッチソフトで、手動で位置合わせをする方法は、こちらの記事が参考になると思う、たぶん。
その記事ではラインツールで傾きを調べているが、これを地平線や建物の縦横の線で調べれば、重ねたい写真それぞれの傾き(すなわち回転の補正量)がわかるというわけ(いまはものさしツールというのがあるようだがよくわからん)。
いうまでもなく、レンズの歪曲や像の倒れを補正するのはちょっと無理(ちなみにGIMPにも整列という機能があるが、いわゆる自動の位置合わせとはまったく違うもの。たしかに英語ではなんでもアラインなんだろうが、文字や小さな画像を右揃えにするとか上揃えにするとかいう「揃える」「並べる」ことはともかく、ここでいう重ねて合成するときの位置合わせ、ズレ修整みたいなことは、個人的には整列とかいう日本語を使うのはやめたほうがいいと思う。どう考えたって、あれは日本語でいうところの整列じゃない)。
あと、最近ではデジカメのおまけソフトにもHDR機能がついている(古いものでも、アップデートで新しくできたりする?)ようだが、そのソフトに位置合わせ機能があるのかどうか、あったとして、修整したものを出力できるのかどうか、そこらへんは知らない。
天文用(天体写真用)の画像ソフトにも当然(有料無料を問わずほとんど)スタック(コンポジット)用、あるいはモザイク合成(パノラマ合成)用の位置合わせ機能が備わっている(複数のアルゴリズムを積んでるものもある)が、位置合わせをしたものを出力できるのかどうかわからない(そのまま合成しちゃうソフトでも、不透明度の指定ができるものは、こっちを100パーセントにするというようなことで、事実上の位置合わせソフトになる……が、そのソフトがなんだったのか忘れた)。
もしかしたら、作業用のTMPフォルダ内に修正された画像が入っていたりするかもしれないが。
フリーのパノラマソフト(名まえ忘れた)でも位置合わせができるということで試したこともあるのだが、残念ながら操作方法が理解できず断念したこともあった(なお、ふつーはレンズの歪曲のせいで、ただ重ねて並べただけではうまくパノラマ合成はできない。とくに広角レンズでは。その前処理としてゆがみを修整するフォトショ用のプラグインがある)。
最近知ったのだが、焦点深度合成(とかいう言葉を勝手に作ってるけど、ようするに複数枚のピント位置が違う写真を合成してパンフォーカスの写真を作ること)用のフリーソフトであるImageJというものがある(画像解析ソフトということで紹介もされているので、そういうものなのかもしれない。たぶんいろんなことができるんだろう)。
なんか、フリーとはいっても、学術利用とかのアカデミックな雰囲気がするんだけど、まあいい。
それのプラグインにも位置合わせをするものがあるようだ。
ただ、合わせたものを出力できるのかどうか、よくわからない。
Javaの上で動くので、OSは問わないらしく、うちのOSで動くものがないとかなんとかの場合、もしかしたらもしかするかも。
まったくわからないし試用する気もないので、興味のある人は自分で検索するなどして調べてみてほしい。
あと、どっかの人が作ったフリーソフトで、コマンドラインから操作するような位置合わせソフトもあるようだが、よくわからん。
本人は失敗だとか言ってたような気がするが、もはやどのサイトで見かけたのかも忘れた。
医療画像用のソフトもあるが、一般的な拡張子じゃない画像用だったりして、手に入っても使えるのかどうか知らない。
おしまい。
ズレ補正とか同じ角度とか書いておかないと検索でヒットしないみたいだ、うむ。ついでにimage alignment hdrとかも書いておくか。freeとか重ね合わせとかOptimized Alignment Photoとかなんとかてきとーに(笑)。
※追記
やっぱり魔法のキャプチャを出さないままというのはナンなので、やり直した。
これがCPで位置合わせをしただけのもの(下の合成画像の拡大部分を見てほしい。いちおう等倍以上に拡大してる)。
FLをスライダーで調節したもの。
これを魔法といわずしてなにを魔法というのだ。
どういうことなのかというと、こんなふうに、像の倒れ(パースペクティブの変化)を調整しているわけだ(パースの修整ソフトはこちら)。
これは4.3ミリという焦点距離に設定したところだが、もしもそのレンズで撮ったもののズレ補正をしたとしたら、これぐらいパースを変えてくる(遠近感をゆがませてくる)。
マジ頭いいとしか思えない。
近年まれにみる賞賛に値するすがすがしいソフトだ。
はっきりいって、感激した。
ちょーむずかしいテクノロジーに感心するということではなく、あまりにもシンプルすぎる解決方法に意表をつかれて、スカッとさわやかな一陣の風が通り過ぎたような思いだ。
このソフトに出会えて幸せだとすら感じるのはオカシイだろうか(オカシイな)。
ただ、この設定はスライダーなので微調整はちょっとやりにくい。
そこでというわけではないだろうが、1回スライダーを操作すると、その次に左右の矢印キーでちょんちょんと微調整ができる。
すべて矢印キーで操作することはできず、スライダー操作の後に1回だけできる、という具合らしい(スライダーをクリックするだけでも矢印キーは使える)。
望遠側にいくほど移動単位が粗くなるが、そもそもパースのゆがみが少ないので、なにも問題はない。→ 念のために書いておくと、やっぱり歪曲が大きくて、かつズレが大きいとうまく重ならない。
これらキー操作(ショートカット)については少し試してみたのだが、たとえばコントロールキーを押しながらだとキーで調整できるとか、そこらへんは発見できなかった(でも、なにかできるかもしれないので、やってみてほしい。あ、出力のときのJPGの圧縮率は、マウスのぐりぐりで変えられる)。
ちなみに4枚以上の写真の位置合わせをしたいとなったら、この作業を繰り返さなくてはいけないが、そのときには同じ写真をマスターにしたほうがいいと思う(HDR合成が目的で、写真の明るさが大きく異なるときはむずかしいだろうが……そのときは修整したものをマスターにするしかない。それでなにも問題はないが)。
しかし、位置合わせを済ませた写真を保存するときは、すべて一括で保存することしかできないので、作業を繰り返した場合、何回も同じ写真(マスター)が上書き保存される。
上書き保存するけどいいかという警告は出るが、じゃあやめるという感じで1枚だけ保存をキャンセルすることはできないようだ(警告のダイアログでキャンセルを選ぶと、位置合わせ画面に戻ってしまう)。
保存のための時間がムダになるが、しょうがない。
私はプラマイ3で撮影して、そのうちの4枚を使ってHDR合成をすることが少なくない(輝度差の大きい夜景とかではさらに枚数が多いが)ので、このあたり、バージョンアップで改善していってもらいたいところだ(支障があるわけではないので、ぜひとも改善してほしいというほどではないけど、任意の画像だけ保存するとか削除するとかはできるといいなとは思う。入力画像を間違えたときも、それだけ入れ替えることができず、最初からやり直しになってしまうし)。
追記
上の3つのプレビュー窓の上で右クリックすると、ロード、セーブ、クリアのメニューが出るので、個別の画像を入出力できることがわかった(3ついっぺんにやらなくてもすむ。くそ、こんな機能が隠されていたなんて……惚れる)。
※追記:
PhotoAcute Studioというソフトもズレ修整だけというのができるけれども、買わないと(体験版だと)ロゴが入る。そのロゴを消して使える方法もなくはないけど、FusionかHDR Alignment Toolを使ったほうがいいと思う。
勉強させて頂きました。
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