全国のファン注目の挑戦者決定戦だ―。将棋の高校生棋士・藤井聡太七段(17)は19日、第69期王将戦挑戦者決定リーグ最終戦で広瀬章人竜王(32)と激突。対局は東京・千駄ケ谷の将棋会館で午前10時から始まっている。
持ち時間は各4時間で使い切ると1分将棋。先後は事前に決められており、藤井七段の先手。戦型は矢倉となった。
本局に勝利した方が渡辺明王将(35)への挑戦権を獲得する。藤井七段が勝つと、来年1月に開幕する王将戦七番勝負に17歳5カ月で登場することになる。これまでの最年少タイトル挑戦記録は、屋敷伸之九段(47)が1989年の第55期棋聖戦五番勝負に臨んだ時の17歳10カ月で、これを30年ぶりに5カ月更新する。
広瀬竜王とは2018年2月17日の第11回朝日杯将棋オープン戦決勝で当たって以来、2度目の対戦。あの時は角換わりから先手・藤井七段=当時五段=が制勝し、15歳6カ月で最年少棋戦Vを飾った。
リーグ開幕時は藤井七段を除く6人が全員、名人かA級棋士という“鬼リーグ”だけに、厳しい展開も予想されたが、17歳の成長曲線は桁違いだった。転機は、序盤から苦境に陥りながらも驚異の粘り腰で171手の激闘に持ち込んだ2戦目の豊島将之名人(29)戦。敗れたものの、あれが大きな糧になり、天才少年に“1段上のギア”を与えた印象。それ以降は完勝劇の連続で、ここもどんな戦いを見せてくれるか楽しみだ。
王将リーグに参戦する7人のうち、残留できるのは4人。今期は既に久保利明九段(44)、糸谷哲郎八段(31)、三浦弘行九段(45)の陥落が決まっている。七番勝負は来年1~3月に行われる。