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「桜を見る会」が日本政治に突きつけた本当の問題

「国民が認めた」努力に報いる民主主義国家であり続けるかどうかが問われている

米山隆一 前新潟県知事。弁護士・医学博士

問われる日本という国家のあり方

 翻って、今般の「桜の会の参加者急増」問題では、前述の「安倍晋三後援会経由なら申込だけでOK」や、TVで「功労は?」とコメントされた自民党議員の親族の招待などに端的に示されたように、率直に言って、「自民党にとって有用であると、自民党が認めた努力」、もっと言えば、「安倍総理にとって有用であると、安倍総理が認めた努力」ばかりが選考され、認められたと言わざるを得ないように、私には思えます。

 そして、予算額と決算額の大幅な乖離(かいり)が5年以上放置されていたことは、「安倍総理にとって有用であると、安倍総理が認めた努力」にだけ報いる事を、「予算」という形で国民に示す必要性さえも感じていなかったことの証左であり、問題が表面化するや、さしたる検討・議論もないまま、「総理の決断」で突如、来年度の中止が決定されたことは、総理・官邸がこの行事を「総理の、総理による、総理の為の行事」と考えていた(考えている)ことを、別の方向から示す端的な証拠ではないかと、私には思えてなりません。

 この問題を「低俗な」「下らない」問題、もしくは「招かれない人の嫉妬」などとして早期に幕引きを図ろうとする声が、政権内部や政権を支持する方々から聞こえてきますが、私はそうは思いません。

 この問題は、日本という国家のあり方、日本が「為政者は国民から選ばれたことによって正当性を持ち」、「国民にとって有用であると、国民が認めた努力」に報いる民主主義国家であり続けられるかどうかの分水嶺です。真摯(しんし)で徹底した議論と疑念の解明が求められると思います。

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筆者

米山隆一

米山隆一(よねやま・りゅういち) 前新潟県知事。弁護士・医学博士

1967年生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学系研究科単位取得退学 (2003年医学博士)。独立行政法人放射線医学総合研究所勤務 、ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院研究員、 東京大学先端科学技術研究センター医療政策人材養成講座特任講師、最高裁判所司法修習生、医療法人社団太陽会理事長などを経て、2016年に新潟県知事選に当選。18年4月までつとめる。2012年から弁護士法人おおたか総合法律事務所代表弁護士。

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